あらすじ
17歳を目前に自殺した姉。明るく優しい性格で、直前までそんな素振りはなかったのに、なぜ…背後には、死神のような女生徒の姿があった(「はだれの日」)。孫を交通事故で亡くした祖母。断ち切れない愛情と悲しみが、孫の幼友だちをおぞましい事件に巻き込む(「虎落の日」)。惨劇の陰には、人の心を蝕む「水銀虫」の存在が。取りつかれ、罪を犯した人々の、悪夢のような一日を描いたホラー短編集。
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Posted by ブクログ
ホラー短編集。
枯葉の日:全体的に暗いトーン(季節の描写含む)、確かに内容も暗いものだったけどわたし的には最後に救いがあったように思えたかな。きっと彼は彼女を殺してあげた。殺すことが大事なのではなく、その願いに気づき叶えてあげたこと。彼女はこれでやっと解放される、その自由にわたしは共感できたんだと思う。
しぐれの日:読み進めるにしたがって、ぞわぞわした気分になる話(作者の意図にまんまと乗ってる感が・・)。どんどん救われなくなる感じがね。自業自得なことではあるんだけど、幸せっていうのは簡単に手に入らないね。そのとばっちりが子供にくるなんて。
虎落ちの日:これも気持ち悪い・・。祖母の孫を思う気持ちが、痛くなる。なぜ他人の孫を利用するのか・・エゴだよね。
薄氷の日:救いがまるでない。そのチャンスはあったのにね、っていうやつ。自分の身を振り返るのに、こういう話はつまされるね。
微熱の日:これも怖い。普通に現実にあり得るからさ・・。罪があるのか、ないのかその点でも気になる。
全体的に、怖い。
身近に起こり得る恐怖。でもおもしろい。そんな短編集でした。