【感想・ネタバレ】白鳥随筆のレビュー

あらすじ

「すべて是路傍の人であると思いながら、すべて無縁の人であると思いながら、私はその感じに終始していないで、路傍の人々と一しょに闘技場に出ているのであろう」究極のニヒリストにして、八十三歳で没するまで文学、芸術、世相に旺盛な好奇心を失わず、明治・大正・昭和の三時代にわたって現役で執筆を続けた正宗白鳥。その闊達な随筆群から、単行本未収録の秀作を厳選。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

 随筆を通して、正宗白鳥の好きなもの、嫌いなもの、価値観、思考、そんなものを追える。だいたいニヒル、時々ぐっさり、結構流されやすいというのか、ごりごり頑固ではない印象。やっぱり変わり者とは確信する。
 自分の作品や生き方に自信や誇りはなく、でもそれを卑下しながらもすーっと書いてるから、驚きながらも読みやすい。
 特に、白鳥の目に映る文壇事情、懐関係や出版業の変遷などは知らない世界を覗けるという意味で興味深い。
 現代では、出版業の意味に『文学を育てる』というところを意識しにくいが、本来は出版社の利益追求(存続のために勿論必要だが)の他に文学の育成や保護という機能や理念があるんだろうなと認識できる。
 ただ、文壇関係の内容も多く、そのあたりについて馴染みのない作家と出版者などの単語が多くなってくると、退屈を感じることも。

0
2018年04月29日

「エッセイ・紀行」ランキング