【感想・ネタバレ】鏡川(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

私の胸中にはいくつかの川が流れている。幼き日に見た真間川、蕪村の愛した淀川、そして母の実家の前を流れる鏡川だ――。明治維新から大正、昭和初期までを逞しくも慎ましく生きた、自らの祖先。故郷・高知に息づいた人々の暮らしを追憶の筆致で描く。脱藩した母方血族、親族間の確執と恋慕、母が語ったある漢詩人の漂泊……。近代という奔流を、幼き日の情景に重ね合わせた抒情溢れる物語。

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Posted by ブクログ

作家・安岡の母方の親族の系譜。明治以降の時代と、人物の人間味(悩み、栄達・・・)など考えさせられ、しみじみとした感慨を感じます。家族・一族が希薄になった寂しさのようなものが底流に流れています。莞爾とした自らの鏡の顔を見て、号とした初代沖縄知事・安岡莞爾(土佐藩を脱藩、後年に高知県知事を勤めたという)漢詩作家・西山麓、日生の初期の役員・入交千別、昭和恐慌時の蔵相・片岡直温などが印象に残る人たちですが、寺田寅彦、丸山明なども連なる錚々たる一族です。そして焦点は次第に自堕落な生活をしたと親族の間で評判が悪かったと言う西山麓へ。構成が見事です。

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2013年08月25日

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