【感想・ネタバレ】狼は眠らない 02のレビュー

あらすじ

師のもとで薬草、魔法と、強さの為にさらに技術を磨くレカン。
<黒衣の魔王>と周りに呼ばれ冒険者としての日々を過ごすなか
<回復>の力を取り巻く人の欲望に巻き込まれる。
様々な人々の想いが渦巻くなかで、己の剣(みち)を信じ
大切なものを守るため、レカンは戦うーーー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 かぎ爪型のエンボス加工が特徴的な、冒険者レカンの一代記物語第二弾である。
 ファンタジックな異世界から、また別の異世界へと転移を果たしたレカンは、魔女シーラの元で学びながらヴォーカを拠点に様々な冒険を繰り広げている。

 とは言いつつも、この二巻での物語は、弟子に取った(正確にはシーラによって取らされた)エダを中心とした物語だろう。
 前巻のような迷宮攻略は今回はお休み、次なる03巻に譲っていて、エダのある才能を付け狙った神殿や貴族との対決がメインディッシュとなっている。
 エダという少女は、ティーンエイジャーらしい浅はかさが目立つキャラだが、そうしたキャラを好まない現代の傾向からすると物珍しいくらい、彼女の成長を正面から描いた展開である。
 レカン自身が、嫌々な風を見せつつも、彼女にきちんと正面から向かい合っているのが印象的である。
 また、冒険者として、嫌な仕事もしなければいけないところを描いているのもまたこの作品の(この辺における)特徴的な展開だろう。
 狼は子守りも得意なのだ。好んではやらないが。

 迷宮攻略のような派手な展開ではなく、シティアドベンチャーに近い2巻である。
 ただ、そこでの物語の質は変わらず魅力的であり、星五つで評価したいところだ。
 間話として置かれた「シャルドレスト家の秘儀」「シャルドレスト家の伝説」なども、物語冒頭で別れたルビアナフェルの所在を示す内容であり、のちのストーリーを示唆する興味深い加筆である。

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2019年09月10日

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