あらすじ
戦後史が動くとき、必ずこの男がいた。
日米開戦回避工作、天皇の戦犯訴追回避、ニクソン電撃訪中
歴史的事件の背後で、「密使」を務めた謎の人物の正体とは?
歴史に位置付けられざるバックチャネル(裏面史)がいま蘇る。
波乱の生涯を描く初の本格評伝。
<本文より>
占領軍司令部でマッカーサーに間近で仕えたフェラーズは日本通として知られた将校だった。笠井は、フェラーズの奮闘を間近で見ていただけではなかった。フェラーズがマッカーサーに提出し、天皇制護持を進言した建白書の作成そのものに、笠井は深く関わり、フェラーズの活動を裏で支えていたのである。しかし、笠井が生前、それを声高に主張することはなかった。(本文より)
<主な登場人物>
昭和天皇、近衛文麿、ダグラス・マッカーサー、チャールズ・ウィロビー、ジョセフ・グルー、マンスフィールド、岸信介、佐藤栄作、周恩来、汪兆銘 etc.
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
・笠井重治は、アメリカが戦後初めて査証を発行した日本人。
・著者は、元警察官僚で後藤田正春の秘書を努めた議員の政治資金スキャンダルを追っていたら、このねたを代わりにつかまされた。
・「政界往来社」坂本。この会社は雑誌社だが、自民党のバックをかなり受けていて、雑誌社で唯一国会内にデスクを置ける。
・グルー大使も開戦直前に天皇と面談しようと笠井に頼んだ。
・日本平和・文化交流協会の創設者
(ちなみに特殊法人は魑魅魍魎とした社会)
・フェラーズが天皇制を守った背景には笠井の影響もあった。
・フリーメーソンの最高幹部にも就任
・ウィロビーの巣鴨での通訳を務めたのも笠井