あらすじ
【イラスト付き】平和な小国グロリアの末王子フロリアンは、遠い昔王家にかけられた魔法により、感情の昂りによって女性にも男性にも変化する性的に不安定な身体を持っていた。『真実の愛の重さ』がわかるまで、真実の身体には戻れないというのだが、フロリアン自身は、このまま男の姿で国を支えていきたいと願っていた。しかしそんなある日、姫として幸せに暮らすことを望む王妃によって、隣国アヴァロンの次期国王リュシアン王子との縁談話が持ち込まれる。はじめは反発していたフロリアンだったが、偶然にも彼に窮地を救われ、その逞しさと優しさに、一目で惹かれてしまったのだった。少年の姿だったため、リュシアンには王女付きの少年騎士だと誤解されたフロリアンだったが、その関係のまま、二人は徐々に距離を縮めていき……?
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あっさりしているかな
主人公の設定に惹かれて購入。良く言えば纏まっており、少し悪く言えば「お綺麗」という印象。良いのか悪いのか、特殊な設定にも関わらず淡々と読み進められます。
世界観が少し分かりづらい、読んでいて何か出てくるたびに、あっそういうのもアリな世界なの?と戸惑う。ファンタジーを書く難しさを感じました。
Posted by ブクログ
面白かったです。
当初、状況によって身体が男の子にもなるし女の子にもなる「少年」が主人公ということで、一体
、どういう設定なんだろうか-と、不思議に思いました。男装女子でもなく、両性具有でもない、元々、生まれたときは女の子だったのに、男に変化した。今も時々、女になってしまう。よく判るようで判らない設定が通ってしまうのは、やはりファンタジーならではの世界です。
ドラゴン、一角獣、魔法使いとくれば、これはもうファンタジーの王道設定ですね。私はどちらかというと、苦手なジャンルなのですが、、、
でも、楽しく、サクサクと読めました。
ヒーローの王太子殿下も彼に輿入れした王女(王子)も根っからの善人キャラで、どうしたって嫌いにはなれません。
それぞれが自分の与えられた使命、立場に戸惑いと反発を覚えながらも、何とか前向きに受け容れて民や祖国のために努力しようとしている姿は自然に心に響いたし、好感が持てました。
ただ、全体的な感想としては、物語りが展開する舞台設定が少し曖昧かなという印象を受けました。
説明はちゃんとあるので、単に私の理解がついて行けてないだけかも知れませんが。
もう少し舞台となる物語り世界について具体的に描き込んだ方が良いのと、後、気になるのはラストです。
与えられた運命のままに、王女に戻り幸せな結婚をして女として生きることを「彼」は良しとしませんでした。
自分はこれまでも男として生きてきたのだから、容易く「女」にはなれない、というのが「彼」の言い分で、ラストシーンでは、男のままでいたいという中途半端な気持ちのために「両性具有」となって終わるのですが、これが残念。
結局、そこに話が落ち着くんだ、、と少しがっかりです。
冒頭は、これまでにない珍しいキャラ設定で始まったのだから、ラストまでそれをつらぬいて欲しかった。
では、どういう終わり方になれば良いのか?
と言われれば、私も答えようがないのですが-。
非常に目の付け所は良い題材だが、扱いが難しいということかもれませんね。