【感想・ネタバレ】チポロのレビュー

あらすじ

「天山の巫女ソニン」シリーズの菅野雪虫の書き下ろし最新作! 力も弱く、狩りも上手ではない少年・チポロ。ススハム・コタンの村に大挙して現れた魔物たちは、チポロが慕う少女・イレシュをさらっていった。その後、北のさいはての港町に、触れたものを凍らせ、貧しき人々に食糧を届けてくれる「魔女」と呼ばれる少女が現れたことを商人から伝え聞いたチポロは、「魔女」がイレシュではないか確かめるため、北を目指した――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

三部作 ということで 満足できるかドキドキしながら読み進める。(本作者のエンディングがこれで終わり??となるので。。)
アイヌ関連なのか。 ゴールデンカムイで聞いたことのある単語たチラホラ。
2,3巻と1巻のイラスト違う。笹井一個氏。

どんなに素晴らしい世界だとしても、親しい人がいなければ独りと一緒、親しい人がいてこその幸せ、というメッセージだろうか。
父親と母親の馴初めのシーンが気になる。友人との関係性も。。余程親しかったとしたら、妻への想いに葛藤することは無かったのだろうか??
そして母親の意識は今どうなっているのだろう??

『…感謝しなくなり、もっともっとと獲物や収穫を求め、互いに競い、争うようになりました。強い者は…おごり高ぶり…争うようになりました』
聖書のようだな、と思ったが、アイヌの神目線なのか。

(失敗したって恥をかいたって、やらないで後悔するより、やって後悔するようがいい!)
そうはいいつつも、身体が動かなかったりするので、偉い。。チャンスは万人に訪れるが、チャンスをものにする人間は備えてシミュレーションしているから、というセリフがサッカー漫画にあったなぁ。。

(みんな、忘れたいんだ。楽しい、誇らしい記憶は語り継がれていくけれど、苦しい、後ろめたい記憶は、なかったことにしたい。…)

『…猟や漁をする人々に比べれば、物を売るだけの仕事なんてラクだろう、とどこかで思っていました。しかし、人と人が住む場所の間を、つまり人がいない場所を、大荷物をかついで移動する人々の大変さは、同じようなことをやってみなければわかりませんでした。』
『…長い旅に話し相手がいるということが、どんなにありがたことだったのかを、チポロはあらためて感じました。』
『一人でがんばれる人間には、決して一人ではなれなかったことを思い出したのです。』

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

力も弱く、狩りも上手ではなかった少年チポロが連れ去られた幼馴染の女の子を探すために強くなり、旅に出る物語。
アイヌ神話をモチーフに、人間が大好きな神様や失望した神様も出てくる。

旅の道連れになった小さな神様の「いつも大きくて強くてなにかをほどこし助けてくれる、そんな神様ばっかり望んでる」というセリフにドキッとした。
神様が与え恵んでくれるのをいいことに努力を怠り恵みばかりを期待するようになる。
人間を嫌いになる神様はそこに絶望するのだろうし、そういった人間を含めて愛しいと思い寄り添ってくれる神様もいる。

少年が勇気を出し成長し、いろいろな人の助けを借りながら大切な女の子を取り戻そうと旅をする。王道で単純明快な物語の中に大切なことがいろいろとちりばめられていると思う。

ヤイレスーホが不憫。彼がイレシュを帰せなかったのは、かつて自分に優しくしてくれた女の子と一緒にいたいと思ってしまったからなのでは。
彼は彼で、大切な女の子と自身の信じる素晴らしい世界に行きたかったのだろう。
結局幼馴染の男の子に負けてしまい彼自身も罰を受けるのだが、その後どうなったのかが気になってしまった。
続編もあるようなので読んでみよう。

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2019年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。子供のための物語という感じ。
負け続けると卑屈になってしまいそうなものだけど、チポロはバカにされながらも力を蓄えてきた。
信じる力の強い子供だった。
反対に自分も人も信じずにだいぶ歪んでしまったヤイレスーホ…たった一度、無条件で助けられたことが彼をほんの少し変えたのだとしても、結局イレシュに届かなかったのが切ない。
あの後どうなっちゃったんだろう。
イレシュの気持ちも複雑なまま残りそう。
続編が読みたい。

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2018年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

祖母と二人暮らしの貧しい家の子チポロは、ある日見事な鶴を射止めます。その事から自信をつけた彼は、諦めることなく努力や工夫をするようになります。

ある日チポロは、村を訪ねてきた、人間に近い神シカマ・カムイから、魔物の襲来に気をつけるように言われます。だが、魔物が現れた時、チポロから教えられた呪文を唱えた友だちのイレシュはさらわれていきました。

チポロはイレシュを連れ戻すために、力を蓄え、魔物がいると言われる北の港を目指すのでした。


国造りの神兄弟の弟とアカダモの女神チキサニとの間の男児オキクルミ。そのオキクルミと妹と、人間たちとの関わりの中から生まれた冒険話。

ストーリーはとても面白く、ぐいぐい読ませるものがある。人物や場面の設定にも無理がない。
また、物語の随所に、諦めないことや思いやりの大切さが、くどくない形で盛り込まれており、好感が持てる。

ただ、登場人物(特に主人公のチポロと友人のイレシュ)の語る言葉が今風過ぎて、アイヌ民話を基調にしたこの物語の中では浮いてしまう点が残念。

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2016年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもに読ませることを考えると、評価として星はもう一つ増えると思います。

ただそれも難しいところで…。
アイヌ神話を元にしたストーリーと優しい描写、ファンタジーな世界観は小学校中学年から理解できて楽しめるし、薦める方としても安心して読ませられる作品。
なのですが、このレベルのボリュームを読める子は、この穏やかな語り口とシンプルな展開に物足りなさを覚える気もします。
いい意味でも微妙な意味でも、平たい。

ソニンのシリーズに及ばないイメージです。

ストーリーテリングなどで、読む意欲を掻き立てて、まだこのレベルに手を出したことのない子の入り口とするにはもってこいかなあ、とも思います。

ヤイレスーホはどうだろうか。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アイヌをテーマにした神話をベースにした、どこかで読んだことがありそうな物語を現代的にアレンジした感じ。弱々しかった少年が、自分で考え、自分で決めて、自分で旅立つまでの成長の物語。
長いシリーズの序盤で、伏線を張っているのだろうとは思うが、登場人物が多過ぎて、ちょっと手こずる。
また、元が神話であるせいか、オキグルミの妹神が、どうして人間を愛したのか、その理由が明確ではない気がする。飢饉が人の心を荒ませるのは確かだが、ススハム(シシャモ)が流れてきたことで村の貧富の差が広がったとの記述のように、豊かになることで人の心が温かくなるわけでも、優しくなるわけでもない。イレシュは妹神と行動が重なるが、もともと人であるイレシュと妹神では心持ちも違うだろう。
ヤイレスーホは、どうして人の姿で生きたいと願ったのか。次巻が楽しみ。ミソサザイの神が可愛い。

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2019年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童書?YA?ジャンルはわからないが大人向けではないのかも。たいへん読みやすく、読後感も良いお話だった。サクサク読めて、疲れなかったのも良かった。この人のソニンシリーズが大好きだったので読んでみたけど、やはり作風があっているのだろうなあ。

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2016年05月01日

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