【感想・ネタバレ】崩壊する介護現場のレビュー

あらすじ

暴力、セックス、洗脳……
介護の現場がマジでヤバい!
このままだと日本は姥捨て山国家になる! !

超高齢化社会を目前に控え、介護事業は圧倒的な需要がある成長産業といえよう。
ただ、今の介護現場は危険すぎる。
「低賃金」や「重労働」といったよくあるネガティブ要因だけではない。
高い離職率に、急増する介護職員の暴行事件、
貧困によって売春市場に流れた介護ヘルパー、宗教的介護施設の乱立……
いったい介護の現場で何が起こっているのか?

本書では、急増する介護現場での事件、著者が経験した困難の一部、
介護人材の実態を報告しながら、破たん寸前の介護現場の現状を紐解いていく。
ノンフィクションライターの中村淳彦氏があぶりだす驚愕の真実とは……?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

崩壊する介護現場 (ベスト新書) 新書 – 2013/9/7

介護の世界には夢や希望は何もなく、将来性もあるとは思えない。あるのは「需要」だけである。
2016年9月11日記述

中村淳彦氏による著作。著者自身が2008年より介護事業所を経営しはじめ、その経験からの介護業界の異常性を訴えている。

中村淳彦は、日本のノンフィクション作家、ノンフィクションライター。
1972年東京都目黒区生まれ。
明治学院中学校・明治学院東村山高等学校、専修大学経済学部卒業。
編集プロダクション、出版社を経て、フリーライターとなる。

低賃金、重労働などのイメージがある介護業界。しかし現実はもっと厳しく複雑だ。
人材が全ての資源であるにも関わらず高い離職率。
知識、技能が蓄積しにくい構造にもなっており悪循環になっていると思った。
元からの人手不足に加え他のL型産業との人材の奪い合いに勝てると思えず・・
我が国の2025年問題(団塊の世代が後期高齢者になる時期)を問題なく乗り越えることは不可能となりつつあると思う。

本書のそれぞれの章が興味深く、もっと掘り下げ一つの本にして良いと思えた。
一章にあるサイコパスと思われる山田と著者との激闘はすごい。
著者がサイコパスである松永太を取り上げた消された一家(豊田正義 2009)を
読んでいてサイコパスという存在を知っていたことが問題解決につながった。
中村氏の経験上、サイコパスの特徴に慢性的な愛情飢餓。過剰に同情を乞う。
育った家庭の機能不全。刺青を入れている。
数多くの転職経験。異性にモテる。
同性の友達がいない、などを加えてもいいのではないかと指摘。

ドイツの医学者エミール・クレペリン氏は
「一見才能があり博学で、地理歴史技術医学など、何くれとなく通じていて話題が豊富であるが、よく調べるとその知識は他人の話からの寄せ集め」
「好んで難解な外来語や人を脅かす言説をなす」
「自己中心の空想に陶酔して、他人の批判を許さない」
というサイコパスの特徴を上げている。

サイコパスは一言で言えば
「虚言癖があり良心がなく、他人を操ることに長けている」日本にサイコパスは250人に1人の割合で存在すると言われている。

介護の世界は不規則勤務によって他の業種の人と交流する機会が少なく、出会いも少ない。
この為、不倫などが他業種よりも多い・・売春、薬物、嘘ばかりの異常者。
ネットワークビジネス・・・ワタミのような宗教的組織による洗脳、マインドコントロール。

現場で働く介護職員はホームヘルパー2級や無資格未経験の人を中心に世間のイメージから大きく乖離した「異常な人」が多すぎる。
重労働や低賃金の問題ばかりが報道されるが、本当にすぐ解決しなければならない異常な人材問題に触れている記事や報道は見かけない。
⇒これの解決の為にも低賃金は解決されるべきだろう。

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2021年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雇用対策事業は、労働環境破壊政策である。能力不足の人間をどこかの事業所に押し込むから、職場環境が壊される。


 やはり社会福祉にはどこか無理がある。正義の押し付けではいずれ破たんが来る。介護職はそれが早かった。

 仕事できないダメ人間は、昔は何かしら仕事があった。非合理な世の中なら、まともじゃなくてもできる仕事があった。
 しかし、合理化が進んだ現代社会では、ダメ人間の行き場がなくなりつつある。
 だから介護職のような、体一つで働けるような仕事がセーフティネットのはずだったのに、行政介入のせいで書類仕事が増えて混乱してしまった。

 人類はパソコンという便利アイテムを手に入れたのに、逆に仕事が増えて首を絞めているという…

 本当にわけが分からないよ。

 もっと楽に、自由に働ける世の中を作れないとか、頭が悪すぎる。真面目な人間ほど、頭が悪い。

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2015年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○ノンフィクション作家、ライターである、中村淳彦氏の著作。
○需要と供給がミスマッチである介護業界の実情について、重労働や低賃金と言ったいわゆる“3K労働問題”だけでなく、そもそもの介護労働者のタイプ(人種?)を詳細に分析したもの。
○紹介されている事例が極端なケースであるため、全てを鵜呑みにして先入観を持つことは望ましくないが、このような世界が広がっているということは意外。
○著者も書いていたが、介護関係の仕事をする人は「善人」というイメージを持っていたが、そんなことはないんだな(むしろ、社会不適合者がいる)ということにショックを受けた。
○短絡的に制度の問題と言うことはできないが、これから何らかのテコ入れを行う必要があるだろう。

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2013年12月03日

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