【感想・ネタバレ】高校生からわかる複素解析のレビュー

あらすじ

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“複素数”とは高校で学ぶものですが、「2乗して-1になる数iを用いてa+biと書ける数」のことです。“i”は虚数単位です。本書のテーマである複素解析とは、一言でいうと、「変数が複素数である関数の、微分法・積分法を扱う数学」のことです。中学・高校で学んだ関数は“実関数”といって、変数xは実数ですが、複素関数の変数zは複素数です。実関数と複素関数には天と地ほどの差があります。本書は、量子力学や電磁気学、流体力学などの理学・工学分野で活躍し、さらに経済学などの社会科学でも広く使われている複素解析を、高校生からでもわかるよう、丁寧に解説していきます。

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Posted by ブクログ

本書の「複素関数のグラフ」(42ページ)で、次のように解説している。

<複素関数w=f(z)では、変数z=x+yiは複素数なのでz平面(2次元)上の点で表される。また、その間数値w=f(z)= u + viも複素数なのでw平面(2次元)上の点で表される。ということは、w=f(z)のグラフを描こうとすると、2次元(z平面)から2次元(w平面)への対応だから4次元のグラフとなる。残念ながら、我々は4次元のグラフを描くことは出来ない。>

始めからこのように書いてくれると、入門者がつまずいて、頭の中がモヤモヤしなくて済むのである。

ここは大事な個所のようだから、他書も見ると村上雅人(著)『なるほど複素関数』(海鳴社、2002)に、次のように丁寧に解説している(53~54ページ)。おそらく、本書『高校生からわかる複素解析』は、この解説を参考にしていると思う。

<複素関数を実関数と同じようにf(z)のように表記すること自体に、すでに大きな落とし穴がある。なぜなら、複素関数は実関数のように自由にグラフに描くことができないからである。この事実を認識しないまま、実函数の延長で複素関数に対処しようとすると、自分がいったい何をしているかが分からなくなってしまう。(実は、複素関数論の入口で、すでに大きな勘違いをしてしまう。)>

<(例として、f(z)=z² という複素関数についてを考える。)ところが、この関数は簡単にグラフに描くことができない。こんな単純なものが、なぜグラフに描けないかというと、複素関数が4次元の世界となるからである。言い換えれば、複素関数を描くためには、軸が4つ必要になるのである。
実は、複素数をzと表記しているが、本来複素数はz=x+yiのように、実数部と虚数部の2変数からなる数である。よって、変数である複素数を表現するために、実数軸と虚軸の2つの軸(つまり平面)を必要とする。これを複素平面と呼ぶ。さらに、zを2乗して得られるf(z)=z² も複素数であるから、これを表示するためにも、実数軸と虚軸が必要になり、合計4個の軸が必要になる。残念ながら、4つの軸からなる4次元の世界を図示する能力は我々にはない。この事実を、まず認識する必要がある。>

さらに探すと、表 実(著)『キーポイント 複素関数』(岩波書店、1992)にも、同様な記述がある(24ページ)。

<ここ結果、複素関数を幾何学的に表現するには、zを表すx軸、y軸と、wを表す u 軸、v 軸の4つの軸からなる4次元空間が必要になる。しかし、4次元空間を紙の上に表現することは不可能である。このため、実関数をグラフで表したときと同じ方法で、複素関数を幾何学的に表現することは諦めなければならない。>

ここで参考にした本の中では、『キーポイント 複素関数』がオリジナルかもしれない。

お終い

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2026年10月08日

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