あらすじ
累計100万部突破「八咫烏シリーズ」のベストセラー作家・阿部智里が、構想3年、満を持して書き下ろした最新長編小説。
平成と昭和、二つの時代で起こった不可解な事件。真相を求めて近づこうとする者たちを嘲笑うかのように謎は深まり、ほの暗い闇がひたひたと迫りくる。運命に導かれるようにしてたどり着いた先に待ち受けるのは、光明か絶望か。
鬼才・阿部智里の圧倒的な筆力と壮大なスケール感で、ジャンルをクロスして描く渾身作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
平成30年、突然起きた幻覚に翻弄される兄妹、病気が原因と思っていたら自殺した母の過去の状況が…という話と昭和40年、復員後に理由もなく突然自殺した兄の真相を探る弟の話が交互に語られる。始めは生きていない少女と彼岸花の幻覚が何処までも追ってくる描写がじわじわした怖さでホラーなのか?と思ってたら復員前の兄の生きて帰ってきたが上に抱えた悲惨さが語られると違う意味での怖さを生んだ。やはり現実は強い。淡々と語られる分重い。そして交叉した結果推測される幻覚の原因が単なるホラーではないのが上手いと思った。兄妹の未来はどうなるのか推測すると後味が悪い。
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一気読み。
八咫烏とはまったく違う世界だけど、
読ませる力強さは変わらない。
伝えたいものがある作家さんはすごいと思う。
変に片を付けないラストも良かった。
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ある家族にかけられた呪いを解き明かしていく謎解きストーリー。
序盤はホラー味があってヒヤヒヤしたけれど、ラストがあっさりしていて、「ん?」となった。
次の作品が楽しみ。
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初読みの作家さん。
ホラーとは一言で言い表す事が出来ない、粘りつく様な恐ろしさを含んだ作品だった。
平成三十年と昭和四十年を交互に描き、終盤にはその血縁関係が全て明らかになる。
戦争と言う背景の中で究極の選択、苦渋の決断をしなければいけない兵士達
加害者でありながら被害者でもある。
そして、血縁である事が災いして心に秘めていた意識が遺伝として繋がって行く。
今までに読んだ事がない新しいジャンルで、そこにはやりきれなさや哀しみ、戦争が残した悲劇を感じた。
リーダビリティが高く、ぐいぐい引き込まれ一気に読めた作品。
次作も読んでみたい。
Posted by ブクログ
ホラーと謎解きが混ざったような感じ。
一気に読んでしまった。
過去と現在が交互に語られて、少しずつ全貌が分かって行くのが爽快感がある。
でもベースが戦争の話があるので読んでいてツライところもあった。
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読み始めはただただ怖かったけれど、だんだん悲しくなってきて、最後は少しモヤモヤ(-_-;)まぁ本人が大丈夫なら、良いのかな?真相が分かっても解決出来ないってツラい(T.T)
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途中からほぼ話は見えた。それでも追及課程はそれなりだったんだけど、最後がなぁ。結局見え続けるよ、遺伝も続くよで終わりかい。後味がわるいでしょ、それじゃ。女の子産んじゃだめってことになっちゃうよねぇ。この作者の話は、烏もそうだけど、後味がいまいちなのよね。途中は面白いのに。
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ゾッとしたけど、先が気になって一気読み。
戦時の悲惨さが現代に突如現れたらどれだけホラーかってことだよね。戦争はホラーみたいなもの、っていうと語弊があるけど、戦争の1シーンを切り取るとホラーになるのか、って思うと戦争ってやだな、って感情が一気に身近になったことに少し自分で驚いた。
2019.9.14
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Posted by ブクログ
八咫烏シリーズの阿部さん。
シリーズとはまた違ったカンジ。 ホラー??
現代と昭和を行き来しテンポも早くてあっという間に引き込まれました。
どちらの時代でもイイところでストップしたり、気になって気になって一気に読んじゃいました。
最終章の前で一旦お風呂に入って冷静に考えてみる(笑)
何となく繋がりは見えたものの、原因というかオチが全く予想つかず最終章に突入。
うーん、そうか。。
何となく残念というか・・ 結構盛り上がっただけに『仕方ない』と割り切るしかない結末が何とも・・ うーん・・
戦争から無事に帰還しても残る心の闇。
読みながら久々に色々考えてしまい、没頭しました。
阿部さんの書く物語、やっぱり引き込む力はものすごいなぁ♪ なかなかおもしろかったです^^
Posted by ブクログ
ほの暗く恐ろしく、そして結末は心苦しく後悔に溢れる
ある時少女のみに舞い起こる幻覚
そして過去に起きたある事件
彼岸花と少女が意味することとは
末代まで祟られるとは言うけれど、先祖が犯してしまった罪で自分まで被害を受けると思うと…
Posted by ブクログ
どういうふうに終わるのだろう と読み進めた
果たして真相にまで辿り着くのか
謎のまま付き合っていくしか無いのか
人によっては兄達の抱擁でラストを描く人もいるだろうから 妹の叫びになるほど と
そして母のラストの行動は 荒療治だったのだろうか
『真相と思わしきものがわかったところで 結局 諦めるしかないのだと言われてしまったら それは ちっともさつきの救いになどならなかった』
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2つの時間軸の話が交互に語られ、最終的に交わる構成が面白かったです。
ホラーが苦手な人にはちょっと怖いかも。ホラー要素だけじゃなくて、精神的なプレッシャーも強いです。
読み終わってからもたまに思い出してゾワっとするようなお話しでした。
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時代が違う二つの物語がどう絡み合っていくのか、ワクワクしながらあっという間に読みましたが…最後のラストがうーん…
現実的にはこんなもんだと思うけど、物語なんだからもうちょっとすっきりした解決方法を提示してほしかったな。
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阿部智里さんが書くホラー!と期待して読みました。
でも終わり方は個人的に「ん?」と首を傾げるような感じで、不満というわけではないですが、不思議な感じです。
八咫烏シリーズとは違って読み返したいとは思いませんが、読んで損はなかったと感じます。
Posted by ブクログ
八咫烏シリーズの作者が描く、
ジャンルとしてはホラーになるのか?
