【感想・ネタバレ】菜根譚のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人生の処世術を深めるために、机の横に常に置いておき、毎日、何度も少しずつ繰り返し読んでいきたい。
置かれた立場、また時期によっても、響くところが変わってくると思うのだが、現在、自分として記録しておきたい箇所は以下の通り。

以下引用~

・富貴や名誉も、徳望によって得たものは、たとえば自然の野山に咲く花のようで、ひとりでに枝葉が伸び広がり十分に茂ってゆくものである。(これに対して)事業の功績によって得たものは、たとえば人口の鉢植えや花壇の花のようで、移しかえたり、捨てたりまた植えたりされるものである。もし権力によって得たものであれば、たとえば花瓶に差した切花のようで、その根がないのだから、しぼむのはたちどころの間である。

・真に清廉なる者には、清廉という評判は立たない。清廉という評判が立っている人は、実はそれを手段とする欲張りな人である。また、真に巧妙な術を体得した者は、巧妙な術などは見られない。巧妙な術を用いる人は、実はそれがまだ板につかない全く拙劣な人である。

・悪事をなして、人がそれを知ることを恐れる者は、悪事をなす中にもなお善に向おうとする心がある。(これに反して)善行をなして、人が早くそれを知ってくれるようにと願う者の方が、善行の中にも悪に向おうとする心があるものだ。

・苦しんだり楽しんだりして、修行を重ね練磨して作り出した幸福であってこそ、その幸福は永続する。
また、疑ったり信じたりして、苦心を重ね考え抜いた知識であってこそ、その知識は本物になる。

・まだ成就していない事業の完成をあせるよりも、すでに完成している事業を永く保ち発展させる方がましである。また過去の過失をいつまでも後悔するよりも、将来の失敗を早く予防する方がましである。

・文章というものは、最高の域に達すると、特別に珍しい技法があるものではなく、ただぴったり合った表現をするだけである。人格も、最高の域に達すると、特別に変わった点があるものではなく、ただ自然のままだけである。

・人を信用する者は、人は必ずしも皆が皆、誠実であるとは限らないが、少なくとも自分だけは誠実であることになる。(これに反して)人を疑う者は、人は必ずしも皆が皆、偽り欺くとは限らないが、少なくとも自分がまず偽り欺くことになる。

・他人のあやまちは許すがよいが、しかし自分のあやまりは決して許してはならない。また、自分のつらいことはじっと耐え忍ぶがよいが、しかし他人のつらいことは決して見逃してはならない。

・自分の功績に得意になり、自分の学問を見せびらかすのは、みな自分以外の外の物にたよって人間として生きているに過ぎない。この人たちは知らないのだ。心の本体が玉の輝くように明らかで、本来の光りを失わなかったならば、たとえ少しの功業もなく、一字も読めなくとも、正々堂々たる人間として生きていけるということを。

・つまらぬ小人どもを相手にするな。小人には小人なりの相手があるものである。また、りっぱな君子にこびへつらうな。君子はもともとえこひいきなど、してくれないものである。

0
2020年10月12日

Posted by ブクログ

この本の内容を、物心が付く頃から自分に教えてくれる人がいたなら、どんなに良かっただろうと思う。
『菜根譚』は明代の末期に洪自誠という人によって書かれたという。
どの頁を読んでも、何百年も前に生きた賢人が知恵を授けてくれるという有り難さ、古典の素晴らしさを感じた。
我々が、一から経験し失敗してやっと悟って、としていると短い人生では時間が足りない。
古人の経験と知恵の上に乗り、よい人生を歩むために古典を読むべき、と言われる意味を痛感する本だった。
人の世で生きる知恵が盛り沢山で、心に染みる言葉が沢山あった(特に前半)。

