あらすじ
戦国大名武田信玄、勝頼二代にわたる甲州武士の事績、心構え、軍法、合戦などが記された壮大な歴史パノラマ。戦国時代に形成された武士道の集大成ともいわれ、元和以来、武士の間で広く読まれた。また、講談や歌舞伎狂言などにも翻案され、庶民にも遍く普及し今に伝わっている。本書は、全二十巻五十九品の中から、その白眉と目される山本勘助の物語、信玄一代記、甲州法度など話題に富む十四品を収録。歴史に関心をもつ読者はもとより、広く現代において、組織の上に立つ者の必読の名著。原文に現代語訳を付す。
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Posted by ブクログ
新田次郎氏の小説を読んで甲陽軍艦に興味を持ちました。原文と現代語訳が併記されているので、原文にあたることもできます。
品第六では、信玄晴信公の蛤の挿話とわずか三百騎での初陣勝利の話が簡潔に述べられています。小説では、原文のほんの数行の部分をあたかもその場にいるように表現して、私たちにみせてくれているのだなあとしみじみと感じました。
武士の心得が簡潔な文章で軽快に述べられていて、現代人も見習うべき「こころのあり方」が多くあり、座右に置きたい一冊です。
Posted by ブクログ
本書に収録されているのは『甲陽軍鑑』全体のうち4分の1に満たない量であるが、それでも十分に読み応えがある。
500年以上前に書かれたものではあるが、ここに書かれている教訓は現在でも十分に通用するものある。
本書を読むと、高坂昌信が信玄を称え、勝頼の代になってからの武田家の行く末をいかに案じているかが読み取れる。そこには、長篠の合戦の影響もあるのだろう。
原文をまず読んで次いで口語訳を読むというのが良いのだろうが、時間がなければ口語訳のみを読み、時間がある時に原文をじっくり読むというスタイルでも良いだろう。
Posted by ブクログ
先に読んだやきもの談義で紹介されていたので読んだ。戦国時代の武士の心得がわかる。戦の時だけでなく平素のことも書かれているので当時の武士の考え方もわかる。鈍すぎず、賢すぎず、弱すぎず、強すぎない武将の四章は興味深い。山本勘助が面白そう。訳者のあとがきが良かった