あらすじ
森の中のお店、アンティークシオン。アンティークとは、誰かの使った古い品物のこと。店のご主人シオンさんが世界各地で出会った品物です。ここで起こる、不思議で心あたたまる6つのお話。物にはみな、持ち主との忘れられない物語があるのです。
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骨董には、その物が体験してきた幸せな時間や悲しい時間が宿っている。人の手を渡ってきたものが持つ魅力はそこなのだろう。
人間よりも長く生き、たくさんのものごとを見てきた骨董は、自分が1番幸せだったころを思い出す。 そしてその頃のあるじにまた出会いたいと言う。
あるじが生まれ変わったらまた巡り会えるのかも…と思いながら、今日もアンティーク・シオンにはたくさんの品物が眠る。
人もまた不思議な引力でこのお店にやってくる。
出会うべきものに、出会うべきタイミングで。
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・この本は骨董品の話です。買う人を呼びよせます。中でも「銀の針」という骨董品の話で、不思議な力で素敵なドレスを作れていて、魔法だと思ってしまいます。ぜひ読んでください。
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柱時計に銀の針、お皿や首飾り。
アンティークの品々に秘められたあたたかい物語集。
黒猫と店長のおばあちゃんの組み合わせがいかにも魔女の世界という感じでミステリアス感が匂います。
茂市久美子さんと黒井健さん童話界を代表するふたりのコラボレーションでとても満足する作品でした。
わたしも昔の雑貨が大好きなので、ぜひこんなお店があったら遠くても訪れたいものです。
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『アンティーク・シオンの小さなきせき』
茂市久美子 作
黒井 健 絵
高原の町の外れにある骨董店、アンティーク・シオン。
主は魔女のような雰囲気のあるシオンさん。お店のドアを開けると、椅子の上で丸くなった黒ネコが出迎えてくれます。
店内には、シオンさんが遠い外国を旅して”連れてきた”品々が並んでいます。骨董品に呼び寄せられたお客様と、その品物にまつわる、ちょっと不思議な6つのお話です。
第一話 大きな古時計
第二話 銀の針
第三話 女神の像
第四話 おばあさんのお皿
第五話 マリーの首かざり
第六話 シオンの時間
一話では若いサラリーマンの雅治さんが、連休を利用して山登りにきた帰り道、偶然立ち寄ったお店で大きな古い時計が目に留まります。子どものころに読んだ童話を思い出し、「時計が十三回鳴ったあとに、だれも知らない魔法の時間が一時間訪れるー。」どんなことが、起こるでしょうか、そして雅治さんの心にどんな変化が起きるのでしょうか。
二話目『銀の針』 白い野バラが咲き始めた六月。都会から実家に帰ってきた若い女性の梢さん。洋裁の専門学校を出てから勤めていた洋裁店がつぶれてしまい、失業中です。そんな梢さんの目に留まったのは、”小さな丸い陶器にピンクッションを入れた針さし”でした。1本の”銀色の針”が刺さったその品物との出会いが、梢さんに奇跡を起こします。(白い野ばらのウエディングドレスと狐の嫁入り)
三話目『女神の像』 高原が蝉しぐれに包まれるころ、白髪の目立つ紳士が訪れます。オムレツ専門店を全国展開するレストランの経営者である西島さんは、骨董品が苦手です。お店の業績不振、骨董好きでもあった妻の家出、守りたい一号店の高原の店。”女神像”が見せてくれた奇跡に、西島さんの心情にも変化が。
四話目『おばあさんのお皿』、萩や藤袴が紫色の花をさかせるころ、風呂敷包みをかかえておばあさんがやってきます。中には家族との想い出深い大皿が一枚。一人暮らしになったおばあさんには、都会で暮らす息子から同居の話がきています。物の処分を考え持ち込んだ古伊万里の大皿は、おばあんさんにどんな奇跡をもたらすでしょうか。心に沁みます。
五話目『マリーの首飾り』 ここでは、黒ネコのフィンが不思議な体験をします。高原は一面の銀世界。真夜中にめを覚ましたマフィンは、満月に誘われるように、二百歳の女の子の誕生日を祝うパーティに迷い込みます。満月の夜に、骨董たちの記憶が解かれるお話です。
六話目『シオンの時間』 シオンの花言葉は「追憶」。四話、五話のお話が、優しく繋がります。おばあさんと二人のお孫さん、満月の夜の願い事、いろんな想いが優しく包み込まれた時間でした。
高原の林の中にひっそりと立つアンティーク・シオン、行ってみたいですね。(*´︶`*)
(ひだまりトマトさん、茂市久美子さんのご本には、懐かしさや優しさがありますね。今回も心地良い読書の時間でした。ありがとうございました。(*´︶`*))
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森の中のお店、アンティーク・シオン
店のご主人シオンさんが、世界各地で出会った品物たちが集まる場所。
120年くらいになりますかねぇというステッキ。
真珠の耳飾りは、なんと350歳!
