あらすじ
その「偶然」は仕組まれたものかもしれない。
出会いと別れ、栄光と挫折、幸福と不幸、そして生と死……。
あなたの人生を左右した「偶然」や「運命」は、実はすべて仕組まれていたのかもしれない。奴らによって――。
弁護士試験に挫折して就職活動中の水氷里美は、ある日、電信柱に貼られた「オフィス油炭」という会社の求人広告を見つける。藁にもすがる思いで連絡を入れると、面接場所に指定されたのは、なんと錦糸町のパチンコ屋!?
数々のミッションをなんとかクリアして、入社が認められた里美に与えられたのは「アクシデントディレクター」という聞き慣れないお仕事だった――。
確率に異常にこだわる社長の油炭、かわいいけれど戦闘能力の超高い女子中学生・クロエとともに、里美はクライアントからの依頼を遂行していくが、あるとき「偶然屋」たちの前に、悪魔のような男の存在が浮かび上がる……。
ブラックユーモアミステリーの名手が本領発揮! こんな展開、予測不能!!
『ドS刑事』シリーズで人気の著者、新たなる代表作。
※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
雰囲気は、伊坂幸太郎「陽気なギャング」シリーズ。ただ、内容はかなりミステリー色が強く読み応えがあった。
過去と現在が入り混じるストーリー構成で、背景の描き方が濃くて話に入り込みやすいと感じた。
人の心に小さな小石を投げ入れ、その波紋の広がり方を高いところから見物するような某人物の言動に、一々嫌悪感を覚える。人の心の壊した方なんていとも簡単にできるのだ、と嘲笑するような…。
心底恐ろしい。
その人物の先が気になるので、続編は必読だろうなぁ。
Posted by ブクログ
日常生活の中で起こる偶然が実は偶然じゃなかったら!!実際に誰かの意思で動かされていたとしたら恐すぎる。
メインキャラクターとは別に各章最後に全く関係のない人達が出てくるけど、最後に向けてしっかりと伏線回収されましたよ。
読み応え充分で面白かった。
Posted by ブクログ
とっても面白かった。身の回りの偶然は作り上げられたものなのか、また人の偶然は自分で作れるものなのか。
伏線回収も多く、登場人物も多かったので、メモしながら読んだらより理解しやすいかなと思った。
ハラハラする場面では話言葉だけで短くテンポよく読めるのでスピード感から来る臨場感や緊張感があった。
Posted by ブクログ
面白かった。読みやすいけど、登場人物が多いので「この人誰?」ってなりました。
話の雰囲気は明るいけど、ミステリー部分はかなり重く、死者も多かった。色々トリックがあるけど話の途中で出てくるので分かりやすい。
Posted by ブクログ
その偶然は本当に偶然なのか——
「偶然」を演出する職業、アクシデントディレクターが主人公の仕事。
最初はたまたま軍手を買わせたり、「出会い」を演出したりする軽いことから物語が始まっていく。この段階では、コメディーなのかな? と思ってしまうが、ストーリーは思いがけない展開へ。
「偶然」はすべて誰かが演出した「必然」なのかもしれないと考え始めると怖い想像が止まらなかった。本当にいい小説でした。続きも読んでみたい。
Posted by ブクログ
初七尾与史。
この幸運やあの不運が演出されたものだ、なんて、思い付きもしないのに、ほんとに偶然?なんて言ってしまうことが時々ある。自分で選んできた道、と思ってきたけれど、各岐路には何らかの『力』が作用していたはず。なるほど、面白い視点だな。偶然屋たちの爽快活劇だと目星をつけて読み進めると、彼らとは無関係な事件がひとつ、またひとつと綴られる。油断していた。すべてが一人のひとつの『力』で繋がれていたなんて!
