あらすじ
「訳者あとがき」より
●本書の主な特徴
1)ラグジュアリーの本質、特に、ラグジュアリーの起源や社会的役割、プレミアム戦略やファッション戦略との違い、マーケティングの逆張りの法則、今日のラグジュアリーのさまざまな様相がわかる(第1部)。
2)ラグジュアリー戦略の具体的な内容、特に、顧客戦略、ブランドエクイティ戦略、ブランド伸張戦略、製品戦略、価格戦略、流通チャネル戦略、コミュニケーション戦略、財務・人的資源戦略がわかる(第2部)。
3)ラグジュアリー戦略の大局的な展望、特に、ラグジュアリーのビジネスモデル、ラグジュアリーへの参入・退出戦略、ラグジュアリー業界以外への適用、環境問題への対応戦略の具体的な内容がわかる(第3部)。
4)ラグジュアリー戦略とラグジュアリーブランドの関係、特に、ラグジュアリーブランドであるがファッション戦略を採るディオール(Dior)、ラグジュアリー戦略を採るファッションブランドのラコステ(Lacoste)、両者が一貫しているシャネル(Chanel)という関係が理解できる。
5)ラグジュアリー戦略の形成・発展に貢献した日本市場の特徴がわかる。
6)欧州市場や、中国・インドなどの新興国市場の動向と留意点がわかる。
7)ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のエピ(Epi)ライン導入、モンブラン(Mont Blanc)の時計への伸張などの具体的事情が生々しくわかる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ブランド名ならまだしも熟語にいちいち原書の単語が括弧書きで示されていて、まるで「わかりたい貴方のための!(おじさんむけ)英単語を覚える本」みたいだ。こんなに分厚くて重たい本にする必要がよく分からない。社長室の本棚に積ん読されていそう。ハイエンドな製品を売るターゲットを決めるには、という本。ファッションだけれなく、車や時計などのターゲットが明確なプロダクトを扱う会社の人が読む本。
Posted by ブクログ
全3部のうち、第1部を読んだところ。
訳がこなれていないというか、訳注を多用した結果言いたいことがぼやけている箇所が多い。
が、それをさっ引いても、よく分からない。
分かっている分だけを何となくまとめてみる。
・ラグジュアリーは、かつては社会階層を示す印であり、今日の自由平等社会では、社会階層を再創造する役割を担っている。
・ラグジュアリーは、
(1)それを持つことが、上流階級(≒富裕層)に属していることを意味するような印となるものであると同時に、
(2)それを持つことに対する欲望や夢をかき立てるものである。
(1)の裏打ちとして、価格、希少性、隔離性(=例えば、ファーストクラスの乗客とビジネスクラスの乗客とがはち合わないようにすること)がある。
(2)の裏打ちとして、歴史、神話(=例えば、英国王室御用達、カーレースでの優勝など)、時間(作るのに時間がかかり、手に入れるまでに時間がかかり、時間をかけて楽しむこと)、教養(=違いが分かる人にだけ)がある。
・ラグジュアリービジネスは、従来型のマーケティングでは成功しない。例えば、
(1)顧客のニーズに応えると、製品のオリジナリティが失われる。
(2)顧客の手に届きやすくすると、製品の魅力が失われる。
(3)経費節減のために工場を移転すると、製品のアイデンティティが失われる。
・ラグジュアリーとプレミアムとは違う。
プレミアムとは、最高品質の製品であり、それゆえに、品質の点で他の製品と比べることができる。また、プレミアムにおける技術ては、快適さや機能性を追求するために用いられるものである。
一方、ラグジュアリーとは、最高無比のものであり、他と比較されるものではない(例えば、ポルシェとフェラーリとはどちらが優れた車か、という議論を超えたところに両者の魅力がある)。同様に、価格の比較も無意味である(例えば、Aに1000万支払うことと、Bに100万支払うこととの、どちらが妥当かは決められない)。また、ラグジュアリーにおいても最新技術が用いられるが、それはブランドの理想や夢を追求するために用いられるのであって、必ずしも完璧な機能性を実現するためではない。
と、このように、内容はおおざっぱにまとめられるものの、この本から何を得たのか、という点が今ひとつまとめられない。
とりあえず、時間をかけてでも最後まで読もうと思う。