あらすじ
事業の失敗によりIT企業の社長から無職へ転落した三津間宗近。傷心を紛らわすつもりで帰省した奈良で幼馴染の溝部俊平に優しく迎え入れられるが、獣医師である俊平の周辺ではペットが誘拐される事件が起きていた。俊平の元には犯人から殺戮写真と犯行予告メールが届き、宗近と俊平の医院に出入りする動物好きの少年・颯太が捜索に乗り出すが、事態はペットのみならず殺人事件へ発展した。
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Posted by ブクログ
表紙と帯から
廃遊園地で女子高生が殺された古い事件を、主人公たちが解明していく話かと思いました。
私を殺さないで。いかにもなかんじです。
諸行無常、栄枯盛衰、虚無と頽廃を感じさせる廃遊園地と無垢な可愛い女の子という組み合わせは何ともフェチズムに刺さりますね。厨二病なので。
というかイラストの女の子可愛すぎ。ハイお持ち帰り。
読んでいき
そこで殺すんかーーーーい!
というか女子高生じゃないんかーーーーい!(2回くらい叫びました。心の中で。)
だんだん事実が明らかになっていくけれど、整いすぎています。動物愛護を訴えるテーマが強すぎて。
それはそれでひとつメッセージ性があっていいんですけど、あれ?きみって社会派小説だったの?って。
いやでもそれはそれでウンウンその通りだよな、ペット問題深刻。女子高生と廃遊園地の組み合わせデュフフとか思ってて申し訳ない。
気づいた
アッまだページ結構ある……。伏線も……。
女子高生ワンちゃん。
読後
結果、女子高生1ミリも出てこなかったです。
でも最後の場面読んだら女子高生出てこなくても許しました。許すよ、こんなん……。
ーー私を殺さないで
そういう、ことだったんですよね。
この小説に出てくる主要人物(動物)はみんな、私を殺さないでって、言ってるんです。
そうだよ、生きたいもん。
この世に生まれ落ちたからには、どんな生い立ちだって、どんな環境だって、どんな生き物であったって、たとえ死んでたとしても、生きたいよ。
それに、最初は私を殺さないでって、断罪の声だと思っていましたけど、最後の最後で、彼女にとっては許しの声だったんですよね。
途中までは社会問題要素が強く、ご都合展開もちょいちょいあったのですが、最終的には見事にミステリー要素と、登場人物の心情が絡み合って、賞賛するに充分な満足感でした。
ん?と思いながらも一気読みしました。
それにしても、女子高生出てくると予想していた場面、悉く配役が女子高生じゃなかったのは、完全に表紙に騙されました。表紙もグルだったなんて!まったく最高です!!