悪意を持ったホンモノの『偶然屋』の暗躍とその成果は、ある意味ホラーよりホラー。次巻を読まずにいられない。
Posted by ブクログ
書店で偶然見かけてタイトルに惹かれて購入しました。
里美がアクシデントディレクターとして様々な依頼に挑んで予想しない出来事が起こる展開が気になって楽しく推理しながら読めました。
途中で登場人物(場面)が全く変わってしまったのが謎でしたが最終的に安倍川が全て関係していて話が繋がっていたのは目から鱗が落ちる様な感じでした(笑)
Posted by ブクログ
JR新宿駅で私鉄に乗り換えるために改札を出た時に、高校の同級生とばったり出会ったことがある。九州の片田舎にある高校を卒業してからかなりの年月が経っていたが、お互いに一眼見た時に同級生だと分かった。週末の大混雑した改札前だったので、出会う確率を考えると本当に低い確率だったのだろう。ばったり出会ったのも偶然ながら目が合ったのも偶然で、こういうことがあるだなとお互いに驚いたことを思い出す。
それ以外にも、10年以上前に一緒に働いていた方と交差点でばったり会ったり、たまたま話をした相手と同じ出身校だったりと、世の中には「偶然」がいたるところに転がっている。また、偶然を装って誰かと再会するというのは、テレビの世界だけではなく現実の世界でも時々有って、それによってビジネスを発展させたり恋愛を進展させたりするとういこともあるだろう。それを考えると、世の中の出来事は偶然の積み重ねで出来ていて、それが本当に偶然なのか誰かが仕掛けたことなのかは別にしても、歴史だけではなくここの人生にも「もしも」という分岐点があるんだなと思う。
七尾与史さんが書かれた「偶然屋 (小学館文庫)」は、「クライアントの求めに応じて『偶然』を作り出す仕事」を題材として物語だ。ありそうでなさそうな仕事だが、あったら面白いだろうなとは思える内容だ。
弁護士へのチャレンジを断念して就活を行なっていた里見は、電柱に貼られていた募集広告を見て面接場所に指定された錦糸町のパチンコ店に出向く。指定された通りパチンコを打っていると思いがけず大当たりをしてしまい、それが元で店員の女性と仲良くなり彼女の悩みを解決することになる。それが「偶然屋」の採用試験だったのだが、雇い主の油灰や戦闘能力の高い美女中学生クロエとともに、クライアントの求めに応じた『偶然』を「アクシデントディレクター」として対応していく仕事に就くことになった。
この物語は『偶然』を装って恋愛成就などのセッティングをするというストーリーの他に、同級生や知人を巧みに操って犯罪を起こさせる悪魔のような人物のストーリーとが並行して進み、それが徐々にひとつのストーリとしてまとまってくる。まるで、別々の小川を流れていた水が、気がついた時には大きな川に合流して大きな流れになるような巧みさにワクワクする。それぞれのストーリーもミステリー仕立てであったりアクション仕立てであったりと趣が違うのだが、人の心に棲む闇のようなものも感じてそれぞれのストーリーに興味を惹かれる一気読み必須の一冊だ。
実際にこういうことが起きるかもしれないなという怖さと、そういった事件に巻き込まれたくないなという怖さとがじわじわと迫ってくるような感覚を覚えた。続編もあるのでぜひ続きも読んでみたいなと思った。久しぶりに個人的には☆5つ付けたい作品だ。
Posted by ブクログ
七尾ワールド全開の設定だけど、いつもよりはギャグ少なめな気がした。笑
油炭含めメインの登場人物が全員まともなせいかな。
バタフライエフェクトはお決まりの展開なんだけど、こういうサイコパスじみたやつは珍しい?
全然関係ないエピソードが散りばめられてると思いきや、最後に全部繋がって伏線回収されていく感じドキドキした。
次作に続く終わり方でどんな風に決着がつくのか楽しみ。
Posted by ブクログ
その偶然は本当に偶然に起きたことなのか?誰かが裏で操作していたことだとしたら…??
複数の伏線を巧みに収斂させたストーリーが見事でした。最終的に対峙する「ラスボス」も非常に知的かつ残酷で迫力があり、ぞっとさせられました。ミステリの敵役としては、かなり魅力ある存在ではないでしょうか。
それだけに、最後が少し残念です。偶然屋らしい活躍で、一旦の決着がついて欲しかった。もう少し掘り下げられたらもっと面白くなりそうなのに。もどかしい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
偶然屋と呼ばれる「アクシデントディレクター」の見習いとして働く事になった水氷里美ですが…
思ってたのと違った!
けれど面白かったです
テンポ良く読めるけど内容は結構ヘビーでした
怖いよ〜怖いよ〜と思いながら読みました
現実には無いといいな〜
Posted by ブクログ
短編集と思いきや、堂々の長編である。
偶然を必然に思わせる社会実験とそれに立ち向かう「偶然屋」。
ライト小説と侮ることなかれ!充分奥深いれっきとした傑作である。
Posted by ブクログ
読み始めた時は、単発物のお話が続くのかな?と思いながら読んでました。
が、中盤から話が想定外の所から繋がって来て、最後は全部繋がる。
面白かったです!
パロディの小ネタもチラホラ。
読む手が止まりませんでした(笑)
ただ核心に迫ってからのスピード感が、ビックリするぐらい速い。
最後の犯人の動機が、ちょ〜っとサラッとし過ぎかな?という印象なので、☆4です。
黒幕に大きな痛手を負わせたのに。。
続編も是非読みたいです!