どんな本を読むのか、読む本を選ばなければいけな、とつくづく思えた本。

繰り返し読みたいと思う。

いろいろな訳がありますが、自分にはこの岩波の訳がすっと入りました。

0
2020年08月29日

Posted by ブクログ

性格にしても生活にしても素朴で普通が一番というのが、一つこの本が持っているメッセージだと思います。

無意識に思い上がってるような時、落ち込んでいる時など、気持ちのアップダウンを調整してくれる本、読む度に重要な気づきを与えてくれる本として枕元に置いておき、この先ずっと付き合っていきたいと思える本です

0
2018年09月30日

Posted by ブクログ

前編222、後編135の話があり、処世の術を説いたのは前編。でも後編も読んでみて良かった。学べることは多かった。

学ぶことが多すぎて、1回読んだだけでは頭に入りきらない。

この手の古典は、読んで自分のものにするのには1回や2回読んだだけでは身につかず、何度も読んで想像し、自分のものにする作業が必要と感じた。

読んでみて、大事だな、と感じたこと。

1歩引くことや、
厳しすぎず甘すぎず、
功名心にかられてはいけないこと、
正しいことを求めること、
大過ないことも大事なことであること、
良いことをしても、褒められることを求めてはならぬこと、
小事も手ぬかりせず、人が見てないからといって欺くことせず、投げやりにならないこと、
人から加えられる害を防ぐ心がけは持たねばならず、欺かれてもあらかじめ推測して偽りを見破る心構えをすること、
人生においては、少しだけ減らすことが肝。人付き合い、発言、思案すること、利口ぶること。

0
2016年08月14日

Posted by ブクログ

・『後集 四八項』  


機動的

 機び(気持ちが)、動くは(動揺していれば)、
 弓影(弓の影)も疑いて、蛇蝎キカツ(蛇や、蠍ではないか)と為し(思い)、

 寝石(草むらの石)も視て、
 伏虎フクコ(虎が伏せているのではないかと)と、為す(思い込む)

 此の中(動揺している中では)、渾スベて(すべてが)、
 是れ殺気なり(殺気に満ちてしまうのである)

 念(雑念が)の息ヤめる(収まれば)は、
 石虎(暴虐の人物)も海おう(海のカゴメのように穏やかに)と作ナすべく(感じられ)、
 蛙声アセイ(騒がしい蛙の声)も、鼓吹コスイに当アつべし(鼓ツヅミや笛の音のいように、聴こえてくる)。

  触フるる(触れるものすべてが)、処倶トコロトモに(たちまちに)、
 真機シンキ(真実の働き)を、見る。


/訳/

 気持ちが、動揺していれば、

 弓の影も疑って、蛇や、蠍ではないかと思い、

 草むらの石を見て、

 トラが伏せているのではないかと、思い込む。


 動揺している中では、すべてが、

 殺気に満ちてしまうのである。


 雑念が収まれば、

 暴虐の人物も海のカゴメのように穏やかに、感じられ、

 騒がしい蛙の声も、鼓ツヅミや笛の音のいように、聴こえてくる。


  触れるものすべてが、たちまちに、
 真実の働きを、見る。






・『前集 八七項』

 静中(静かななかで)の念慮澄徹チョウテツ(考えが澄みきっている)ならば、
心の真体(心の本当の姿)を、見る。

 間中(ちょっと暇にしているなかで)の気象従容ショウヨウ(気持ちの持ちようがゆったりしている)ならば、
心の真機(心の本当の働き)を識シる。

 淡中(あっさりしているなかで)の意趣沖夷チュウイ(おもむきが安定している)ならば、
心の真味(心の真の味わい)を得ウ(得る)。
心を観じ道を証するは、此の三者に如シくは無し。


/訳/


 静かななかで、考えが澄みきっているならば、
心の本当の姿を、見る。

 ちょっと暇にしているなかで、気持ちの持ちようがゆったりしているならば、
心の本当の働きを識る。

 あっさりしているなかで、おもむきが安定しているならば、
心の真の味わいを得る。






・『後集 九十四項』

文以拙進


 文(文を作る修行)は、
 拙セツを(不器用を)以て(誠実に守ることで)進み(進歩して)、


 道(道のために修行)は、
 拙を(不器用を)以て(誠実に守ることで)成る。

 一の(この)拙(不器用)の字、無限の意味あり(含まれている)



