【感想・ネタバレ】ルードウィヒ・B 手塚治虫文庫全集のレビュー

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Posted by ブクログ

前知識なしに読み始めたら止まらなくなって、うわあ〜どうなるの!とドキドキハラハラしている途中で終盤に差し掛かり、突如《未完》の文字。なんと遺作だったよう。誰もが知る作曲家ベートーベンの手塚治虫流伝記とも言える作品。1コマ1コマの鮮烈なこと。続きが読みたくて仕方がない。嗚呼。

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2023年01月28日

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ネタバレ

実際読んだのはハードカバーのほうなのですが、探しても無かったようなので文庫版を
ベートーヴェンの話です
音楽を絵で表すのは非常に難しいと思うのですが
(アニメやドラマになって初めて、演奏シーンが生き生きしてくるまんがって多いですよね)
このまんがの演奏シーンは絵が音になって流れてくるようで
さすがはまんがの神様と呼ばれるだけあるのに納得
もう一人の主人公である貴族の息子フランツがベートーヴェンの人生に暗い影を落とします
このフランツが(架空の人物だと思われるのにもかかわらず)生き生きしています
本格的に絡み合うかと思うところで終わっているけれど、続きは永遠に読めないのですよね・・・

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2012年04月16日

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ネタバレ

耳にハンデをもちながらも、音楽の才能を開花させるルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。不幸な生い立ちからルードウィヒを憎む貴族、フランツ・フォン・クロイツシュタイン。2人の交錯する運命とは!? 手塚治虫が死の直前まで描き続けた絶筆作品、ついに刊行!

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2011年01月13日

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この時代の人々の様子や楽士の身分、貴族に囲われるしか道がなかった音楽家の立場など、暮らしの空気感が分かりやすく描かれていて面白かった。
貴族の言うなりになるのは嫌だ、個性で勝負するんだ、という立ち位置のキャラクターに描かれているベートーヴェン。
モーツァルトとの関係や対位法を勉強するんだという台詞、ハイドンとの出会いなど、史実に基づいているであろう記述はとても参考になる。
フランス革命で貴族のあり方が揺れていたであろうこの時代ならではのシーンも多い。未完なのは本当に残念。続きを読みたかった。

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2021年09月26日

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 手塚治虫のマンガって、つくづく読むのに時間がかかるってことを再確認した。どうしてなのかわからないけれど、読み手の老化にも、はやり原因はあるのだろうな。
 これと同時に「ネオ・ファウスト」を書き残して彼は死んでしまった。この作品こそ、遺稿というべきなのだそうだ。
 ベートーヴェンは、まだ世に出る前だ。手塚らしいマンガ的手法に加えて、フィルムとしての場面描写が印象的だった。漫画家論的な実名登場も懐かしい。
 やっぱりすごい人だったんだと、実感した。

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2019年03月22日

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手塚治虫「ルードウィヒ・B」。
文庫で全1巻。または全2巻のものもあります。

中世から近代へ。王政の土台が揺れ始めたヨーロッパ。

ウィーン。
貴族の息子であるフランツは、「ルードウィヒ」と名をつけていたアヒルのために母を亡くす。屈折して育ったフランツは、「ルードウィヒ」という名の全ての生き物に報復することを生きがいとしていた。

ボン。
貧しい宮廷音楽家の父に、ベートーベンが生まれる。ルードウィヒ・ヴァン・ベートーベン。
母を亡くし、酒浸りの父と弟たちを養いながら、少年の頃から天才的な音楽の才能を煌めかせる。

貴族が全てを握る時代。
しかし、フランス革命を皮切りに、共和制の理想の声が若者たちの、ベートーベンの心を捉え始めていた。

フランツと、ルードウィヒ・ベートーベン。
ふたりの人生はやがて交わる。

フランツが悪意から振り上げた暴力が、ベートーベンの耳を襲う…。

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フランツは、ベートーベンを辱めて貶めることを人生の目的に定めた。

