あらすじ
「いつから日本はこんなに駄目になったのか?」――すべての日本人の素朴な疑問に答える本が誕生した! 「騙され続けるB層」とそれを利用し、踊らせ続けるA層――この構図が日本人をくだらなくさせている元凶である。政治、文学、芸術、音楽、グルメ、スポーツ、あらゆる分野で破綻を見せ始めている「近代大衆社会」の行く末をこの上なくわかりやすく解説する教養としてのエンターテインメント。
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Posted by ブクログ
ギャグ漫画のようで、こんな楽しい本は無いな、と他の方の書評を見て唖然。評価が低い!静かな映画館で、声を出して笑うと周りが全く笑っていなかったような状態。でも気にしない。ソロモンアッシュの同調実験じゃないのだから。B層とは、郵政民営化の際に広告代理店のスリード社が用いた大衆の分類で、本著はその真意を読み解いた内容。差別的なのは、織り込み済みという態度だ。
大衆とは、良くも悪くも、自分自身に特別な価値を認めようとせず、人と同じことに喜びを見出す、すべての人。ー オルテガ『大衆の反逆』
ユーモアセンスの一例を引こう。菅義偉=お尻に毒針を隠し持つ悪い妖精。食べ放題=もとを取りたいというB層のコスパ感覚を満たすもの。ブス=本能に直接訴えかける黄色信号。ミシュラン=客層が荒れる最大の原因。一流=一流が一流であると認めたもの。
口が悪いし、ちょっとした知識の不足も見過ごさない抜け目なさは、漫才師ウエストランドのよう。清々しい悪態。たまには。
Posted by ブクログ
チェック項目7箇所。【高校野球】児童虐待の一つ、給料を払わず、私学の宣伝などに利用する。【すっぴん】B級アイドルがブログに貼るもの、「素」を見せるのは素人。そんなにコスパが大事なら、熱効率のいいものだけを食べていればいい、コスパが一番いいのは、プロイラーの配合飼料でしょう。都合のいい情報をネットで集めることにより、万能感、自己肯定感が高まっていく、つまり、情報化が情報弱者を生み出しているのです。《参加》の気分が重要、街頭で募金活動をやっている人もそうです、突っ立って「お願いしまーす」とかやっている暇があるなら、アルバイトでもして稼いだカネを全額寄付すれば社会のためにもなりますが、それだと「参加した感」がないからダメなのです。英会話ビジネスも資格ビジネスも自己啓発セミナーも構造は同じです、不安を煽り、つかの間の安心を売る、薔薇色の未来を約束し、カネを巻き上がる商売です、その原型はキリスト教だと思います、女性誌のダイエット広告も同じ、ブスが痩せてもモテるわけないじゃないですか。社会正義はあくまでも法の下で達成されるべきものであり、社会正義が法を導くのではない、この順番を逆にしたところにテロリズムは成立します。
Posted by ブクログ
B層と表現されている層は、確かにあると思う。それは、固定的な意味ではなくて、自分もそうだが、対象によって、案件によって、B層に該当するふるまいをするケースがあるという感じがする。マーケティングをする人とか、多数の支持を得たいと考えている営業の人や、政治家の人は、B層を意識した行動をするのも、ひとつの方法なんだろうな、と思う。さて、自分は?....
Posted by ブクログ
遅くなってしまいましたが献本いただきレビューです。
この本を辛口でおもしろいなーで終わるとTVの代わりに暇をつぶしているだけになる。
「大衆」を相手にしている声の事実を抑え、意図を嗅げと考えられたら良い。
読んでよかったな~と思えたのは文中にあるオルテガの引用
「過去は、われわれが何をしなければならないかは教えないが、われわれが何を避けなければならないかは教えてくれるのである」
過去に学び大きな過ちを避けるためのシステムを、近視眼的な感情で素人が破壊してはいけない。
Posted by ブクログ
「日本をダメにしたB層の研究」
騙され続ける宿命。
いつから日本はこんなにダメになったのか。すべての日本人の素朴な疑問に答える本、それは「日本をっダメにしたB層の研究」であります。著者は、適菜収。早稲田大学でニーチェを先行し、現在は、作家兼哲学者。哲学者と作家、さほど相性の良さを感じないのは私だけだろうか。と、ふと疑問に思いながらも手に取った次第です。
まず、目次をざっと見てみる。すると、B層とはなにか?今の世の中はなぜくだらないのか?今の政治家はなぜダメなのか?素人は口を出すな!と刺激的な言葉が躍っています。目次後のページには、B層用語辞典と銘打った本書で扱う言葉の辞書が・・・。例えば、
【アーティスト】
ジャニタレのこと(ん?素人のくせにアーティストのごとくネットで文句を垂れているところを風刺している?)
