あらすじ
――平世21年。探偵行為を禁止する法律が成立し、探偵狩りが行われている現代。少女・空閑純は、かつて名探偵として名を馳せた両親に育てられたが、母親はある事件を追う最中に行方不明となっていた。母の出身地である奧多岐野に父とともに移住し、帰りを待つ純だったが、そこで発見された身元不明の他殺死体が、父子の日常を破壊する! 存在意義を否定された探偵に謎が牙を剥くとき、新たな物語が動き出す!!
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Posted by ブクログ
何年も積読していたソラシリーズ。
2年前に読みかけたけど、異なる世界線の説明でなぜか読み進められずそのままになってしまっていた⋯。
今回も途中までゆっくり目に読んでたけど、2人目の殺人が起きたあたりでブーストがかかって読みきった。
不穏な国家情勢と世の中の閉塞感の描かれた方が気になって、ミステリーとしては読み進めにくかったのかもと思う。
でも最後がなかなか衝撃的で、最初は単発で終わる予定だったなんて信じられない。
良かった。続編が読めて。
ソラの行く末も気になるし、高校生3人の爽やかな好意の関係性の行く末も気になる。
Posted by ブクログ
ずっと積んだままだったのを発掘。有栖川さんファンを自認してるくせに、ソラシリーズは未読だった。なんか哀しい事件だったな。そして、ソラはこれからどうなるのかな。シリーズの続きが気になるな。エピローグがめっちゃせつない。いつか再会できますように。
Posted by ブクログ
書き出しは面白く、舞台は北海道が独立国家として存在するというパラレルワールド。
広島、長崎だけでなく京都にも原爆が落とされ、日本が分断された代わりに朝鮮半島にあるのは1つの国家、などという設定は充分惹起力があり、またそのパラレル日本では私立探偵行為が禁止されている…、という前提もチャレンジングだ。
肝心のミステリーとしての要素は少しパンチが足りず、また謎解き、トリックの部分も決して秀逸とは言えないが、各キャラクターの魅力とシリーズの今後への期待を込めて、甘めの4つ星。
ただ、著者の有栖川有栖氏は元々この作品をシリーズ化することを想定せずに書き上げたそうだが、だとすると色々と未回収のものが多過ぎたのではないか?
Posted by ブクログ
うーむ、氏らしいと言えばそうなんだろうか。
虚実入り交じるところはさておき、設定が少しイレギュラーすぎて入り込めない感じが。ジュブナイルだろうから、そこらへんのニーズをという意識は多分にあるんだろうし、あえて若者の危機感を煽るという意味もあったのかもしれない。
知的な遊びでもあるミステリーはそれ自体に予言の自己成就的、というかマッチポンプ的な矛盾をはらむ。事件がなければ探偵はいらず、無能な警察がなければ探偵はいらず、悲しみがなければ探偵はいらず。それを強調しすぎるとのめり込めない人がでてくるだろうと予想される訳で、個人的には強調された作品はちょっと肌に合わない。そういう意味で今回の作品がそっち寄りだったのかもなぁと思う次第。
遊びではなく、真剣にやれば違うのかもしれんね。