【感想・ネタバレ】人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビューのレビュー

あらすじ

「腕に蚊がとまって血ぃ吸おうとしたらパシンて打つやろ。蚊も人も俺にとっては変わりない」(大牟田四人殺人事件・北村孝紘)、「私ねえ、死ぬときはアホになって死にたいと思ってんのよ」(近畿連続青酸死事件・筧千佐子)。世間を震撼させた凶悪殺人犯と対話し、その衝動や思考を聞き出してきた著者。一見普通の人と変わらない彼らだが、口をつく論理は常軌を逸している。残虐で自己中心的、凶暴で狡猾、だが人の懐に入り込むのが異常に上手い。彼らの放つ独特な臭気を探り続けた衝撃の取材録。

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人の狂気と強さを感じる

死刑が確定した殺人犯へのインタビューと、著者が現場で集めた情報を元に、事件のあらましを書いている。
加害者側の言葉が乗っており、ニュースで内容を聞くよりも、ずっと現実味が強く、また、痛ましいと感じる。フィクションではなく、本当に起こったことであり、それが自分の住んでいる国で起きていると信じられない。

加害者の生い立ちを知ると、攻撃性が強い人格であったり、共感性に欠けていて自分以外を道具としか見れなかったり、社会性に欠けている。
また、幼少期に母親と愛着が上手く作れなかったケースも多い。
この2つの要因に、金銭への渇望が絡まると、犯罪が起きてしまうのだと感じた。

自分の近くで、もし、苦しんでいる人、特に子供がいたら、一言で良いから、
言葉をかけるべきなのかもしれない。

そんなに社会を怖がらず攻撃しなくても大丈夫だよ、と。

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2021年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良い事なのか悪い事なのか分かりませんが。
小野一光さんが凶悪殺人犯にインタビューをしているこの本の主旨の部分よりも。
第1章 事件記事の裏側 取材現場で何が起こっているのか、の部分の方が、面白く読めました。コレは、、、良い事なのか?

とある、とんでもない事件が起こる。原因があって結果があって、事件の被害者がいて、事件の犯人がいる。そして、その周囲に、その事件に繋がりのかる、とても沢山の関係者と、とても沢山の関係事象がある。それらの
関係者を、関係事象を、どれほど上手く、取材している自分の側に引き寄せられるか。ソコが重要だ!という事を、小野さんが述べておられる箇所なのですが。まあ、なるほどなあ、と。

とある事件を物語るのは、当事者だけでは、ない。その周囲。そこから、どれだけ「あの事件とは何なのか。何だったのか」の情報を引き出せるか。そこが重要だ。という、、、事だと理解したのですが、そこらへんの考え方が、面白い。非常に興味深い。

自分は、結局のところは、殺人犯へのインタビューを通じて、そうしたことをおこなう、小野一光、という人物そのものを一番興味深く思っているんだな、という思いをね、更に強くすることとなった一冊でした。

自分は、小野一光、という人物に、興味があります。ですので、その小野さんが追いかけるものにも、やっぱり興味があります。という感じですね。うん。そんな事を再認識しました。

例え相手が凶悪犯であっても、取材を通じて話し合った結果、相手にどうしても、なんらかの親しみを感じてしまう場合がある、という極めて正直な告白。小野さん。それ、どうしようもなく、、、しょうがないですよね、、、というね。こうした思いを、実直に語る小野さんという人物は、やはり、僕は、好きです。

で、この本に登場する殺人犯としては、
北村孝紘
角田瑠衣
この二人には、なんというか、なんらかの親しみを、、、感じてしまう、、、殺人犯なのに。うーむ。感じてしまいます。

松永太
本当に怖い。本当に本当に怖い。このような人間が、フィクションの中ではなく、この世にリアルに真実マジもんで「本当に」存在する。という事実が、本当に怖い。正真正銘の「モンスター」ですよね。「いる」んだよなあ、、、本当に。これは本当に重要。こういう人間は「本当に」いる、のだ。「それ」に出会ったとき。「それ」だと気付いた時。恥も外聞もなく本当に一目散に完全に逃げるか。自らの全てを賭けて立ち向かうのか。どうしたらいいんだ、、、涙。ただ、このようなモンスターが本当に「いる」という事実。「それ」にいつか自分も出会ってしまうかもしれないという事実。これを肝に銘じたい。そう思いますね。

山口浩一(仮名)
なんというか、、、不思議な可笑しさも、、、あるなあ、、、と。コレは、なんというか、、、うむ。不思議な話です。人間って、、、不思議。

筧千佐子
松永太とは、違う意味でのモンスターですよね。なんなんだろうなあ、、、筧千佐子本人は、もしかしたら、もしかしたら。「マジで自分は悪いことしてる」って思いは、、、ないのかも?しれない?「これは自分が生きて行くためには仕方のない事なのでね」って、、、思ってるのか、、、?のか?なんというか。うーむ、、、この人は、、、なんなんだろう、、、怖い。「断絶」って感じ。ディスコミュニケーション、ですね。うむ。怖い。

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2021年06月01日

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