あらすじ
長年、自傷の問題に関わってきた著者が、「自傷行為の当事者に向けて、これまで診察室で伝えてきた、あるいは伝えたいと思った事柄」をやさしく語った本。前半では自傷についての考え方、後半では実践編として、どうしたら、回復することができるのか(自分の行為の観察、衝動のコントロール、生活習慣について、精神科にかかるときのアドバイスなど)を具体的に説明。これまでになかった回復の手引き。
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Posted by ブクログ
自傷当事者としてこの本を読みました。
まさに、この本に書いてあるようないきすぎた自傷により(それはもはや自殺企図の体をなしてしまったわけですが)入院中の身です。
病棟の本棚にあったこの本を、ふと手に取ってよかったといまでは心から思っています。
「失敗をおそれないでください。大切なことはあきらめないことです。大事なことは、ゆっくりとよくなることです。急ぐ必要はないのです」
何度も自傷をやめよう、と思ってはそれでも衝動を抑えきれず、やりきれない気持ちになっていた自分にしみこむような言葉がたくさんありました。
身体的な自傷への具体的な対処法から精神的な部分のケアの方法、果ては精神科医の選び方なんてところまで内容は多岐にわたり、共感したり納得したりしながら読み進めました。
この本が「刺さらない」自傷当事者、または家族をはじめとしたサポーターもいると思います。けれど、この本を必要としている人々がきっとたくさんいることも確かだと思います。読んでよかった。そう思える本でした。