/訳/

 文を作る修行は、

 拙さを誠実に守ることで進歩して、


 道のための修行は、

 拙さを誠実に守ることで成就する。

 この拙の字、無限の意味が含まれている。





・普通、拙というのは、悪い意味で使われることが多いです。
 しかし、菜根譚では拙によって、文章は進んでいき、道も拙によって成就するといっています。

 拙というのは、必要以上の飾りや巧みな技がまったくありません。つまり、よくいうと純朴なものや素朴なものということです。そこに、無限の力があるといっています。

 拙は、そういった不器用な粗削りのなかにこそ、いままで気づかなかった確信をとらえていたりすることがあるそうです。
 対義語は、巧という字です。『巧』の境地にいる間は、自分となかなか向き合うことはありません。自分の鎧を何もかも取り外して、自分のなかの拙と対峙して、大切に守ることで進んでいくのだとすれば、
 飾れない、ということが、逆に長所だということを考えると、可能性がすごく広がっていくように思えました。

 

0
2015年02月05日

Posted by ブクログ

入社時より、折にふれ、何度も読み返してきた座右の書。仏、儒、道の三教に通じた洪自誠による人生訓で、役にたつ珠玉の言葉がちりばめられている。
最初に購入した本は、表紙も破れ、背表紙もほつれてしまい、バラバラになるないように、セロテープで補強して読み返していたが、見かねた女房が
今年になりBook Offで発見し、再購入してくれた。 定年まじかになり、台二の人生を送るべき、改めて、今後も座右の書として都度、美見返してみる。
また、原書である中国版にもあたってみたい。

0
2015年01月11日

Posted by ブクログ

菜根は堅くて筋が多い、これを噛みしめてこそ、ものの真の味わいがわかる。明代末期の浩自誠による名著。

P110の「天、我に薄くするに福を以てせば、吾、吾が徳を厚くしてこれを迎えん」の下りにしびれた。

読むのに時間かかり過ぎた。もっと早く読めるようになりたい。

0
2011年08月14日

Posted by ブクログ

個人的には『論語』と並ぶか、それ以上の古典だと思う。

一つ一つが独立した話なので『論語』より読み易いかと。

0
2011年08月04日

Posted by ブクログ

学生時代に読んだ、五指に入る本。
謙遜、節制などの道徳が、古臭くなく腑に落ちていく感覚は稀有な体験だった。
『論語』と同じく自分の基礎になっていると感じる本。

西宮〜岐阜〜岡山と一緒に持っていったように、一生そばに置いておきたい本。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

働き初めてからこの本の存在を知った。
通読はしていないが、パラパラと読んでいる。
ピーンときたら、付箋付箋。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

逆境の中にいるとき、身の周りのすべてのことが実は鍼(はり)や薬となり、自分の信念(節操)を研ぎ、行動を磨いている。順境にあるとき、目の前のすべてが、実は刃や戈(ほこ)になって、肉を溶かし、骨を削っている。

世渡りの秘訣は、(譲って差し支えないものについては)相手に一歩を譲ることである。こちらが一歩を退くことで、こちらは一歩を進めている。

花は半開を看、酒は微酔に飲む。この中に大いに佳趣あり。

多情の女は男狂いの果てに尼になる。のぼせやすい男は思いつめて仏道に入る。かくして神聖なるべき寺院が、いつも淫(みだ)らな女やよこしまな男どもの集まる巣窟となる。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

本のタイトルすら読めなかったが、訳が上手いのか 頭に入りやすかった。

中でも 際立っているのが
24「清いものは常に汚れたものから生まれ、光り輝くものは常に暗闇から生まれる」だから 潔癖にならず、汚れや けがれを 全て飲み込め とまで言っている。その通りだと思う


