あらすじ
まもなく平成が終わろうとしている。
経済の長期低迷、戦争、度重なる大災害……激動の30年間、日本の政治は何をしてきたのか。
長年にわたり取材を経験しているジャーナリストが、自身が当時執筆した記事も織り込みつつ、
歴代内閣の足跡を振り返り、政治の本質に迫る。
私たちが生きた平成という時代は何だったのか、そして、これから日本はどこへ向かうのか。
過去に学び、未来を展望するために必読の一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本の政策、特に雇用や労働に関しての政策の流れを整理したいと思い、手にとった本。本書自体は、「政権」の流れを描いたもので、「政策」については、ほとんど解説がなされていないが、「政策」の歴史を知るためには、「政権」の歴史を知ることも必要だろうということを理解した。
近年の日本では、小泉政権と第二次安倍政権を除けば、長期政権はない。平成に入った頃からの流れを振り返ると(数字は就任西暦年+首相)、89宇野→89海部→91宮沢→93細川→94羽田→94村山→96橋本→98小渕→00森→01小泉→06安倍①→07福田→08麻生→09民主党(鳩山・菅・野田)→12安倍②→20菅→21岸田→24石破となる。
極端に言えば、超短命に終わった宇野首相や羽田首相の時に重要な政策が実行されているはずもなく、逆に小泉首相や第二次安倍政権の際には、善し悪しはともかく、多くの政策が打ち出されているはずだ。また、これも、うまくいったかどうかは別にして、自民党安定単独政権の時、連立内閣の時、社会党を取り込んだ時、民主党政権の時、自民党少数議席政権(いま)では、政権が目指すこと、通せる政策も異なってくるはずである。
政策通史を見る際には、そのようなことも頭に置いておく必要があるのだろう。
Posted by ブクログ
平成の30年で日本の首相と政権は目まぐるしく変わった。1年にも満たない短命政権が数多く登場する一方で小泉、安倍の歴史に残る長期政権もあった。
本書はこれら平成時代の政権を振り返り、平成を終えた今だからこそ認識できる各政権の存在価値を説く。
本書で紹介される平成の政権を改めてながめると、ちょっとしたことで政権の寿命は伸び縮みしていることがわかる。
首相のささいな失言や政権放り出しで、解散してしまった政権もあれば、逆に世論の勢いにうまく乗って政権を発足させた例もある。平成の政権は運と世論次第だ。昭和の時代なら、どんな汚い手を使ってでも政権を奪うという政治家たちの執念のぶつかり合いがあったのではないだろうか。
そして、平成政権史を通して、明らかになったことは自民党以外の政党は政権運営能力を持っていないこと。平成に非自民で政権となった日本新党、社会党、民主党はいずれも、没落。念願の政権を取ったことが実は「終わりの始まり」だった。
Posted by ブクログ
編年体形式を取っており平成の政権史を順を追って縦に見ていった。歴史の流れが当時の出来事や党の情勢などと絡めて学ぶことができる。
以下、おおよその流れ
1)竹下・宇野・海部の政界スキャンダル
2)最後の自民党単独政権の宮澤
3)細川・羽田の政治改革
4)村山の自社さ連立と自民党復帰準備
5)橋本の行政改革とそれを引き継ぐ小渕・森
6)小泉の派閥破壊を中心とする自民党改革
7)安倍・福田・麻生の一年交代での旧態自民党の奪還計画
8)鳩山・菅・野田の実力不足
9)野党の力が弱まった中での安倍の無双
自身が生まれた年である「平成」という年号に何が起きていたのか、第二次安倍政権までであるが大体知ることができた。
専門的な用語や漢字の羅列がどうしても続いてしまうので読むのがやや大変ではある。
Posted by ブクログ
平成30年間の歴代内閣について振り返るのだが、コンパクトにまとまっていて読みやすく、記憶の整理に役立った。
読んだ後、当時のマスコミが作ったイメージとはちょっと違う印象を持った総理もいたり。
特に、仕事や育児に追われていて、ニュースを深掘りしていなかった頃の政権については、どんな特徴があって何をやろうとしていたのか、改めて確認するいい機会になった。