あらすじ
過去をリセットできるとしたらどうしますか。
ある日、作家の新居航生のもとに一通の書状が届いた。航生は、作家として5年前に出版した『もう一つの扉』が大ヒットを飛ばしたが、その後は小説を書いておらず、離婚して一人暮らしをしていた。書状は、タイムスリップを研究しているという、八木俊太郎という人物からだった。それによれば、ある程度ならタイムスリップが可能だという。可能なのは、過去へのタイムスリップのみで、未来は不可能。その過去も、当人が生きている時代に限られ、過去の自分自身に会えるわけではなく、当時の自分に重なることになる。そして、歴史を大きく変えるようなことを実行するのは不可能、ということだった。
自分が体験した小さな事実なら変えられる――。 考えた末に、実際に体験したことを雑誌に書くことにして、航生は八木の提案を受け入れタイムスリップを経験してみることにした。
航生は、中学生のときにいじめの標的にされたことがあり、航生は、この過去を変えようと思った。八木の運転で連れて行かれた部屋で八木と話すうちに、航生は、中二の文化祭会場である市民会館のホールの席に学生服を着て座っていた――。果たして、過去はリセットできるのか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
終始読んでいて すごくワクワクするお話で、タイムスリップの可能性を信じさせてくれるような作品だった。
だか、最後の最後でタイムスリップの真相や八木さんの正体があやふやだったのが、なんだかモヤモヤした
Posted by ブクログ
主人公は過去にタイムトラベル物のベストセラーを出して有名になったが、最近はヒット作もなくやる気も無くモヤモヤしてた。 そんな主人公に突然タイムスリップを研究してる人物から書状が届く。
当然、いたずらかと思い断るつもりだったが、これを体験談として書いてみようと思い男の誘いにのってみることに、そこからの体験で主人公も段々これは間違いないと確信するようになっていくが、ふとしたきっかけで、ある疑問も生まれてくる....
男の研究はタイムトラベラーではなく、タイムスリップ。本人を飛ばせるわけではないが意識を飛ばすような物で、ここでも大きな流れは変えられないが、自分の後悔を修正する程度なら出来ると言うので過去に後悔したことをやり直すことに、結果成功しこれは間違いないと2回目も3回目もお願いする。
主人公も、自分が納得するためにいろいろと考えて行動します。 でも、未来が変わったのかと言う事は自分にしかわからないのだから、証明のしようもない。
ある疑問がきっかけで段々と真実に近づいていき、正体を突き止めるのですが、ここからが山本 甲士さんらしい展開らしく、主人公やその他に同じように体験させられた人や、さらには研究の男までもがホッとするような展開で終わります。
Posted by ブクログ
山本甲士さんの本はいつも安定感がある
鋭く際どいこともなければ
泣けることもないが
読みやすく
飽きもなく
最後まで楽しく読める
この戻って男は
初期時点で想像したとおりに進行し
まさに想定内の面白さ