あらすじ
『ご』と入力すると『ゴメン』と出てきて……『ゴメン。今日も仕事でダメになった』の一文ができあがる――。激務が続く番組制作会社で働く芦原志穂。彼女は今日も恋人にデートのキャンセルを告げるメールを打っていた。最近では「次はいつ会えそう」というメールすら届かない。そんな中、志穂は上司からの命令で、刑務所の中の美容室を取材することになるのだが――。彼女たちは、なぜそこに髪を切りにいくのか。刑務所の中で営業を行う美容室を舞台にした、感動の連作短編集。
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Posted by ブクログ
表紙の意味が分かるとグッとくる。
・「大丈夫です。涙なんて、あくびやクシャミと同じですから」「え?」「生理現象の一つですよ」
・「大切だったものまで、捨てることはないと思います」
・「髪を切っても、ラプンツェルは幸せになったんです」 突然、美容師さんの目から涙が溢れた。マスクの上から手をあてて、声を殺して泣いている。制服の女性に肩を抱きかかえられながら、涙を流していた。
・「髪、切って良いよ。わたしはあのときより、幸せだから」 返事はない。葉留はうつむいていた。振り返って覗き込むと、葉留は泣いていた。もういい、と思った。わたしが責めるのは、もうやめようと思った。誰が責めなくても、葉留自身が責め続けるのだから。