あらすじ
20世紀の「万能人」のユニークな思想 本邦初の本格紹介。科学の根源を問い、暗黙知理論を提唱した異色の科学哲学者。科学のみならず経済学・哲学・宗教学の分野においてもユニークな思考を展開した希代の天才の思想の全貌を初めて紹介する。(講談社選書メチエ)
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Posted by ブクログ
暗黙知、コミットメント(投錨)、「住み込み」は、メルロポンティの知覚の現象学と
マイケルポランニーの論説との共通部分だとのこと。
とかく、西洋というと文書化の文化だというが、そんなことはないことが分かる。
西洋における暗黙知について考えるきっかけになった。
消極的自由と積極的自由の共通部分に公的自由があるというのが、図で説明がある。
多中心性というのも、図があるのでよくわかる。
社会経済学の草分けである「大転換」を書いたカールポランニーが兄だとのこと。
原著を読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
哲学、経済学、知識論など多才な論考を リベラリズム により整理した本
講談社選書メチエ マイケルポランニー 暗黙知と自由の哲学
「公的自由」「自生的秩序」という言葉に代表されるポランニーのリベラリズムは、寛容というより社会において機能することを求められた自由という感じ
宗教観や死生観の名言が多い
「非生命と生命を区別するのは、目的の有無である〜生命には目的がある〜われわれの人生は、生だけでは完結しない。死があって初めて完結しうる」
「われわれが神を見るのは、礼拝という行為に住み込むことを通してのみである〜神はわれわれの儀礼や神話と一体となったコミットメント」
暗黙知を思わせる言葉
*科学の実践は、相対主義や客観主義と無縁であり、明示知だけでは一歩も先に進まない
*過度な明証性を排し、言表できない要素を重視する
*人間の知覚や知識は、暗黙的にしか認識されない第一項 から第二項への注目という構造を持つ
従属的意識=第一項、近接項
焦点的意識=第ニ項、遠隔項
*独創とは、無からの創造でなく、発見であり、未知ではあったが、潜在的に存在していた実在の一側面の啓示である
ポランニーが理想とする自由社会
すべての価値を無差別に認める「開かれた社会」でなく、正義や真理といった自由社会の伝統的な価値への積極的献身を求める「閉ざされた社会」
自由社会
開かれた社会などでなく、一群の明確な信念への完全な献身を旨とした社会〜一群の明確な信念とは真理、正義、自由など
自由社会は、個人主義が社会的に機能を遂行する公的自由の領域によって特徴づけられるのであって、社会的にになんの機能も果たさない個人的自由の範囲によって特徴づけられるのではない
公的自由
社会的機能の遂行を通して公的役割を果たす制度的環境が用意されているような自由
公的自由を体系的に実現する社会秩序
市場システム、法システム、科学システムの三つのシステムで成り立つ秩序
自生的秩序
人々の公的自由の実現を基礎として出来上がる秩序
誰の手も借りず、社会の成員自身の自己調整、相互調整に基づいて自生的に自然に形成される秩序
道徳的反転
大陸系リベラリズムが理性主義や物質主義と一体となり、道徳的完全主義が道徳的ニヒリズムに転ずる傾向
現代の科学主義、物質主義の背後にあるユダヤキリスト教的な道徳的理想が、価値的ニヒリズムに向かって反転していくこと
ポランニー経済学
均衡予算主義の立場
政府の部分的介入による完全雇用の実現こそ自由貿易を可能とする
自由の制約に基づいてこそ自由の実現が可能となる