あらすじ
中国史上、唯一の女帝に上り詰めた則天武后(武則天)の生涯を描く歴史小説!
稀代の悪女か、それとも叡智に富む賢帝か――。唐代初期、武将で材木商の父のもとに生まれた武照(後の則天武后)は、いかにして後宮から、帝にまで上り詰めたのか。
複雑怪奇な宮廷の権力争いの中で、様々な謀略、知略を駆使して次第に権力を握っていく過程を、鮮やかな筆致で描き出す。
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Posted by ブクログ
著者がとても丁寧に書いてくれたおかげで、いちいち周辺情報を調べることもせずに、読み終えることができた。
中国に女性の皇后がいて則天武后が唯一ということをはじめて知った。
東アジア、日本もそうかもしれないが、身内や好き嫌いによって人事が決まり、それが現代にも続いていると思った。
Posted by ブクログ
日本史において推古天皇や持統天皇など、女性天皇はたびたび見られる。が、中国の女性皇帝は則天武后ただ一人。上昇志向、知識、美貌を備え、下級女官から皇太子の后、そして唐の皇帝へとのしあがっていく彼女の生涯が描かれる。
上巻では信頼する父を亡くした則天武后が、正妻とその娘たちに虐げられながらも、唐の皇太子、李治に接近。信頼と愛情を得た彼女は身内への復讐を開始。そのうえ、生まれついての政治力を発揮し、優柔不断な李治は彼女の尻に敷かれっぱなし。
彼女のスタンスは明確だ。利用価値のある者は利用し、そうでない無能な者は切り捨てる。その人物評価にはヒステリック性はなく、冷酷だが正確。彼女の異母兄弟姉妹やライバルである李治の妻たちは不遇な扱いを受けたが、逆に抜擢された官僚や軍人も多く、唐の安定統治につながっている。
と、女性皇帝就任につながる権力を溜め込んだところで、下巻へ。