あらすじ
西欧の文化芸術に親しもうとする人にとってギリシア・ローマ神話の知識は不可欠である。この分野の学問的研究は長足の進歩をとげたが、しかし神々と人間の豊かで興味つきぬ世界を描いたブルフィンチ(一七九六―一八六七)のこの書物はすこしも価値を減じていない。『伝説の時代』の中から神話篇の全部を収めた。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
教養として読書。原書は1885年出版で日本語訳の改版が1978年。神話という特性上現代で目新しい発見もないためこの本が今でもギリシア神話の古典の地位を占めているということだろうか。文体は古い感じがするが読みにくさはない。ギリシア神話を万遍なく記していると言えそう。既に知っている有名な話は詳細まで知ることができたし、知らなかった話にも興味深いものがたくさんあった。挿絵が全くないのが玉に傷。文字からの想像では世界観がうまく再現できない。絵画や彫刻などがさらに良かった。人物名がとにかく多くて認識するのが大変。重要な人物は太字にするなどして一回しか出てこない人物とは差別化するともっと分かりやすかったか。
「ロミオとジュリエット」がギリシア神話の「ピュラモスとティスベ」の元になっているし、「ミダス王」の中には「王様の耳はロバの耳」が入っていた。英単語になっているエコー、やセイレーンの話も載っていた。
トロイア戦争についても詳しく書かれていて今まで断片的だった知識が繋がった。映画の「トロイ」を思い出した。「イリアス」、「オデュセイア」も初めて読んだ。ギリシア神話は現代でも色々なところで影響が見られるだろうし今まで気付けなかった関連にも気付けるかも。