目の前に見えるはずのないものが見える。
途中までモヤモヤと怖くて、
内容を知らずに読み始めたことを後悔。
クライマックスが来た!
と最終章に辿り着いた段階で、
残りのページ数の少なさに
あれっ?となった。
なんだか急いだ感のあるラスト。。
うーん…。
ただ、自分が抱える恐怖の原因が
自分自身にあるのではなく、
先祖に遡って存在する、という部分は
すごく興味深かった。
ありえない話ではないかも、と思った。
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現実世界のホラー。
終わり方が雑というか、確かに現実ならそうするしかないのかもしれないが、少し残念だった。
風景や状況の描写が綺麗で、展開もよく、引き込まれた。
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読みやすかったです。
戦争は悲惨です。私はその悲惨さを小説をよむことでしか、知ることができません。その意味では、読んで良かったと思いました。
戦争でおかした罪は、ずっと償い続けなければならないのでしょうか。難しいですね。
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幻覚が見えるお話。
タイトルからなんか能力に目覚めるのかと思いきや、わりとホラーで怖ってなりました。
昭和と平成が交互に語られて、最後に人間関係が繋がったところが良かったです。すっきり。
大団円ラストかなってとこからの数ページ、肝がひゅっとなりました。
お父さん、かっこよすぎかよ。
Posted by ブクログ
戦争で犯した罪は、どこまで人を苦しめるのか。
潜在的な罪の意識は、子や孫にまで遺伝していく・・・
その事実を知ることで、その罪を抱えながら生きていくことを決めた兄妹に、希望を感じつつ、多難な人生を思う。
Posted by ブクログ
冒頭からの不穏な空気。阿部さんの描くこの空気感、すごいと思う。単語一つ一つ、風景はむしろ美しいのに…。とにかく不安になるの。
読後感は…不穏ではないが、うーん、表現難しい気分。
Posted by ブクログ
スラスラと進む読みやすい文章とは対照的なテーマの重さ。
過去の極限の生死の境で起きたトラウマが何十年もの時を超えて子や孫に理不尽に襲いかかる。いや、でも本当に理不尽なのはトラウマのきっかけを最初に受けた側で…。誰にも止めようがない負の連鎖を生んでしまう戦争の悲惨さが改めて胸に刻まれた。
母の願いと祖父のトラウマと共に生きていく覚悟を持つという終わり方は悪くないが、あやねとさつきは今後子どもを産むことに深く悩むはず。となると、いずれ山田家の血は絶え、、、遺伝なのか呪いなのか、その曖昧さがゾワリとした寒気を残す。
Posted by ブクログ
「八咫烏シリーズ」で好きになったので手に取ってみたら、どんどん怖くなり…表現的には非常に怖いホラー。でも、現代のわたしにはホラーでも、戦時下には実際にあった場面の数々で。戦争体験を直接見聞きする機会が激変する日本では、貴重なフィクションなのかもしれない。でもやっぱり怖かった…
Posted by ブクログ
しばらく本から遠ざかってしまった中、手に取った一冊。先が気になって、一気読み。戦争という大きなテーマを、非現実的な世界と結びつけて描いた本作は、傑作と駄作の両要素を持ち合わせていて何とも評価が難しい。ただ作者が言わんとしていることは伝わってきたし、共感もできた。映画になったら面白そう。少なくとも夜中に読むことはオススメしません。
Posted by ブクログ
現在(平成)と過去(昭和)の時代が交互に書かれており、とある一族が先祖代々受け継いでいる不可解な行動や幻想、そして死の真相に迫る。昭和の時代に一体何があったのか。不思議な現象の根源がわかった時、悲しくも苦しい事柄が浮き彫りになる。ご先祖様が生き残る為に人を殺めた様子、後悔や懺悔の念が子孫まで続く様は恐怖としか言いようがない。