ライトミステリーだと思ったら
軽くサクサク読めるイメージで読み始めたけど、間に挿入される関係ないと思われる話が繋がった時に、思っていたよりも複雑だぞ!と気がつく。
元気な(世間ではきっと変わり者な)主人公が面白いので2巻も読みます。
Posted by ブクログ
Twitterの七尾さん名義のアカウントからオススメしてもらったので早速読んでみた。読み始めは、ドラマを見ているような軽快感で、サラッと読めるんじゃないかと思ったけど、間に挿入される短編とか、エピソードとかが上手く1つに繋がったときに、この敵、怖ーい!となる。
主人公の名前が私と一緒だからオススメしてくれたのかな?と思ったんだけど、この作品ならお勧めに最適!
しかし、続きも読まなきゃ!と思わされちゃったので、2巻も買わなきゃ。
Posted by ブクログ
身に起こる出来事が偶然ではなく人の手によって起こされたものだとしたら?そんな偶然を仕組む偶然屋のお話。ブラックユーモアってこんなんだっけ?と思うほど文体は軽いが濃厚な作品。人の心理描写が上手く、心に突き刺さる文章が多いため、弱ってる時はオススメしない。そうじゃないなら読むべき作品。
Posted by ブクログ
テンポが良く、読みやすい。
やっぱり七尾さんの本は面白い〜‼︎
偶然を装う、どうやって偶然を演出するのか、その方法が自分には思いつかず、見ていて面白かった。
ラストスパートがすごくてどうなるのか続きが気になってどんどん読み進めてしまいました!
Posted by ブクログ
いやぁ、面白くて一気読み。
合間合間に入る短編がメインとどー絡むのかと最初不思議だったけど、なるほど!と気づいた時の恐ろしさときたら。
点と点が繋がるのが面白い!面白いけど怖い!!
続編が早く読みたい。
Posted by ブクログ
司法試験に失敗した里見は、変なところに貼られた求人チラシを見て、オフィス油炭のアルバイトを始める。油炭の仕事は、人の行動をちょっとしたきっかけで後押しし、依頼人の望みを叶えること。ある日、電車で見た女性と付き合いたいという男性が現れ…。
偶然を装って後押しするというタイプの話っぽいんだけど、ほとんど偶然が出てこないという、タイトルが微妙にズレているような感じがある作品。というか、途中から偶然は関係ない。
相変わらずあらすじも何も読まずに読み始めたのだが、一章の途中でぜんぜん違う話が始まるわ、二章で突然人が死ぬわ、参照でも二章に出てきた人が死ぬわで、は?何の話?ていうか死ぬの?と引っかかること請け合い。
二章あたりで、ああなるほどなと本の組み立てはわかってきたが、章の途中から別のエピソードを語られるのはなんとも落ち着かないし、印象が悪い。
また、本ストーリーの方も無理やりあれもこれもあれもこれもとつなげすぎてしまって、多少の無駄な話もあってよかったのではないか。
裏の裏をかいてやろうという割に、登場人物がほとんど介入しないので、ある意味ドライに読み進められるが、つながりがどうだったかをつい忘れがちになるのでマイナス。
サブのストーリーの方が大きくなっていくところも、最終的にあまり収拾がついていないように感じた。
あっちに行ったりこっちに行ったりの、ジェットコースター的な話が醍醐味ではあるが、主人公たちが感情的についていけていないので、読者も取り残されがちな作品。ぜんぜん違うが、伊坂幸太郎と少しだけ似たようなものを感じる一冊。ただ、納得はしてない。
Posted by ブクログ
はて…あの時のトラブルは本当に偶然だったのだろうか…?
と疑いだすと怖くなるミステリ。途中までは割と出来の良い作品だったが、最後がグダグダでいまひとつの評価。
ルワンダの虐殺にヒントを得た人間の集団心理実験的な話はまあなくもないかなぁとは思うが、いくら何でも小説で読者を思うがままにコントロールして犯罪を犯させるというのは都合が良すぎる。最後にやっちまった感じでした。
確かにアクシデントは演出しようと思えば出来るだろうし、実際にそういう場合もあるだろう。だが、あの時のトラブルはもしかして誰かの罠?!とか、この身に起きた不幸は実は仕掛けられたものでは?!などと言い出すと万事が怪しく見え、日常生活など送れなくなってしまう。この手の話は都市伝説と笑い飛ばすのが正解。もちろん偶然屋なんているはずもない。信じちゃいけませんよ。
…
…
…
これでもう大丈夫。
人間は一度疑ったことでもそうでないと納得すると、二度と疑わないものです。
もしかして偶然屋っているかも?と思った人も「そうだよね、そんなのいるはずないし」と納得してくれたはず。
偶然屋なんていませんよ、もちろん。
(о´∀`о)ニヤリ
Posted by ブクログ
対象者に気づかれないほどにさりげない演出を施し、クライアントの依頼に応える『偶然屋』。その依頼の裏にある隠された展開がとてもミステリーしてて面白い。章を追うごとにゾクゾクが増し、最終章では緊張感が高まる。人間の怖さを存分に味わえた。
Posted by ブクログ
面白かった
いわゆる陰謀モノを連想します。それが身近で起こるのが偶然屋という感じ!
