あらすじ
単機能なプロダクトではヘルプサイトは必要ないかもしれませんが、機能が増えると、チュートリアルやヘルプなどによるフォローなしにはユーザーがプロダクトを使いこなすことが難しくなっていきます。また、ユーザーに長くプロダクトを利用してもらうためには、機能追加などに伴いヘルプサイトを継続的に改善していくことが必要です。本書では、ユーザーが知りたい情報を得ることができ、ストレスを感じずに参照できるヘルプサイトの作成方法を解説します。サイト全体の設計から、具体的な記述方法、検索で見つけやすくする方法、ユーザーのフィードバックを受けての改善方法まで、ドキュメント作成の専門チームに所属しているエンジニアがそのノウハウを解説します。
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Posted by ブクログ
「ヘルプサイト」というのはUX上は非常に重要なものではあるものの、企業の中やWebの世界では立場も注目度も高いとは言えない。
ヘルプサイトはその特性上、取扱説明書に似た独特のノウハウはあるものの、ブランドサイトやプロモーションサイトと異なり利益が見えにくいため、その点に焦点が当てられることはほとんどない。
そういった業務についているかたは、今までは自分でノウハウをためて行かなければならなかったが、今回初めて言語化され、周りと共有できるのはまさしく福音と言える。
書かれている内容もコンパクトながら納得できるところが多く、自分でヘルプサイトを作成する場合、すぐにでも実践したいところが多かった。
まさしく「ヘルプサイトの教科書」と言え、その業務に携わっている人ならばまずは読むべき本だと思う。
Posted by ブクログ
僕はBtoBサイトを運営している。AIエージェント時代の到来により、Webサイトを介した業務は徐々にエージェントが行うようになるんだろう。しかし、2026年2月現在においては、ヘルプ(FAQ)を充実させることが、ユーザーの満足度向上だけでなく、営業活動の効率化にもつながる重要な手段である。そのような背景から本書を手に取った。
本書は、サイボウズのヘルプ制作チームによる実践的なノウハウをまとめた一冊である。単なる機能説明にとどまらず、ユーザーの「わからない」を解消し、プロダクトの価値を最大化するためのヘルプサイト構築手法が体系的に解説されている。
特に印象的だったのは、良いヘルプの4要素として「役に立つ」「探しやすい」「正しい」「わかりやすい」が挙げられている点だ。優れた文章力よりも、情報を整理し設計する「設計力」が重要という指摘は、まさにBtoBサイト運営において実感するところだ。
本書では、ユーザー視点に立った構成設計から始まり、ナビゲーションの配置、記事制作のルール化、そしてデータ分析に基づく継続的な改善まで、ヘルプサイトのライフサイクル全体がカバーされている。
中でも「運用とカイゼン」の章は、ヘルプサイトを「作って終わり」にしないための実践的な手法が詰まっている。アクセスログ(PV数、直帰率)や検索キーワード、特に検索結果が0件だったワードの分析は、ユーザーが求めているのに提供できていない情報を発見する有効な手段だ。また、記事末尾の「役に立ちましたか?」といったアンケートによる定性的なフィードバック収集や、カードソーティング法を用いたユーザーテストによるカテゴリー構成の検証など、ユーザーの声を直接聞く仕組みづくりの重要性が強調されている。
さらに、アジャイル開発に対応するため、GitやGitHubを活用したバージョン管理、プルリクエストによるレビューフロー、自動化ツールの導入など、エンジニアリングライクな運用手法が紹介されている点は、現代的なヘルプサイト構築において非常に参考になる。
ユーザーの検索行動を理解し、迷わず目的の情報にたどり着ける構造を作ること。そして公開後もデータに基づいて継続的に改善し続けること。これらの実践的なアプローチは、BtoBサイトのヘルプ充実に直接活かせる知見である。