あらすじ
「あの絵は、俺にとって“ショパンの心臓”なのだ」世間から忘れ去られた画家がひっそりと息を引き取った。彼が遺した最高傑作と呼ばれる作品と、「ショパンの心臓」という謎の言葉。そこには、二つの国に引き裂かれた作家の苦悩が隠されていた……。ポプラ社小説新人賞出身作家・青谷真未の記念碑的一作となる、エンターテインメント・アートミステリ。
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Posted by ブクログ
正直中盤(なんなら後半?)までは、主人公が情けなさすぎてとてつもなくイライラしながら読み進めた。ただ途中で主人公がきちんと字を読まなくなった理由が明かされたり、ポンコツだけど貴和子からの指導を素直に受け入れたりするのを見て、さすがにここまで酷くはないけど自分も若い頃はこうだったな〜と憎めない気持ちに。
真相が明かされてからはさまざまな感情が入り乱れ、終盤は終始泣きながら読み進めた。
Posted by ブクログ
個人的に青谷さんの作品は、「読書嫌いのための図書室案内」についで2作品目。2つ読んで感じたことは、伏線を張って回収していることと、こうなるだろうとは違う変化球を投げてくる物語の構成をしていることが挙げられるかなと思いました。
この作品では美術ミステリーということですが、美術を楽しむよりかは、主人公の成長記と謎解きを楽しめた印象でした。ただ、全体的に周りくどかったかもしれません。
例えるなら、A→Bへ行くのに徒歩10分かかるところを遠回りして徒歩30分歩いた感覚でした。
店主の南雲が、謎を解けば良かったのに・・・と何回思ったことか。ただ、主人公の調査する一生懸命さ・ひたむきさが伝わり、段々と成長していく姿には、応援したくなります。
「ショパンの心臓」の謎を解くだけでなく、主人公の過去も知れ、さらに伏線を張り巡らせて、最後に回収するので、色々楽しむことができました。