あらすじ
「神の域に行かせていただきました」――イチローよりも速く1000本安打を達成し、2016年に殿堂入りした伝説の打者、榎本喜八。引退後30年も保ち続けた沈黙を破り、語った真実とは何か。王貞治のコーチとしても名高い荒川博や伝説の柔術家の教えを受けて体得した"合気打法"の核心は。歓喜と絶望の間を揺れ動く魂の記録。
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Posted by ブクログ
足の裏から身体全体を持ち上げる運動、これすなわち足を正しく使うこと、土台をきちんと固めること、分かりやすく言うとインソールの効用。
丹田を意識して立つ、動く、呼吸するとはつまりバランス良く動くことと腹式呼吸とのことで、これらを究めるとパフォーマンスが上がることは誰でもわかるだろう。今一度彼の動作とトレーニングを見直すと温故知新的な発見がある気がしてならない
Posted by ブクログ
榎本喜八は,記録上ではよく知られているが(史上最速24歳での1000本安打達成など),野球界とは縁を切っていることもあり,実像が掴みにくい.合気道を基にしたバッティングを行うなど,独特の打撃理論を実践していたこと,そのために自分の出番以外は精神の集中を行っておりチームに溶け込まないこと,ナイーブで思い詰めやすく癇癪を起こす性格などが原因で,当時の誰もが認める凄い選手であったにもかかわらず,指導者としては不向きであっただろう.本書の著者も榎本がインタビューで語る打撃理論を理解するのに6年を要したようである.本書は榎本の激烈な野球人生を描いた労作である.