【感想・ネタバレ】神楽坂愛里の実験ノートのレビュー

あらすじ

神楽坂愛里(かぐらざかあいり)は東央(とうおう)大学大学院に通うリケジョ。何よりも努力を尊び、ノーベル賞を目指し道を切り拓いてきた。ある日、同じ研究室の福豊颯太(ふくとよそうた)が実験に使うラットが集団死した。感染症の疑いに周りが騒然とする中、真相を突き止めようと、立入禁止の現場に潜り込む……! 踏みにじられた努力と、奪われた命に報いるため、科学を愛する愛里が推理する!

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Posted by ブクログ

登場人物の福富颯太
他人を不幸にする特性の持ち主。の一文でもう笑ってしまった。
物語は主人公を含む周りとの会話を主にした進め方で、時折出てくる理系用語も解説してくれるので非常に読みやすい。ライトノベルを読んでいる感覚に近かった。短編が2つ収録されており、どちらも謎解きミステリーである。一番印象深かったのは、ミステリーの事件と言うと殺人や誘拐といった被害者が人間であるケースが多いが1部での事件はマウスの大量殺害であった。どのようにしてマウスを同時に殺害したのかも理系の実験用具やエピソードを交えながら解き明かしていったので、大学時代の実験時代が読みながら思い出された。
そして「努力したという経験です」その経験こそが、その思いこそが人を成長させるのだ。学生が経験で得るものは金でも栄誉でもない。経験だ。
この1ページがとても心に響いた。私の大学の研究はとくに大きな成果を残してもいないし学会での発表も行っていない。正直就活のためのエピソード作りとまでしか思えていなかったが、経験としては今後の人生の糧になるのかもしれない。そう思えるようになった。
研究をする機会は恐らく今後の人生でないと信じたいが、社会人になり今後経験したことの無いような業務に携わることもあると思われる。たとえその業務が成功しても失敗しても、無駄だったと思わなく経験になったと考えられるようにしたい。

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2023年11月03日

Posted by ブクログ

神楽坂愛里は東央大学大学院に通うリケジョ。 ノーベル賞を目指し努力を続けてきた。
ある日、同じ研究室の福豊颯太が実験に使うラットが集団死した。感染症の疑いに周囲が騒然とする中、真相を突き止めるため、立ち入り禁止の動物棟に潜り込むが……。


ノーベル賞を目指す努力家の大学院生・神楽坂愛里の活躍する理系ミステリ。
実際作者さんが東北大学の大学院農学研究科修士課程修了者で、企業で食品研究などもおこなっているらしく、その経験が生きているんだろうな、という学内や研究の解像度。理系用語も頻出しますが、都度説明が入るので戸惑う事なく読めます。

読み心地は軽めですが、事件は割と犯人の自分勝手な事情で起こるので、ほんのりと嫌な気分にはなります。被害者(被害鼠)可哀そうすぎる……。

できれば、愛里自身がしていた研究の話なんかも聞いてみたかったな。

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2025年03月05日

Posted by ブクログ

実験用のラットが集団死亡した。

リケジョと、不幸体質の男性。
思わぬ組合せのうえ、不幸体質が半端ない…w
そそっかしいだけでは、と言われたら同意しますが。

中編2本で、どちらも分かりやすく
推理を説明してくれるので理解しやすいです。
しかし1本目の話は、根性があるというべきか
ブーメランというべきか…。

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トリックというか謎解き自体は面白かったと思う。けど、いくら相手に合わせちゃうとは言え、結構合理的な考え方しそうな子が、次の相手に待ってもらいつつ今彼とキスし続ける感性がわからん。結局バレてるし。そりゃ怒りもかうよ。あと警察がめっちゃ謙虚で優しい。

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2021年05月21日

Posted by ブクログ

理系的なことをわかりやすく、でも陳腐にならず説明してくれているのは面白い。

伏線も全て回収していて、スッキリです。

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2021年02月17日

Posted by ブクログ

・ミステリ。リケジョが理系らしい? 思考で謎を解く。ということになっている。
・動物棟のラットが五十匹まとめて死んだ。感染症が疑われる中人為的なものを感じた愛里は。
・颯太は持ち前の不幸体質で零下二十五度の冷凍室にスズメバチを召喚する? 愛里と林原にとってかなしい事件。
・おそらくシリーズ化するのでしょう。

▼簡単なメモ

【小倉楓/おぐら・かえで】愛里と同期の修士一年。小柄でかわいくアイドルのようなアヒル口。
【甲斐重雄/かい・しげお】動物棟の責任者である初老の教授。厳しいので有名。
【神楽坂愛里/かぐらざか・あいり】主人公。東央大学大学院一年。ノーベル賞を目指している。何よりも努力をした経験が大事だと思っているが自分に足りないのは運だとも感じている今日この頃だった。清楚なタイプの美人。
【坂井直人/さかい・なおと】竜崎恵美の恋人。東央大学理学部生物科四年。
【笹島誠治/ささじま・せいじ】愛里が所属する研究室の助教。37歳、子どもが生まれたばかり。
【澤田康介/さわだ・こうすけ】愛里と同期の修士一年。身長180cmのさわやかイケメン。筋トレやランニングが趣味。
【須藤研究室】愛里や颯太が所属する研究室。主の須藤先生はまだ出てこない。
【遠崎留美/とおざき・るみ】坂井直人の隣室に引っ越してきた女性。
【林原和明/はやしばら・かずあき】颯太の同期で四年。テニスが人生の中心にあり腕前は国体級。解剖が上手い。
【福豊颯太/ふくとよ・そうた】東央大学四年。愛里に惹かれているもよう。不幸を呼ぶ男。不幸体質というのは別の面で見れば好運体質でもある。その程度ですんでよかったねとかその不幸なできごとがあったからより致命的な他の不幸を回避できたのかもしれないとか。
【マウス】ハツカネズミ由来の小型実験動物。
【ラット】ドブネズミ由来の実験動物。とてもかわいい。
【竜崎恵美】愛里の数少ない友人の一人。農学部ではなく理学部修士一年。きらびやかな美人。109が素数なのを喜ぶ愛里を「キモい」と言う。

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2020年08月15日

Posted by ブクログ

一体、頭の中はどうなっているんだろう?と不思議になるほど、色々考えている愛里。ちょっとしたことも謎を解くヒントになる。そんな愛里の行動の根幹は科学に真摯に向き合うこと。そこがぶれないのはすごい。周りに流されずに、自分が大切にするものを持ち続けるって、大変なことだから。
愛里ならもしかしたら本当にノーベル賞を取ってしまうのでは...。と思ってしまった。

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2019年08月23日

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