【感想・ネタバレ】レヴィナス 無起源からの思考のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

圧倒的である。
レヴィナス=斎藤、恐るべし。
レヴィナスとフッサールを接続し。
レヴィナスの他人と責任概念を掘り下げ、他者が複数の場合をぶつけ。
従来の社会契約論が説く国家観とは違う国家を構想する。
すごい本だった。絶版なのが惜しい。

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Posted by ブクログ 2013年09月13日

軽い読み物として。 筆者自身の思想とレヴィナスの思想が注意深く区別されている点は好感。レヴィナスはカントを実存主義的に注釈した… が、国家と正義に関してはポスト実存主義に接続しているように思う。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

読み終わったがとても眠かった。

非常に丁寧に説明しているのだろうと思う。「ある(イリヤ)」の段階から亡霊、享受する糧、顔、理性、倫理、そうして無限責任と正義へ言及。ただし論の筋は行ったり来たり(後ほど説明する、がしばしば登場する)、もとから特殊な言葉遣いをする分野なので仕方がない部分はあるかもしれ...続きを読むないが用語も括弧書きに太文字がこれでもかというほど登場して集中力がいる。わかりやすい言葉で、難しいことを一生懸命説明しようとしているのを感じた。例えでわかりやすく説明しているのだが、接続詞を見るとぎちぎちに文章が詰めてあって、一度集中が切れるとまた数ページ遡らなければならず、少々しんどい。

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Posted by ブクログ 2011年08月19日

レヴィナスの思想を、著者がみずからの足でたどりなおした本といってよいだろう。レヴィナスの議論に即して解説がなされているわけではないが、著者の議論はレヴィナス以上に明晰であり、一つの解釈としてはたいへんおもしろい試みだと思う。

著者によると、本書は前著『フッサール 起源への哲学』(講談社選書メチエ)...続きを読むの姉妹編に当たる。前著で著者は、「すべては「思われ」の内にある」というところに、著者自身の現象学的思考の出発点を定めた。「思われ」の外部を考えたとたん、それもまた「思われ」たものになってしまう。それゆえ、「思われ」こそがいっさいの起源だと考えなければならない。

この「思われ」を支えるものは何もない。だがこのように考えたとき、ひょっとして「思われ」はそれ自身ではないものに触れているのではないだろうか。「思われ」という「起源」から思索を開始する前著に対して、「思われ」の向こうにけっして思考しえないはずの「無起源」に接しているのではないかという可能性をめぐって著者の思索は展開されてゆく。

著者は、端的な充満でしかない「思われ」の内に亀裂が走ることで、「何か」が「在る」という事態が生まれると考える。こうして充満する「思われ」に穴がうがたれ、そこへ向かって「もの」が吸い寄せられる。こうした著者の議論は、レヴィナスの「イリヤ」から「私」が「糧」を「享受」するに至るまでのプロセスに重なる。

だが、ひとたび「思われ」に亀裂が生じて「何か」が「在る」という事態が成立するという事態は、「ほんとうにすべては「在る」のだろうか」という疑念が生じうるということと表裏一体である。私が享受している「もの」は、ひょっとして享受しえないものだったのではないか。こうした疑念を私はけっして拭い去ることができない。著者はここに、レヴィナスの「顔」の到来を位置づけている。顔の到来とともに、「思われ」にうがたれた「穴」へと向かって「もの」が吸い寄せられていく運動は逆転する。私は他者に答えなければならない。しかも、「顔」はけっして「思われ」の内に存在することができない以上、私の責任はどこまでも限りがない。おおよそ以上のような仕方で、レヴィナスの倫理学が「思われ」とはべつの可能性としての「無起源」の思想だと著者は論じている。

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