あらすじ
高校時代、学校一のモテ男だった烏丸はゲイであることをカミングアウトし、学校中の女子を卒倒させた。バリタチでゲイコンに参加するほど積極的な烏丸はそのとき既に彼氏が何人もいるヤリチンだった。しかし、誰とも長く続かずフラれては親友の佐和の元に戻ってくるのだ。あれから数年、未だにフラれ続きの烏丸が、ある日突然結婚すると言いはじめ――!? [収録作品]ばかの恋/親友の長い話/プロポーズ事件/守さんの話/弟きたる/バーオーシャンにて/臆病なペーパーナイフ/優柔不断は恋になる
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高校時代に「ゲイ宣言」をして学校中の女子を阿鼻叫喚に陥れた、稀代のモテ男・烏丸。「男をね ひん剥いてベッドの上で女の子にしてやるんだ 僕はそういう男だ」と言ってはばからない筋金入りのバリタチです。高校生の時点で彼氏が6人(外国人含む)もいたような遊び人ですが、本当に好きな相手にはずっと気持ちを隠したままでいました。
そんな烏丸の想い人は、親友としてずっと烏丸の近くにいた佐和。破天荒でおばかな烏丸が「佐和はタイプじゃないから!」と似合わない嘘を吐いてまで、佐和との関係性を守りたかったのだと思うと、コミカルなはずのやり取りが切なくグサグサ刺さってくる、不思議……。愛すべきばか達の愛すべき恋模様は、見ているだけで私達を幸せな気持ちにしてくれます。ああ、2人の高校〜大学生活をすべて観察したい! そんな魅力にあふれています。
表題作のほかに、佐和のゲイ友・直と彼のストーカー・狩谷が主人公の「親友の長い話」も収録。烏丸に勝るとも劣らない超天然系おばかの直。自宅からパンツを盗んでいくようなストーカー・狩谷になんと一目惚れし、恋人として付き合い始めるという、雲ひとつない青空のような抜けのいいばかさを見せつけてくれます。複雑に絡み合う恋心もいいですが、「ばか」な恋の愛おしさ、尊さもあなどれませんよ!
感情タグBEST3
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タイトルになるほどと笑う
オムニバス形式だが満足感がある。物足りないとか続きは!? ってならない。
・一作目
巨根を理由になかなか本命に手を出せないでいた攻めと、それに痺れを切らす受けというドンピシャに好きなシチュ。
性的指向をカムアウトすると同時に、「男をベッドの上でメスにするのがたまらなく好き」と言った攻めの言葉を数年越しに持ち出して、「俺今、女みたいになってる」って蕩けてるシーンで、全烏丸が射精しました。
・二作目
年上変人変態攻め×年下変人誘い受け。
途中出てきた受けの友人が、17歳年上の男と付き合っていて、お互いベタ惚れデロデロ甘々だったのでこのカプも見たいなーと思っていたところ、表題作の終わりに二人の話があって大歓喜。
出会いが予想外で、下ネタへの持っていき方もスムーズで面白く、長めの尺で満足。
・三作目
この話もこれまた好みで……。
33歳バツイチノンケおっさん×16歳美人ゲイ高校生!
こういう……こういう(成人×未成年の)年の差を待ってた!
二作目といい、この作家さんの描く年上×年下が刺さる。(この本限定かもしれないけど)
・四作目
ノンケ×ストーカー。
ストーカー受けの時点で神。
・五作目
後輩×先輩。
後輩からの告白を「保留」にした先輩が、大人になって再会して、告白の返事欲しくないのかな……とか考えて、立場が逆になってるのが可愛い。
匿名
メインの烏丸と佐和のカプは付き合い始めてからの佐和がかわいすぎて烏丸の気持ちに大共感しながら読んでました!他のカプもギャグ感強い部分もありましたが、その中でも百瀬くんと先輩の短編が好きでした!!温泉旅行編読みたすぎる!!!!!
匿名
明るいシリアス
全体的にはコメディー色強めなものの、所々シリアス部分が見え隠れします。まず序盤で、烏丸が交際相手と結婚するためにマサチューセッツへ行ってしまう、寸前のところで佐和が自分の気持ちに気付いて告白、めでたく付き合う。実は長年佐和に片思いしていた烏丸、婚約破棄さてしまう五十鈴さん。佐和の友人中川と守さんの関係性など、突っ込みどころや切なさ満載のスパイスがあります。それを全体的にユーモアで包み込んだような作品でした。
恋をすればみんなバカ
攻めが一途な話が多かった。ずっと好きだったけど、諦めないとって思って違う人と結婚までしようとするなんて。ホント、バカ。一途で可愛いバカが愛おしいお話が楽しかった。
ばかと言っても愚直の方
それぞれの話がとても濃い短編集なので一気に読もうとするとすこし疲れます、褒めてます
何故なら、登場人物がきちんと考えを持っているのが描かれているからです
決して表面的にキャラが作られてるのではなく、それぞれがひとりの人間として考えている思考がしっかり書いてある
どの話にも「ばか」がいるのですがそれは愚直の方です
Posted by ブクログ
はじめのcpの馴れ初め話は最後がキュンときて良かった。それ以降はどんどんギャグ寄りになってしまって、ちょっと残念。ギャグのセンスは悪いこともないので、ギャグは添える程度でもう少し長いお話で読んでみたいかなと思いました