全てが仕組まれているのでは?
という設定が面白い!
そして、この偶然屋という職業設定が良いですね。
弁護士試験に挫折した主人公里美が就職した先は偶然屋!
「アクシデントディレクタ」として、社長の油炭と女子中学生のクロエの3人でクライアントのために様々な偶然を仕込んでいきます。
そんな3人が大きな流れに巻き込まれていくという展開!
途中、途中で設定が変わって、登場人物が変わってしまい、どういうこと?
と思っていたら、最後はなるほどと全部つながりました。
まさに陰謀モノと思われる展開へ!
エンターテイメントとして楽しめます。
続編があるようなので、これまた期待します。
Posted by ブクログ
読む機会があり、拝読。
サスペンスものは普段読むことが無いので、どうなのかなぁ?と思ったけど、
一気に3分の2まで読んだほど。
感想は面白かった。
以前読んだ本にも、サイコパスな登場人物が出てきたが、
どうしてそうゆう発想が出てくるのかと思うほど、
恐ろしい存在。
読んでる時に、少しメンタルが弱かったので、
起きてる現実に対し、
裏を考えすぎてしまった。
最近、人と接していて、大人になると。
と言っても、成人超えて、もう14年以上経つが、
みんは本音ではなく、その場しのぎでその言葉を選んでる人が多いのか、、、
と思った。
本音ではなく、ただ、今その人に会う声かけをしてる。
私は今まで、そんなふうに言ってくれるんだ。優しいなぁ。と
シンプルに思ってたけど、
でも、それってその場しのぎの言葉なのかなぁと思った。
だから、話していて、
あ、今はこの人そのものの感情が出てるんだ。と感じるようになった。
この本読むと、変に敏感過ぎてしまって、少し苦しくなった、
こんなふうに思うようになって、またさらに人と接するのが苦手になったなぁ、、、
久しぶりに読むサスペンスものは面白く、結構読みやすい作品でした。
あとがきに、映画『第三の男』の各場面を彷彿させるものや、『キック・アス』『es』を思わせるものもあるらしく、観たいと思った。
Posted by ブクログ
偶然屋というタイトルが気になった。一回1人の作家にハマるとその作家の作品ばっか読んでしまうきらいがあるため、最近多い。
偶然という響きと、規模、スケールが大きくなってはいるが基本的なところは普段の私たちもしているのではないか。相手の表情、行動から、この人はこんな性格で、このように声掛けをすれば、こういった行動をとってくれるのではないか。
というような具合でうまくいかないことも多いが、上手くいくことを願い日々接する。
ただ、この作品内での偶然は規模が遥かに大きく、少し背筋が凍ってしまった。自分の行動全てを疑ってかかってしまいそうになる。
リアリティがあるのと同時にレベルが違いすぎる内容のため変な面白みを得てしまった。
Posted by ブクログ
最近の世の中なんとなく情報操作されてるような?何が本当なのかわからないなという感じを受けることがよくあります。
そんな中で読んだこの本。面白かったです。
なにげなく見たり聞いたりしている情報も誰かの意図が満載かも。視野を広くしないとね!
Posted by ブクログ
就職に失敗している主人公のさとみが「偶然屋」で探偵として働くことになり、運に任せて(?)様々な問題を解決していく話。1話から4話に分かれており、それぞれの話でストーリーが完結しているのかなと思ったら、忘れていた頃に出てきて、実は全部がつながっていたのが驚きだった。ただ個人的には中盤あたりからつまらなくなって読み終わったけど読んでないみたいな状態。わたしはミステリー小説的なのは向いてないかも。
Posted by ブクログ
就活に失敗した主人公。
偶然見つけた求人広告につられて、アクシデントプロデューサー(見習)に。
かかわる客がみな一癖も二癖もある人ばかり。
そしてついには人心を操り、不幸にする人物がかかわる案件を担当するのだか…
続編に続く?