【感想・ネタバレ】カンタベリー・テイルズのレビュー

あらすじ

『殺人鬼フジコの衝動』の真梨幸子、とっておきのイヤミス。カンタベリーへの道中、同じツアーの参加客が各自、とっておきの不思議話を披露し合うことに。そこで見え隠れする客同士の接点。疑心暗鬼に陥った時、人は欲望をどこまで自制することができるのか? 5つのパワースポットを軸に交錯する幸せと不幸をあぶり出した、イヤミスの臨界点! (『聖地巡礼』改題)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

単行本『聖地巡礼』の改題。短編集。
1作目に登場した脇役が2作目で主人公だったり、作品間で同一人物などが出てくるが、連作短編集と言うほどではないつながり。


「グリーンスリーブス」
高校当時カワイくて教師とSEXしてた子がただのオバサンになり果て、娘のために内縁の夫を殺す。


「カンタベリー・テイルズ」
激安ツアーで出会った主人公と菓子好き女とカップルが初対面かと思ったらそうじゃなくて、菓子好き女がカップルを貶め、主人公を殺す。


「ドッペルゲンガー」
(カンタベリー~)で出た話の裏話で、殺人に絡んだ話。


「ジョン・ドゥ」
(カンタベリー~)で出たカップルが旅行に行く前の話。

「シップ・オブ・テセウス」
上記カップルの男が書いた小説(作中作)で、死んだ父のクローンの臓器をもらうことになった青年の話。

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2016年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真梨ワールド全開でした。
短編が繋がっているとこが、また面白い。
しかし、怖い。女性の様々な怖さを感じた。
心の闇と病みの深さが怖い。
カンタベリー、テイルズのカワイさんが怖い。めちゃ怖い。目黒さんはさいご理由がわかったのかな、、。真由美さんカップルは、どうしてそうなってしまったのか、、。真由美の思い込みの激しさは家族譲りなんだろう。。
ジョン、ドゥのゆかりさんはどうなったのか、、
気になる。
読み返しても面白かった。

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真梨本初期作品。
パワースポットをテーマにドロドロ感満載のイヤミス連作短編集。

いわゆるマイナーなパワースポットなせいか、ものの見事にパワーを吸われていった人達のお話。
繋がりはあるのですが、シップ・オブ・テセウスはいらないんじゃないかなぁ?
プロットとしては、表題のカンタベリー・テイルズを中心にそこから派生したお話という感じ。

作中にも書かれている「カンタベリ物語」。
世界史で習い、面白そうだったので高校時代に買ったまま未だに読んでない・・・積読あるあるwww

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2024年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4編からなる連作短編集。
パワースポットをモチーフに据えた短編集ですが、どの登場人物もパワーをもらうのではなく逆にパワーを奪われ誰も幸せにならないという、著者らしい毒がちりばめられたブラックな趣向となっています。
パワースポットなのにマイナスの効用があるという非常に後味の悪い短編集です。

各短編はキャラクターやエピソードがリンクしており、そのつながりに気づいた瞬間はイヤな汗をかきました。

一番印象に残ったのは表題作の「カンタベリー・テイルズ」。
イギリスのカンタベリー・テイルズに行く電車のホームで会った四人の日本人観光客が、成り行き上、到着までにそれぞれのとっておきの話をするというお話。
彼らが披露する怪談話や都市伝説めいた話はなんだかリアルで、日常から逸脱した狂気に不安を覚えながらもワクワクしてしまいました。

ラストの短編「シップ・オブ・テセウス」も良かったです。
作中の登場人物が書いたという作中作なのですが、いつもの女性たちの醜いドロドロ話ではなく、少年達が遺伝子操作に翻弄されるというSF仕立ての短いお話になっています。
諦念と虚無感にふちどられた抒情の豊かさがとても意外で、真梨さんってこんなお話も描くんだなあと新鮮でした。
こんな、気持ちが逆撫でされない真梨作品をまた読んでみたいです。

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2016年09月04日

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