あらすじ
●最新の領域をカバー。実務を優先して記述。
本書はMBA講座にも古くから取り入れられている「経営戦略」「事業戦略」の新しい教科書。すでに類書も多く出版されているが、本書には以下の特徴がある。
1最新の戦略の議論をカバー
多くの戦略の教科書がいまだに80年~90年代の米国の学説を中心としたものであるが、本書はその後の経営戦略の議論をカバーする。デル・モデルの登場に端を発し最近のプラットフォームの議論に至るビジネスモデル論や、最近のイノベーションの議論、さらには、戦略の実現過程を扱うストーリー論に至るまで、戦略の議論には多くの教科書がカバーしない領域が増えている。これらのテーマを単独で掘り下げた書物は数多くあるが、それらが戦略論全体の体系の中に位置づけられていなかった。本書ではこれらを網羅的に解説する。
2実務領域を広くカバー
多くの戦略論の教科書は学説をベースとしたものであるが、本書は、実務を優先して記述する。大和ハウス、P&G、TBCなど、実例をあげて紹介。新興国などの市場に他社に先駆けて参入することは、インドの自動車市場へのスズキの例を挙げるまでもなく、多くの利益をもたらすものと実務では考えられているが、学説からはその重要性の指摘を聞いたことがないなど、実務と学説にはいささかのズレがある。それは、これまでの本では、戦略を導出する分析手法(フレームワーク)の解説が中心で、実際の戦略は何なのかは、よくわからずじまいだったからだ。理論上の分析は内部資源に偏ることが多いが、上記スズキの例のように、実際には、外部環境の分析から戦略は導かれることが多い。
本書は、多くの経営者や企画担当者に、実務上考えなければならない視点を提供する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これまで読んだ中で最も網羅的に経営戦略フレームワークを整理し、かつ、実務適用時の注意事項もまとめられた本だと思います。実際に手を動かすときには是非再読して参考にしたいと思います。
Posted by ブクログ
戦略を学ぶなら、この一冊。
それは、なぜか?
その1、これまで戦略にまつわる本は、数多あるが、その多くが外部環境分析をメインにした情報収集論で終わることが多いが、本書は、戦略の中身、つまり、勝ち方、儲け方の中身を教えてくれる。
その2、伝統的な戦略論を抑えるだけでなく、最新の事例も取り入れた体系的な内容になっている。
その3、簡単に作れるレシピ本的な本が多い中で、本書は、実務的な深い気づきや議論を誘発してくれるきっかけになると思う。何度読んでも飽きない。