あらすじ
「キャプテンは、」 耳の奥がきんとした。
「大地にお願いしたい」
背筋は伸びきったまま、制止した。息も止まった。周りがかすかにざわついた。
そのざわつきを押さえるように、「はい!」
威勢のよい声が、後ろからまっすぐ飛んできた。
「よし。大地、頼んだぞ」
「そうだ、周斗。キャプテンマーク、あとで大地にわたしといてくれ」
ずっとつけていたサッカーのキャプテンマークを、他のチームから移籍してきた大地に渡さなくてはいけなかった周斗。くやしくて、チームメイトからも孤立してしまう。自分がいやになっていた周斗が出会ったのは古ぼけた時代遅れの銭湯だった。あさのあつこ氏の推薦デビューの著者が描く、切なく温かい感動の物語。
感情タグBEST3
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よかった!
「自分のてっぺんを目指す!」
生きていて様々なことに嫉妬したり羨望があったり、
でも、自分のてっぺんって、いい言葉だなあ。
まだてっぺんじゃない!
そう思って頑張る!
いろいろ問題が語られていて、それは解決してないんだけど、まあ、いいか、
一番大事なことは伝わる気がする。
中学生か、多感な年ごろに響くと思う。
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(小6男子)この話はFCレックのキャプテンだった周斗が、強豪チームのYDSCから移籍してきた大地にキャプテンマークを渡さなければならない場面から始まる。
なぜ周斗はキャプテンマークを渡さなければいけなくなったのか。銭湯仲間と交流しながら周斗の気持ちが少しずつ変わっていくところを味わってほしい。モヤモヤした気持ちがスッキリするかも?!
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(小6男子 ペンネーム:なりちゃん)国語の教科書で紹介されていたので読んでみたくなった。人と比べるのではなく、前向きに自分自身のベストをつくすことの大切さ、人との交流が自分自身を成長させてくれると感じた。子供から大人まで、「うまくいかないなぁ。」と感じる時、ぜひ読んで見てください。「自分のてっぺんを目指せ!」「ポジティブな言葉で考えたり、言ったりする癖をつけると、必ず物事がポジティブに回り出すんだよ。」これらの言葉もふくめ、きっと何か心にぐっと響くと思う。
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いい話だった。
周斗が自分の大切な場所「楽々湯」を見つけられたこと、
比呂さん(すごくいい人!)との出会い、
仲間との関係の葛藤…
最後は泣けてしまった。
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自分の心をざわつかせる人は、自分には手に入らないものを簡単に手に入れている人。子どもも同じなんだなぁ。
その人の前では、ザワザワした気持ちが抑えきれず、嫌な自分になってしまう。キャプテンの座を奪われた少年の気持ちが痛いほどよくわかった。
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児童文学というのは基本子供に読ませたいと大人が真剣に書いているので、いい本が多い印象です。
これも自分の傲慢さ、思いやりの無さ、友人と衝突しての心もとない感覚、新たな出会い、色々な人にそれぞれの世界が有ると気付く感覚。気が付かなかった友人の姿。人の芝生が青く見えるという事。失う悲しみと前の前に広がる未来。色々な事がちりばめられていて、すっと読めるけれど心に何かを残してくれる作品です。
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もっといい選手にキャプテンマークを譲ることになった少年のサッカー物語と、彼をいやす銭湯の物語と。最後の事件などもりだくさんな感じもするが、登場人物がみんないきいきして入りこめた。
Posted by ブクログ
スポーツにおける競争、挫折、嫉妬、そして人間としての成長がテーマ。
それぞれのてっぺんを目指せばいい
って言われて納得するのって、心が折れてる時だよね。