あらすじ
調布は深大寺の近く――武蔵野の自然が残るその地には、子どもにしか視えない宿屋がある。幽霊や妖怪など<人でないモノ>が泊まる宿屋、「うつせみ屋」。人間は、〈特別な用〉がなければ、入ることができない。怖がりな小学六年生の鈴は、ある夜、浮世絵師だった亡き祖父の霊に「浮世絵から出ていった絵を――〈あの子〉を探してほしい」と頼まれ、祖父のヒントを頼りに、うつせみ屋にたどり着く。鈴がそこで出会ったのは、どこか寂しげな面持ちの青年店主・晴彦と、気まぐれに自分を助けてくれる白い狐だった。晴彦から、祖父が浮世絵師を志すきっかけとなった浮世絵コレクションを見せられた鈴は、うつせみ屋に通うことを決意し、時に晴彦からヒントを与えられながら、絵の正体へと近づいていく。人でないモノの宿は、怖い。しかし、妖の宴に巻きこまれ、妖と言葉を交わすうちに、鈴は怖がりながらも、うつせみ屋に惹かれるようになる。やっとできた学校の友達の京子にせがまれてうつせみ屋を訪れた鈴だったが、そこで京子が行方不明となり…。果たして京子を救出できるのか。あの白い狐は何者だったのか。ハラハラドキドキでラストまで一気読みの本作。
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Posted by ブクログ
大人も楽しめる爽やかな児童書。無駄な会話がないからか、一つ一つの台詞に重みがあって、いつまでも胸に残る。妖しい雰囲気や和文化の瑞々しさ、香りが伝わってくる文章だった。
Posted by ブクログ
後向きで臆病な女の子が死んだ祖父の願いを叶えるためにちょっとずつ強く前向きになっていく物語。
祖父の浮世絵は人間だけでなく妖怪たちにも人気だったんだなぁ...。
絵暦のことを分かりやすく教えてくれる和尚狸優しい
もっと妖怪たちと和気あいあいとするのかと思いきや現世と幽世がしっかり別けられていた。
基本妖怪たちがいられるのは幽世のうつせみ屋くらいなのか。
ちゃんとした用がなければ入ることができないうつせみ屋、これからも晴彦さん一人でやっていくんだな...
Posted by ブクログ
子どもにしか視えない「うつせみ屋」に浮世絵師の祖父との約束で訪れた主人公の鈴。
妖怪、白い狐、浮世絵から消えた絵の謎の妖しが楽しく、新たな友情と一歩踏み出す勇気にも元気を貰える。
ちょうど夏から秋に向かう今の時期に読むのにぴったりな物語。
Posted by ブクログ
間違って買ってしまった…面白くなかったら直ぐに売る…
読み始めたら、一気に読みきってしまいました
面白くなかったら、直ぐに転売と思っていましたが、面白かったですし、良くできた作品だと思います
なんか、優等生の作品という感じですかね…
Posted by ブクログ
目に見えなくても確かにあるもの。
それによって繋がれるもののためにも、忘れないようにしたいね。
道草無しのシンプルイズベストなファンタジー(^^)
8月を良い気分で締めくくれる佳作でした。
本作がデビュー作とのことで、続編含め今後も楽しみです。