あらすじ
ライターの原田璃々子は、二十三区のルポを書くため、いわくつきの場所を巡っていた。自殺の名所と呼ばれる団地、怨念渦巻く縁切り神社、心霊写真が撮れた埋立地、事故が多発する刑場跡……。後ろ暗い東京の噂を取材する璃々子だったが、本当の目的は、同行する民俗学講師・島野の秘密を探ることだった。心霊より人の心が怖い、裏東京散歩ミステリ。
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Posted by ブクログ
東京の、授業ではあまり触れられない歴史や伝承に関する蘊蓄が知れるだけで純粋にもう満足なのに、それが怨念として現代の生活に影響を与え続けている構成が緻密に編み込まれていてめちゃくちゃ面白かった。相当好きな部類の本だった。
生活に身近なところはイメージしやすいし、あまり行かない区はここで登場するスポットに俄然興味が湧いてくる。
港区の女と江東区の女で結構驚く展開が続いてええやんええやんだったのに、最後に作品全体として驚かせてくれたから嬉しかった。
お台場に「お」がつくのはなぜだか知ってる?
ってやつは日常会話で使わせてもらおうと思う。
先輩が成仏することはできるのか。楽しみ。
Posted by ブクログ
面白かった。
BOOKOFFで何気なく買ってみたが、想像以上に楽しめた。
私個人の感想はミステリー、ホラー、両方の要素が入っている感じでしょうかね。
途中でどの話もなんとなくつながっているなと思いきや、最後は何かの映画であった結末に似ているがそれはそれで楽しめた。
他の方の感想で見ましたが、2があるのかな?
探してみたいと思います。
Posted by ブクログ
ライターの原田璃々子が巡る東京二十三区のオカルトスポットと、その因縁に導かれるようにして起こる薄気味悪い人間関係の縺れや血なまぐさい事件。
璃々子に同行する先輩・島野の地名や謂れの蘊蓄にへぇーと目を瞠ったりなるほどと頷いたり。渋谷の暗渠の存在にゾクゾク。学生時代一時住んでいた東京の古い記憶を引っ張り出しながら懐かしく読んだ。
作者お得意の暗号文や読み手をハッとさせるしかけが盛り込まれ、どの章もドキドキが止まない。哀しみと凄まじさが背中合わせの「江東区の女」も強烈だが、「渋谷区の女」のラストが一番ゾゾっときた。