店主はいう
「100年以上経った骨董品には不思議な力が備わり、買い手を選んだりもする」
茂市久美子さんの丁寧な文章と、黒井健さんの絵が魅力的で、大人もじゅうぶんに楽しめる児童書でした。
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茂市久美子さんのファンタジー児童小説ですね。
挿絵は、黒井健さん(1947年、新潟生まれ)イラストレーター、絵本作家。
森の中のお店、アンティーク・シオン。
アンティークとは、誰かの使った古い品物のこと。
店のご主人シオンさんは、年令がわからない、魔女のような女性です。骨董品に対して「集めてきた」とは言わないで「連れてきた」と言います。世界各地で出会った品物が「私の持ち主が見つかるまで、連れてって!」と言葉をかけてくるのです。
アンティーク・シオンで起こる、不思議で心あたたまる6つのお話。
物にはみな、持ち主との忘れられない物語があるのです。
もくじ
プロローグ
第一話 大きな古時計
第二話 銀の針
第三話 女神の像
第四話 おばあさんの皿
第五話 マリーの首かざり
第六話 シオンの時間
エピローグ
骨董品との出会いで、それぞれの夢や希望を見つけるお客さんと、店主のシオンさんの会話が素敵です。
黒井健さんの挿し絵が、やさしくふんわりと物語を彩ります。
茂市久美子さんのロマンチックな、心あたたまるお話に、優しさと希望を見いだせますね♪
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森の中にひっそりと佇むアンティークショップ。
お店にあるアンティークの品々にまつわる物語。
どのお話も素敵で心温まるお話。
第二話、銀の針がお気に入りかな^^
誰かが使った使用済みの古い道具、私もちょっと敬遠する気持ちが強かったけれど。
私と出会うのを待ってくれていたものって考えると、それはまた全然違ってくるんだなぁ♪
アンティークの見方が少し変わった本です。
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ミユキさんの感想にあった、大人もじゅうぶんに楽しめる児童書だった、という一文を目にして興味惹かれた一冊。
児童書だけあって、所どころにイラストもあり、素敵なアンティークのイメージを思い浮かべやすく、よかった。
子どもの頃の私がこの本を読んでいたら…骨董品にはあんまり興味はなかったかもしれないけれど、空想の中で楽しむ感覚に心が動きだしていただろうなぁ。
そんでもって、エピローグを読んで、アンティーク・シオンに足を運んでみたくなったのは言うまでもない。
空想の世界を楽しんでいた子どもの頃のあのワクワクした気持ちが久しぶりに体感できた一冊になった。
読み終えた瞬間、ニコッと思わず微笑んでしまった素敵な読後感の一冊だった。
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・森の中のアンティークショップ。
・年齢不詳の女主人シオンとクロネコのマフィン。
・魔女のようなシオンには道具の声が聞こえる?
・店に置かれている道具たちが人を呼ぶ。
・買った人たちに起こる不思議な「いいこと」。
・半ば絵本、短編6つ、すぐに読めるだろう。
・後半3編には少しつながりがある。
・きれいなお話集。
・同時に読んだ『ホテル』という絵本の絵も黒井健さん。偶然だったが。