他にも 何となく 聞いたことがあったり、知らぬうちに実践していたり しているのもあり 汎用性の高さに驚いている

80「未完成をあせるより 完成したものを長続きさせる方がまし。過去を後悔するより将来の失敗を早く予防する方がまし」

109「老後の病気は若い時に摂生しなかった報い、下り坂での災いは 盛んな時に無理をした罰」

156「人格は事業の基礎である」

0
2017年08月24日

Posted by ブクログ

処世術が細かく書かれている著書。前編は抽象的ながら考えさせられる文が書かれていて、後編には具体例の多い書かれ方がされていた。また、こちらの著者が悩んでいた部分があるのではないかというものがあった。人間が書いた人間の本という感じがする。かなりおすすめ。

0
2016年09月21日

Posted by ブクログ

全てを理解するのはなかなかに難しいが、心に響く所はある。気になるところは読み返して自分のものとしていきたい。

0
2015年11月23日

Posted by ブクログ

もちろん全てではないが、本書に記載されている教訓は現代生活を送るにあたっても非常に役に立つことが多いように感じた。競争や欲求の閾値が高い現代社会の中で、本書が示す逆境を乗り越えていくヒントや目先の利益にとらわれない処世術は、何か読んでいて清々しく、朝読書の良い友であった。

0
2015年05月30日

Posted by ブクログ

原文 読み下し文 口語訳が記載されている。
わたしは、内容だけてっとりばやく口語訳だけ、読み進めたが、訳者のフィルターを通していることは否めないが、共感できるてんもたたあり、心の持ちようについて、記載が多数あり、今後の参考にしたい。

0
2015年05月09日

Posted by ブクログ

以前から読みたかった本を古本店で購入(@350)
初めに注釈を読んで、気になったものは書き下し文でも味わい、「引用」に記録した(原漢文は読めない)。

“菜根”を咬むように深くかみしめたい人生を指南する言葉が多くあった。
中・高の教科書で学ぶに相応しい本だと思うが実態はどうなのだろう。

0
2012年10月28日

Posted by ブクログ

ところどころ現代の日本では当てはまらないのではないかと思われる提言もあるが、全体的にはためになった。
道教や儒教の思想を強く感じさせる内容で、読んでると心がおだやかになるような気がする。かもしれない。
ポイントは、すべての物や事象は、自分の心次第で変化するということ。
<我貴くして人これを奉ずるは>
栄位のゆえに我を人が尊ぶのは、この身につけた高い冠や大きな帯のためである。微賎のゆえに我を人が侮るのは、この身につけたもめんの衣服とわぐらくつのためである。そうともすれば、もともと我を人が尊ぶのではないから、どうして喜んでおられようぞ。もともと我を人が侮るのではないから、どうして腹を立てておられようぞ。

0
2010年12月20日

Posted by ブクログ

人生訓。著者は仏、儒、道の三教に通じているらしく、思想的な偏りが比較的小さいため、恐らく誰もが一つは滋養となる箴言を見出すことができるのではなかろうか。肝に銘じて損はない名言の数々を、私はこの本に見出した。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

これは適齢期がまさに今だな、と。
学生時代に読んでも説教としか感じなかったのに、社会人を15年近く営むと、はー、わかるわかる。それな!!みたいな気持ちが芽生え、自分におかしかった。一方、まだピンと来ない部分もあり、今後身に染みるのかと思うとそれもまた面白い。

しかし、岩波文庫はやはり岩波文庫!
からこそ味があり、原文を噛み締める喜びがあるのだけれど。
ただ、古典を読み慣れないと脱落する感ある。
人にオススメするなら簡易な方を勧めるかも?

