あらすじ
ここ数年、中学受験人気が以前に増して高まっていると言われています。
リーマンショック等、不況の影響で一時的に落ち着いた時期はあったものの、
首都圏では4年連続、受験者数は増加。
以前であれば、どの学校を受けるかはさほど迷うことはありませんでしたが、
今は、「選択肢が増えた(御三家に代表される伝統名門校、ニューウェーブの台頭、大学付属校、都立中高一貫校…など)ことで、
まず、どのジャンルを選ぶべきかわからない」「2020年の大学入試改革を目前に、本当に子どもの力が伸びる、良い学校がどこなのか?」
このような悩みを持つ方が増えていると著者は言います。
本書では、主に私立の名門中高を8つのジャンルに分けてピックアップ。
網羅的に紹介することで、読者にとって、志望校選びの尺度を養うきっかけを提供します。
学校の基本情報だけでなく、その特徴、その選択肢を選ぶことで何が得られるかを、
卒業生や学校関係者の声をまじえながら紹介する1冊です。
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Posted by ブクログ
●男女御三家vs.超進学校
→それぞれの学校に特色が色濃く存在しており、偏差値よりもその学校のカラーにマッチしているかどうかを考えないと、進学した生徒は苦しくなる。御三家は比較的自由でのんびりした校風が魅力的であるが、大学受験対策などは一切行わないためその点は注意。
●旧・一流進学校vs.新・一流進学校
→程度の差こそあれ、学校独自の取り組みやカリキュラム、優秀なスタッフによる教育が功を奏している。毎年優秀層を確保できる御三家や、ある程度ブランドを確立させることができた超進学校と比べて、一流進学校は常に「危機感」を抱いている。この危機感が、良質な教育を生み出す「軸」を形成していると言える。
●旧・大学付属校vs.新・大学付属校
→近年の「大学入試改革」により不安を抱えた保護者が、「消極的理由」で付属校を選択するケースが増えている。大学受験に縛られずに6年間ゆったりと学ぶことができる点は評価できるが、校風やある種の「ゆるさ」に順応できない生徒は苦しくなってしまうので注意。
●ブランド校vs.ニューウェーブ校
→ブランド校は、そこにあぐらをかいてしまうと急速に変化する社会の波に飲まれて低迷してしまう。その波に上手く乗って台頭してきたニューウェーブ校も、この先5年後、10年後を見据えて「学校として何が求められるのか」を模索し続けなければ、生き残ることはできないであろう。
社会はこの10年間だけを見ても急速に変化を続けている。その変化する社会の中で、何を「軸」として残し、何を切り捨てていくか。その点を常に考え続け、生徒と共に成長し続ける学校のみが、今後の社会において生き残れるのかもしれない。