ベートーベンは、フランツの悪意を受け止めながら、「僕はいつか、僕の音楽の前に、貴族を、あなたをひざまづかせてみせる」。

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手塚治虫さんが、「ブッダ」を連載していた雑誌に、「ブッダ」に続いて連載した漫画なんですね。

つまり、「ブッダ」と同じような大河ロマンになる予定だった!
(んぢゃないかなあ、多分)

ベートーベンの誕生から始まる物語は、フランツの運命を絡ませながら、少年ベートーベンの苦労、青年ベートーベンの苦悩を描いていきます。

そこには、共和制へ揺れるヨーロッパ貴族たちの姿が描かれ。
ベートーベンが師事した破天荒な天才・モーツァルトの性格が描かれ。巨匠・ハイドンが現れ。そしてベートーベンの切ない恋愛が歌われます。
おそらくは架空であろうという、個性的な脇役も溢れるように登場。

「音楽を漫画で描く」という難しいところを圧巻のイメージ描写で描きながら、手塚さん一流の破天荒なギャグも健在。

幕末日本を描いた「陽だまりの樹」。
ナチスと戦時日本を描いた「アドルフに告ぐ」。

それに並ぶような壮大な「めくるめく18世紀〜19世紀の欧州音楽絵巻」になるはずだったのでは。

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1987年にはじまった連載は、1989年に未完のまま終了します。
手塚治虫さん、60歳の早すぎる病死のため。

手塚さんは、色んな理由で未完になった漫画がけっこうあるんです。
まあ、もともとの総生産量が、常人離れしているからなんでしょうが。
「ネオ・ファウスト」
「グリンゴ」
「一輝まんだら」
「バンパイア」
などなど… そして、この「ルードウィヒ・B」。
どれもこれも、ああ、続きが読みたいなあ、というため息モノばかり。。。

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今回、20年ぶり以上?の再読だったのですが、

いやあ、やっぱり面白いなあ。

屈折した貴族、フランツの、従軍時の冒険譚。
殺人も辞さないフランツの、捨て子への愛情。
愚直なまでに真面目で不器用で純粋な青年ベートーベンの、身悶えするような初恋。
そして財産も学問もないベートーベンの劣等感。

ベートーベンの伝記はいくらでも読めるのですが。

そこに架空の人物、愛に飢えた青年フランツを絡ませて。

憎悪、悪意、屈折、プライド、そして純粋さ。
そんな奔流が、「歴史」に流れ込んでいく。
手塚エンターテイメントの語り口。

この噺家の、この物語。
最後まで聴きたかったなあ。

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2016年12月28日

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ネタバレ

手塚治虫最後の作品。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの生涯を軸に物語が展開する。スピード感があり、加えて音楽に造詣の深い手塚治虫の愛がとてもよく感じられ、お奨め。完結していたら、手塚治虫の代表作に名を連ねていただろうと思われる名作。

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2014年05月21日

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ベートーベンって変わった人ですね@@ でも面白かったです!が執筆途中で手塚治虫が亡くなってしまったので最後まで物語を読めないのが非常に残念です><

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2012年04月01日

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ベートーヴェンの生涯をたどる伝記作品。最晩年の作、そして『グリンゴ』、『ネオ・ファウスト』と並ぶ未完の絶筆ながら、漫画における新しい取り組み(音楽の表現方法等)が成されていて、まるで若さが溢れているようです。「手塚先生、いつまでも成長していたんだな~」と何だかしんみりきちゃいます。

個人的には、貴族フランツのどうしようもなく歪んだ心がユリシーズの出現によって今後どう変化していくのかが楽しみでした。

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2010年10月22日

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ネタバレ

ベートーヴェンの生涯の漫画家。
1巻で終わってしまい残念。
漫画の間にある手塚治虫氏のエッセイ的な文章が面白い。
ベートーヴェンの音楽の構築方法(小さなレンガを一つ一つ積み重ねて大きな作品をつくる)を漫画で表現したところは、うまいなーと思った。
頭の中のイメージと絵の表現が一致した。

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2012年11月26日

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