【相田みつを】
ファミリー居酒屋のメニューの書体を開発(お?これは少ない言葉で意味を的確に読み手に伝える相田みつを手法を讃えている?)
【維新政治塾】
入会金ビジネスのこと(やるー。それ正解!)
【コメンテーター】
専門外のよく知らないことを、知っているふりをして答える人のこと
(くー。いいこと言う。つくづくコメンテーターはいい商売だなって思うんだよねー。凄い納得いかない職業上位!それがコメンテーター。斎藤一ならば、阿呆、と言いつかれてしまう)
【ツイッター】
バカ発見器として定着。
(うんうん)
と、びびっと来る単語が並んでおります。さすが、哲学者というわけではありませんが、言い得て妙な選出だと思うところはあるので、個人的にはさほど違和感はありませんでした。しかし、ちょっと言いたいことがあります。それは、
【読書】
バカは自分の知っていることを確認するために本を読む
なんだとー!!!それはなんか違うのではないだろうか!!!も、もちろん、風刺っぽく言いたいんだろうけど、ちょっと本好きとしては納得がいかないのだ( `ー´)ノ
と、一癖あるのはぷんぷん感じる出だしでした。肝心の中身ですが、刺激的な章名からご想像の通り、辛口な文面が続きます。が、面白いといえば面白いのだけども「ようは・・・なのだ」という表現が多すぎて、論理的に物事を把握したい人にとっては「いやいや。ようはって省くくらいならば、的確に疑問生むことなく表現してよ」ってなると思います。
「ようは・・・」って言っている割には、要約されているように思えないんです。”ようは”と使うのであれば「ようはA=Bである」という論理式がすんなり聞き手の頭に浮かぶものでなければ、”ようは”という言葉を使う意味は全くないように思うんです。私はそこがいまいち好きになれませんでした。本の面白さに直接的に関係はないけども、頭はひねってしまう訳でw
しかしながら、そんな私のマイナスなイメージを挽回したのが「第三章 今の政治家はなぜダメなのか?」です。これでもか!というくらいくそみそに罵っています。哲学者とは答えが出ないものを自問自答したり、アテネ時代は延々と議論したりな人達ですが(と思っている)、彼らは「社会が良いものには何が必要か、政治とは如何にあるべきか」などなど善い気持ちがモチベーションになっている(と思っている)。だからこそ、今の政治家には非常に腹立たしいのでしょう。
そうですよね。今日なんかも、それって国会の討議で聞くこと?みたいなこと言い合っておりました。全く的を得ていない会話が続くことほど苦痛なことはないw。そんな政治家に物申すところはちょっと好きでした。
面白いは面白い。その為に、まずは「B層」とは何かを知って頂ければ。
Posted by ブクログ
献本で読みました。
とにかく、気持ちいいほどにバッサリ。
しかし、遠くから叫んでいても欲深い人たちには届かない(聞く耳も持たない)でしょう。
その方々は、B層と呼ばれる付和雷同者たちを利用しているのですから。
人に欲がある限り、結局なにしても変わりません。
ニーチェ研究家の方のようなので、発狂しない程度に情報発信していただきたいものです。
読み物としては、意外と面白かったと思います。
Posted by ブクログ
アナログ放送終了とともにテレビ鑑賞をやめた私は、テレビ主義に対する漠然とした恐怖がありました。なにが怖いってよくわからないからです。つまらないものやくだらないものほど大切にされる世界への疑念です。
私がテレビ主義と言っていたものの本質がB層という括りによって明確になり、諸々の心配が減りました。
「バカのバカによるバカのための政治」をはじめとする賢明な悪口が気持ちのいいバッサリ感です。
その分「うわぁぁ、B層と一緒にされたくねえええええ」という浅はかな焦りとの戦いでもありました。
B層になり得るおバカさんではあるので、もう必死です。
B層を卒業します。いや、しました。