0
2022年03月31日

Posted by ブクログ

中国の古典の1つで、著者については詳しい経歴が分からないとのこと。それでも松下幸之助など名経営者達に読まれている書物みたい。
書名からもそのイメージが伺えるが、「派手なことはせず、粛々と今を有難く生活しろ。」という感じ。思ったより読めないことなかった。
しかし、この時代に(1822年刊行)お酒飲んで暴れるとか、遅くまで歩き回るってみっともないよ。って書かれてるのが面白かった。父に教えてあげようと思う。笑
同じ行に、「飽きたからってポイって投げ出すな」って書いてて、これは私に当てはまるから、
一緒に頑張って変えていこうって言おう。

0
2015年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真理こそ守り抜くべき重要なこととして扱っている。
奢れるものは、人間が卑しくなるため、質素な生活を勧めている。特に、一歩を譲り三分を減らして譲るがまさにそう。まあ、題名が菜根で、貧困をテーマにしたものだからそれもそうか。
うーん、時代背景からして、貧しい世の中だったから、時代にかなり依存した宗教的な内容だと思う。
今の時代には合わないかなあ。

それでも、生活の見直しには良い本。
人といるときは笑顔で楽しくすることが大切と説く。当たり前だけど、大切なこと。文章内の言葉を借りると、「暖かいところだと万物は育ち、寒ければ万物を枯死させる。だから、人も他人に温かく接すること。」みたいな理由から。
あと、貧しさ・逆境・困難・苦労というのは、鉄を溶鉱炉で鍛えるようなものですよと。人間を高めるには必要なことですよ。とか、「立身栄達を語ってはいけない。一人の将軍の功名の影には、幾万の兵士の骨が戦場に眠っているのだから」は、米国大統領とかに知ってほしい。
目に見えないところに注意しなさい。善も悪も人の見えること以外に、人の見えないところでの行いがたくさん隠れているものです。自分は反省しなさい。他人は責めるな。ということも繰り返し述べられている。

結局のところ、『自分を律しなさい』ってことかと解釈した。

0
2014年11月29日

Posted by ブクログ

約400年ほど前の人物が書いた本が、著名な経営者などにも紹介されるくらい結構読まれているという。

著者は洪 自誠(こう じせい)
1573年 - 1620年の人物とされ、感性は現代人の我々と変わりが無い部分も垣間見られる。
「春も良いけど秋が一番いいね」
・・・だそうで、400年前の人となぜか共感できてびっくり。

道教、仏教、儒教を学んでいる著者の人生論が述べられている。

モノに執着すればする程、人としての豊かさから遠ざかってしまう。

成功や勝利は逆境から生まれるので投げやりになってはいけない。
逆に失敗や敗北は上手く行っている時にこそ注意する必要がある。

キモに命じておきます。。。

0
2014年10月27日

Posted by ブクログ

ざっくり一言でまとめてしまうと、世の中(自然)を質素倹約に噛み締めて生きよう的な事だったと思います。読むのが早過ぎたのか若さを失うような感覚に襲われます。特に日本では経営者やらハイクラスの人はよく読まれる本と言う事で手を出してはみたものの、「うーん・・・」という感じです。ただ、自然に身を置く事は好まれる事だし、頭の隅にでも控えている事は、どこかで引き出せる機会も同時に得れます。なのでまあ、ボスクラスと対等にやり合おうと思えば必要なエッセンスかと。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

 達観し過ぎているすごい人生の知恵の書である。中国人の人生訓というのはかなわないなと思う。西洋人の人生論でこのような名著に出会ったことはない。

 結果や結末から心の働きや人々の行いの過ちを伝えている。人生から一歩退いて客観的にながめるさまはさすがに達観している。まだ読んでおられない方にはぜひお勧めしたい一冊である。

 現代人に必要な言葉を引用します。「財産の多い者は莫大な損をしやすい。だから金持ちより貧乏人の方が、失う心配もなくてよいことがわかる。また地位の高い者は、つまずき倒れやすい。だから身分の高い者よりは身分のない庶民の方が、いつも安心していられてよいことがわかる

0
2009年10月07日

「小説」ランキング