あらすじ
なぜ「ラーメン職人」は作務衣を着るのか? いまや「国民食」となったラーメン。その始まりは戦後の食糧不足と米国の小麦戦略にあった。"工業製品"として普及したチキンラーメン、日本人のノスタルジーをくすぐるチャルメラ、「ご当地ラーメン」に隠されたウソなど、ラーメンの「進化」を戦後日本の変動と重ね合わせたスリリングな物語。
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Posted by ブクログ
面白いっちゃ面白いけど、「つくられた伝統」なんて日本に限らずどこでもそうだし、だから言おうと思えばなんでも「国粋主義」とか「ナショナリズム」とか言えるわけだけど、単にそれを「ラーメン」と結びつける組み合わせの面白さってだけじゃないの、という気もした。
須藤元気を事例に「ナショナリストで多文化主義」っていうのは、もっと拡げて書いて欲しかったなーと思いました。そういう例を逆説的に捉えれば「地元のアイデンティティを否定して、多文化主義を肯定するリベラルの振る舞いは、マイノリティのナショナリズムや民族主義を肯定して、マジョリティの文化を否定する、マイノリティ側の排外主義」とも言える。まさに、そういう似非リベラルに対する反感が今の日本の右傾化を招いていると思っていたので。