あらすじ
大学4年生になっても就職活動もせずマンドリンサークルで練習に打ち込む小笠原。彼女が演奏する音楽というものには常に終わりの予感が漂うけれど、大学のサークルという小さな輪の中では絶えず人間関係が堂々めぐりを繰り返し、合奏は永遠に終わらない。そんな青春の切ない痛みを描き出した傑作小説。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
今まで読んだナオコーラ作品の中で一番好きだ。
小笠原が分身のようで
どんどん読み進めてしまった。
それに、解説がとてもすばらしい。
引用したいところがありすぎるので、割愛。
小笠原がいとおしすぎて、本を抱いたまま寝てしまいそう。
Posted by ブクログ
ネットで購入して、
カバーもつけてもらったまま読んでいたので
読み終わった後にカバーを外して
初めて表紙を見ました。
「あぁ」とぎゅーっとされた気分。
切ない、
苦しい、
ただただ好きなだけ。
なのに
猛烈にひとりぼっち。
求めてやまないのに。
それだけのに。
強烈にさみしい。
大学のマンドリンサークルで
音楽に奉げようとする小笠原。
小笠原が恋するのは
ぼさぼさで決してカッコ良くない指揮者の田中。
遊びとか自由とか就職とか
すべてが曖昧な集まりになるサークル。
ともだち、恋、音楽、
どこまで本気で
それをどこまで伝えていいのか。
小笠原は
自分の音楽を疑わないし、
誠実にいようとするからこそ容赦なくぶつけてしまうため
誤解や相手を傷つけ
うまく溶け込んでいくことができない。
私は私、と思いながらも
ポジションや状況にこだわったり
自分自身の評価を気にしていたり。
振り切れない。
「でも、左右非対称って、セクシーなんだよ」
大好きな田中もずるいよ。
いっかい引っ叩きたい。
ただ、私も似たような経験があるだけに
田中に投げかける小笠原の疑問符はもう、他人事ぢゃない。苦笑
好きぢゃないのに、
勘違いでセックスするな、ボケ!怒
はー、もう。苦笑
激しい抑揚もないし、
日常もバッサバッサと進んでいくんだけど
このグレーな感じが好き。
終わりの予感。
「でも、なかなか終わらないから」
「これはまだ、終わりが始まったばかりなんだよ」