【感想・ネタバレ】残業学~明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?~のレビュー

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Posted by ブクログ

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中原先生とパーソル研究所による力作!

本書に本当に学ぶところでしたが、コロナパンデミックによるテレワークや在宅勤務が働く環境を一変させました。

この本から学べるものはどこにあるのだろうか?

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2020年04月19日

Posted by ブクログ

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<どんな本?一言で紹介>
国会などでは語られない!
膨大なデータから「残業」を減らす施策本。

<どんな人におすすめ?>
残業を減らしたい会社員。
残業が多くて、達成感がある会社員。
社内の「働き方改革」を担当している人。

<読んだら、どんなことが分かるの?>
どうして日本人は残業するのか。
どうしたら、残業を減らせるのか。

・人口減ってるのに「長時間労働ができない人」が働けない現状はおかしい。

・働く人にとっての「長時間労働」によるリスク2つ
・企業にとっての「長時間労働」によるリスク4つ

・日本で残業文化が根付いたのは「仕事と時間の無限性」のせい

・「残業麻痺」に陥る2つの要因
・「アンラーニング」は新しいことを吸収するよりも難しい

<日々の生活、仕事などに活かせるポイント>

1.「仕事の相互依存性」を脱却せよ
個人の仕事の範囲がはっきりしておらず、責任範囲も不明確。そのため、自分の仕事が終わっても帰りづらい。
残業は、個人の能力不足というより、職場の雰囲気や人間関係の中で生まれている。

(個人で出来ることは限られているが、勇気をもって帰宅すると、慣習が変化していく。※本書でない個人のプチ体験談)

2.残業しても、本質的に成長しない
大人の学びには、「3つの原理」がある。①難しい仕事へ②背伸びする、③過去の仕事の振り返り、信頼できる人からのフィードバック。
「長時間労働」をしている人は、②③ができない状況なので、本人が感じているよりも成長していない。

(やらなくていい仕事は依頼を受けてもやらない。相談や依頼をされ、提案できる立場になると、残業コントロールが可能。ただし、作業を受ける立場でずっといると、コントロール不可避が続く。※本書でない個人のプチ体験談)

3.「アンラーニング(学習棄却)」する
「長時間残業体質」の上司たちは、「働き方改革」や「長時間労働是正」がこれだけ叫ばれていたとしても、マネジメントの仕方を変えられない。かつての成功体験がくっついているからだ。
とりわけ優秀な社員を採りたいのであれば、「人事課題」ではなく「経営課題」として早急に取り組む必要がある。

<感想>
会社のトップが意識を変えないと、マネジメントも変わらない。しかしトップもマネジメントも、なかなか旧来の慣習に縛られている。
そんな中で個人で出来る事は、本当に限られているけれど、本書で考えるいいきっかけになる。

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2020年03月28日

Posted by ブクログ

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データに基づき、残業という現象を様々な角度から考察していて、解決の提案まで書かれている本書は全ての日本企業に参考になるのではないかと思いました。

働き方改革が言葉として定着していますが、それが形骸化していたり、見かけ上、残業がなくなっても、家に仕事を持ち帰ったりしている実態も世の中にはあります。

そんなお飾りの言葉だけの働き方改革ではなく、もっと本質的な職場改善のために、個人そして組織のレベルでできることが解説されています。

さっそく職場で試したいです。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

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残業に「学」が付いている通り、残業を学問的にとらえて分析した本。残業をどうやったら減らせるのか、減らすだけではなく、生産性の向上にどうやったら繋げられるかを期待して読むと少し肩透かしかもしれません。
が、存外面白かったという印象。
具体的な対応や著者のコンサル的な解決策は、本当の後半にしか出てきませんが、現場の声というか、ノー残業デーなんて意味ないよね、とかいう声もちゃんと把握、理解した上で展開しているのも好印象。
生活費の一部として残業代を考えている人がいる(自分の会社にもいた、いわゆる大企業なのですが)のに対し
て、残業代分を給与として還元している企業があり、効果が高かった、という件は、なるほどぉー、と。
残業が、個人の問題ではなく「集中、感染、遺伝、麻痺して残業依存になるのは職場や会社の問題」という主張に納得はするものの、自分個人として、自分を守ねばな
、と思いつつ閉じました。

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2021年09月25日

Posted by ブクログ

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残業はメリットがあった。でも今はそうじゃない。残業のメカニズムがいろんな視点から書いてあって面白かった。

・残業のメリット
 日本は解雇が難しく労働市場に流動性が低いため、景気の波への対応を残業時間の増減で実施していた。
 日本の労働者(男性)は、残業は増えるが、残業代確保と安定雇用と昇給というメリットがあったため耐えられた。

・現状 
 ー残業の見返りの約束が果たされなくなってきた
 ー成長できない
  ・成長のためには、背伸びした仕事、振り返りすること、信頼できる人からフィードバックをもらえること
 ー残業は集中する
  ・できる人に仕事が集中するため、残業は集中する
  ・その人は意欲的に仕事をするので個人としては大丈夫。その人のせいで周囲も”残業がいい!”という価値観に変わっていき、残業が感染する
  ・そんな環境で育った人が上に立つと、残業が遺伝する
 ー残業代が生活費に組み込まれている

