あらすじ
いじめ、体罰、セクハラ……なぜ学校では問題が「隠れる化」するのか。そして教育の現場で起きる問題は教師だけが悪いのか。気鋭の教育社会学者が、学校を取り巻くさまざまな「ハラスメント」の実態を明らかにするとともに、その解決策を探る。
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Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 加害者/被害者を解体する
第1章 殴っても教育~暴力を容認する指導の論理
第2章 巨大組み体操の教育的意義~「痛い」を禁句とする学校の暴走
第3章 スクール・ハラスメントの過去と現在~「教育」との連続性がありえた時代
第4章 部活動顧問の嘆き~「やって当たり前」の悲劇
第5章 教師の暴力被害~殴られるのは指導力不足のせい⁈
第6章 「問題行動」を読解するためのリテラシー~いじめの件数は少ない方がよい⁈
<内容>
組み体操や柔道の事故、部活顧問問題などを世の中に提起してきた名大准教授。今回は、「ブラックボックス」であり、「ブラック企業」である、学校現場のさまざまな問題を提起した。もとは朝日新聞出版の月刊誌「一冊の本」連載の記事をまとめたもの。
学校現場にいるものからすると、すべて「教員思考」として、あてはまるものばかり。自分の頭も侵されていることに気づく。こういう指摘を、しっかりと感じることができれば、生徒のさまざまな問題にも対応できるかもしれない。かつて「聖職」と言われ、時代の流れの中、おそらく相当急展開で変わってきた職場が、学校なのだと思う。したがって、旧態然とした考えの教師が、「ベテラン」としてまだ存在している。若手の問題意識を摘んでいるのだろう。もっと世の中に広がるべき本だと思う。