【感想・ネタバレ】バカビリーバー(5)のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年05月28日

理屈抜きで、ともかく面白い
あくまで、私が選ぶ際の理由であるが、格闘技をテーマにした漫画で、最も大事なのは、キャラの動きを的確に描ける画力・・・も大事だが、何より、読んでいて手に汗握り、血沸き肉躍るストーリーだ
ぶっちゃけ、格闘技の素人からすると、この技の入り方がおかしいとか、人間の体はこんな無茶な...続きを読む動きをしない、なんて分からない
ただ、主人公の個性が格闘家としてピッタリで、着実に強くなっていき、熱い戦いを繰り広げ、激戦を制する、その話の展開だけが、読み手を興奮させる
週マガで相当な人気を得た、『A-BOUT!』の連載経験を、この『バカビリーバー』で、市川先生はきっちり活かせている
所々に挟みこまれているギャグ展開が、戦いのシーンの緊迫感、気の昂ぶり、爽快さを引き出し、作品の質を引き上げているのは一目瞭然だ
先に画力は二の次と書きはしたが、前作で高校生のガチの喧嘩を熱く描いていただけあって、蹴りや関節技の動作に、素人目でもこれが正しい、と感じるリアリティがあるので、読みやすさも充分だ
タイトルが、これまた男心をくすぐるんだよなぁ
主人公の袴田を始め、戦う道を選んだ男たちが、誰もが「俺が一番に強い」って自分の誇りを信じている、と言うより、自信を疑うって発想すら持ち合わせず、とことん、我が道を突き進んでいる
キャラ同士が、それぞれの魅力を引き出しており、男と男の友情が美しい。一応、断っておくが、そんな内容じゃない・・・ハズだ。楽しみ方は人それぞれなのは、漫画読みとして百も承知だが、できりゃ、純粋に格闘漫画として楽しんでほしいもんだ
良さを100%以上感じたいのなら、全5巻を一気読みする事を、私はお勧めする
市川先生の実力なら、五巻以上は続けられたと思うが、正直、この結果は残念。ただ、これに限っちゃ言えば、先生の実力不足や、私らファンの応援が足りなかったっつーより、ヤンマガに掲載されたタイミングが悪かったのかな、とリアルタイムで読んでいる際に思った。この『バカビリーバー』が掲載されていた頃、他の作品も丁度、質が高かったからな、そこに圧され、市川先生でも踏ん張りきれなかった感じはする
次回作が実に楽しみ。不良漫画、格闘漫画と来たから、ここはいっそ、王道ファンタジーに挑んでくれないかな、と少し無茶な期待を持ってみたり。でも、どんなジャンルにしろ、市川先生の作品の主人公は、とことん真っ直ぐで、やりたい事をやりたいようにやる強さがある奴になるだろうから、きっと、楽しめる自信がある
ベストバウトを選ぶのは少し難しいが、やはり、この(5)で繰り広げられた、最終的に悪友でなく、ライバルと表現すべき間柄と成り得た、袴田vs真岡では、越智戦以上の興奮を味わえた。やっぱ、男たるもの、自分を高みに引き上げてくれるライバルに出逢わなきゃ、だな
この台詞を引用に選んだのは、これぞ、『バカビリーバー』と、その主役・袴田もついちって雄の人間性を、ストレートに表現しきっているからだ。大物、この定義は難しいが、自分の夢を立ち止まる事なく追いかけ続け、その最中で、多くの人の生き方を良い方向に変える人間であれば、大物と評していいんじゃないだろうか

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