【感想・ネタバレ】一億総他責社会のレビュー

あらすじ

なぜ他人の行為、言動が我慢できず、
「自分だけがつらい」と訴えるのか。
この社会に「行き詰まり感」を覚える人必読!

管理職と若手、正社員と非正規。家庭持ちと独身。男と女、夫と妻……。
立場の異なるもの同士が「自分だけが損している」と訴え、相手の悪口を言い、
ときに「《加害者》である相手に鉄槌を下す権利が自分にはある」と信じて攻撃する。
他人の行為、言動が我慢できず、「自分だけがつらい」と訴えるのはなぜか。
誰もが被害者意識を抱いていて、余裕がなくなった現代社会の心理を、
「懲罰欲求」「ゆがめられる怒り」「過度なコミュニケーション能力の要求」「倫理観の崩壊」などをキーワードに、
人気精神科医が診察室から見た風景や時事問題などの具体的な事例を挙げながら分析する。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一億総他責社会。片田珠美先生の著書。被害者意識が強くて周囲の人の幸せや活躍を素直に祝福できない、応援できない人が増えている。自分勝手な被害者意識、嫉妬心や猜疑心、社会への不満や怒りは誰でも持っているものだけれど、だからといって他人の幸せや成功を祝えないような度量が狭い人間にはなりたくない。でも自分の胸に手を当てて考えてみると、自分も自分勝手な被害者意識、嫉妬心や猜疑心、社会への不満や怒りを持っていて、他責感情が強いかもしれない。そう反省させられるのが片田珠美先生の凄いところなのかな。

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2019年08月19日

Posted by ブクログ

SNS上で、会ったことすらない人に罵詈雑言を浴びせているのを見ると、どのような心理状態でこうなるのかと不思議だ。これも「自分は悪くない=悪いのは相手」ということなのだろうか。
「中途半端に壊れている世間」という言葉に納得した。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

無視された。何も教えてくれない。だから会社を辞める。と訴える50代後半の嘱託職員の心を知るために読んでみました。
過剰な自己愛、怒るべき対象の置き換え、世間というシステムの崩壊、敵意を持った羨望など、「自分がこうなったのは誰々のせい」という者の心理を紐解くキーワードが盛りだくさんに詰まっており、難儀な職員への対応の参考になりました。
で、結局のところ何ををすれば他責をせずに生きられるの?と思うところですが、心理学や哲学でよく語られるフレーズで、思いの外あっさりと答えが示されています。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

それなりに説得力があるような内容になっているものの、エビデンスとかはなし。
誰それもそう言ってるし、私も医者としての見地からそう思う、という論調なのが気にかかる。きちんと考えてるように見えて、ほぼ偏見という可能性が否定できない。私もこんな風に話したり考えたりしてるのかなあ、と反省する本になった。
でっかちで、きちんとストーリーで語れる作者ではあるが、筋が通ることからって正しいとは限らない。

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2019年06月16日

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