【感想・ネタバレ】キョウカンカク 美しき夜にのレビュー

あらすじ

死体を燃やす殺人鬼・フレイムに妹を殺された天弥山紫郎(あまやさんしろう)は、音が見える探偵・音宮美夜(おとみやみや)と捜査に乗り出す。美夜は殺意の声を見てフレイムを特定するも、動機がわからない。一方、山紫郎は別の人物を疑い……。ホワイダニット(動機のミステリ)の新たな金字塔が登場! 第43回メフィスト賞受賞作を全面改稿。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

超自然的な能力によって、推理以前に犯人が判ってしまうという仕掛けのミステリは、最近良く見かけるようになったけれど、その走り的作品だろうか。そんなわけで中盤あたりで犯人は判ってしまうから、あとは動機当てとアリバイ崩しになる。真相が明らかになっても、そこまでの感動はないけれど、細かく張り巡らされた伏線とか、完成度は高いように思う。ヒロインが魅力的なのが、なんと言っても美質。

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2020年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連続殺人事件の犯人・通称「フレイム」を追うのは、特殊な「共感覚」の持ち主、音宮美夜。
被害者の兄を助手に、共感覚を駆使して捜査します。

主人公の音宮美夜が容姿端麗、銀髪、特殊能力保持と強烈なキャラクターで、エンターテイメント色が強い内容です。

共感覚によって早々に犯人の目星がつくわけですが、そこからどう犯人と証明するかが問題になってくるのがおもしろい。
鉄壁のアリバイがある容疑者に対して、音宮の共感覚の能力自体の信頼性が揺らぎ捜査は迷走。
読者としても提示された情報を軸に読むか、音宮の能力を信じるか悩むところです。

それにしても真相にはびっくり。


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共感覚が探偵だけでなく犯人にもあるという真相には驚き。特殊な能力を持つ主人公が事件を解決していくという典型的な展開だと思っていたので、共感覚が犯人を指し示す手掛かりにもなっていたというのはすごいです。

ただ、神崎の無実を支えているのが綾小路の事件時のアリバイだけですが、これが自殺という真相は拍子抜けでした。

「食人」というキーワードが早々に出ており、またすぐにそれを否定しているところも上手いです。
動機を考えた時にこれをさらっとおもいついた音宮は凄いな、と読んでいる時に思いましたが、まさかこれが真相でしかも味付けしていたというのは恐ろしい。

ホワイダニットの衝撃こそあるものの、やはりこれはシリーズとして登場人物たちの謎の方にこそ魅力があるのではないでしょうか。

犯罪者を抹殺しようとしながらも寸前で遂行しなかった音宮と、犯人を憎みながらも妹の為に抑えた山紫郎。二人は似ているようにも思いますが、山紫郎のような色は出せないという音宮には、自身の声は今どんな色に見えているのでしょうか。

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2014年03月07日

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