・残業削減が効かない理由
 ー労働時間が正確に把握されていない
  ⇒見える化する
 ー会社への信頼感がなく、やる気にならない
  ⇒コミットメントを高める
   =色んな所で一貫して言う
   =上司、キーマンが行動で示す
 ー施策がやりきられず、やっても仕方ない感がでる
  ⇒死の谷を乗り越える、長期で見える化
  ⇒最終的には残業代減を従業員に還元

・上司にひつような力
 ー決断する(やること、やらないことを決める)
 ー把握する(現場の環境、進捗)
 ーチームづくり(メンバー間の信頼をつくる)

・これから
 ー成長のためには、人・本・旅
 ー仕事外の時間を作って、質の高い経験を増やすことが大切

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2020年01月26日

Posted by ブクログ

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私自身も入社当時は、時間が助長されているとまでは言わないまでもサービス残業が当たり前で、それによって自己成長を得ていたと思っており、それ自体を悪いことだとは考えなかった。逆に労基法順守、働き方改革や生産性向上という名目でサービス残業撲滅や時間外抑制を会社から求められることに対して、反発を覚えたこともあった。本書でいうところの「昔の武勇伝」を部下に語ることもあり、今の若手たちは自由に残業もできず仕事をやりたいのにできないという環境をかわいそうにおもってしまうことさえあった。
しかし、自分が若いころに得られていた成長感は効率の悪いものであり、誤った考え方であると大いに反省させられた。
一方で、これが個人的な問題ではなく、日本社会に文化として浸透し待っており、個人の意識を変えただけで変えられるような問題ではなく、国や企業が働き方改革などの号令や規制だけではなく、各職場に合致した具体的な具体的な施策をもって推進しなければ容易に解決できない問題であるということを理解した。
とはいえ、それを待つだけではなく、管理職の一人としてできることから少しずつでも始めてみる必要性を感じた。まずは、自分の考え方を改めることが最初の一歩だ。



日本以外は「ジョブ型(明確に仕事の範囲を規定した契約書に基づき雇用契約)」、日本は「メンバーシップ型(人を採用してから仕事を割り振る)」。後者では仲間意識が強くなり、残業も組織や会社全体の文化になってしまう。

欧米では「労働は」なるべく避けたいもの、といった「負の効用」を持つ概念。「国富論(アダム・スミス)」において、人間にとって労働とは「toil and trouble(骨折りと苦労)」と述べている。
一方日本人は「仕事」が「希望(幸せ)」を規定する傾向にあり、仕事の中に何か「幸せ」を見出したいという価値観を持っている人が多い。

従業員が雇用主や企業に寄せるこうした期待を「心理的契約」という。心理的契約はいわば労使間の「暗黙の了解」で明文化されたものではない。これまでの日本では、年功序列や終身雇用という「心理的契約」があったからこそ、残業も厭わずがむしゃらに働いてきたとしても、その「見返り」が期待できた。
しかし、「終身雇用」と「出世への期待」は、以前に比べて「裏切られる」可能性が高まっている。

経験学習理論では、①背伸びの原理(現在の自分の力では少し難しい能力が伸びる仕事をすること)、②振り返りの原理(過去の行動を振り返り、意味づけた上で未来に何をするべきかを自分の言葉で語れるようになること)、③つながりの原理(信頼のおける他社からのコメントやフィードバックなどを得て周りとのかかわりの中で学んでいくこと)、の3つの原理が欠かせない要素である。
一方、長時間残業では①は機能しても、②と③が機能しなくなってしまう。つまり長時間残業で経験を積み重ねる(①)だけでは成長できない。日本人には「努力信仰」と結びつく「量をこなすことが成長につながる」といった思い込みが強い。
日本企業では「残業あり、成果あり」(よく頑張った)>「残業なし、成果なし」(もっと成果を出せたはずだ)=「残業あり、成果なし」(まあよくがんばった)と評価される傾向が強い。

日本人男性は残業時間が減っても「家事・育児」の時間に変化はないが、女性は増加する。つまり、女性が社会進出することで、今まで以上に女性への負担が増える構図になっている。

残業が発生するメカニズムは、「個人の能力不足」ではなく、職場の雰囲気や人間関係の中で生まれる。「集中(優秀さに基づく仕事の振り分け)」「感染(帰りにくい雰囲気)」「遺伝(若いころに長時間労働していた上司)」。

残業が定常化すると、生活費を残業代に依存する「残業代依存」になり、残業が助長される。

残業削減は、個々人で解決できるものではなく、トップダウンで全社的に取り組まなかれば効果が出ない。単なる号令だけでなく、具体的な施策やフォローがなければ浸透しない。

経営学において、マネジメントのもっとも有名な定義は「他者を通じて、事を成し遂げる」。

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2019年12月14日

Posted by ブクログ

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前半の残業自体の分析で、残業に幸福を感じる人達の話など「ああわかる…」ということが多々。残業の原因が個人の能力不足ではなく、職場に起因するものだというのがデータを通じて浮かび上がってきている。後半の施策の話でも、ノー残業デーなどの施策が形骸化する回を重ねるたびに効力を失っていく(しかも闇残業化する)というのも納得。
ではどうすればいいのか、外科手術的・漢方的という二つのアプローチが提案されている。前者は、残業時間の見える化→施策を社内でちゃんと流行らせる→1ヵ月を乗り越える→効果の見える化。後者は組織の現状を見える化→ガチ対話→未来づくり。
「見える化」を徹底的に行うのがとても大事だと思った。

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2021年02月20日

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