感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月15日
良い意味で、3巻目なりの味わい深さが出ている。単なる怪談、ヒトコワというような恐さだけではなくて、淡々とした悲惨さの裏に潜む様々な人生みたいなものが切り取られていて興味深い。
私はどちらかと言うと、怪談に人間味とか悲哀とか情緒とか、とかく恐怖以外の要素を持ち込まれるのを嫌う方なのだが、今回の場合は...続きを読むただの恐い話ではなくなるのが全く嫌ではなかった。おそらくそれは、感動ポルノみたいな流れにならないよう著者が意図的に内容を客観視して冷静に綴っていったからだと思う。あと、私が嫌いなパターンの一つに「結局人間が一番恐い」みたいな落ちがあるのだが、そういう流れに持って行く気配もなくて小気味良かった。
読んでいる最中の気分としては、アレだ、TV番組の『家ついていっていいですか』(の、オカルト版)を観ているような感じ。それぞれの人生やそれぞれの恐怖があって、何を脚色するわけでもなくその淡々としたそのままのストーリーが何故か妙に心惹かれる、みたいな…。新しいジャンルとして成り立つんじゃないかと思うくらい、絶妙な求心力があった。
自分の知らない世界、経験できない事柄を追体験できることはいつも面白いが、この本もまた然り。うっすい内容を頑張って膨らませた感じもなく、無骨に事実を追って、目の前のものを綴って、結果的に分厚い本になったようなたたずまいなのもまたいい感じ。
Posted by ブクログ 2023年07月21日
ど偏見だけど、大阪怖ぇ〜ってなった
地盤が低かったり昔池だったりして湿気が多かったり水害が多くて住環境が悪いから安いし、安いところに住む人が集まるから事故物件になるのでは、と怪談社の本読んでて思ったことが具現化してる
怖いよりも悲しくなる感じでした。意味不明な話もありましたが、タニシさんの淡々とした対応が、リアルに伝わりゾッとしたり、悲しくなったり。不思議な感覚を味わう本でした。
早く次が読みたいです。
Posted by ブクログ 2022年08月02日
サクッと読めて間取り見つつ考察できる怪談本。
今回は孤独死よりも殺人が多めの物件だったので、なかなか胸熱でした。
松原さんに心霊現象は起きても霊障は起きないでほしいと祈ってしまいます。
霊を感じるよりも死を身近に感じて生きる意味を問うのは禅の修行のようです。
ラストの15件目の物件ってもしかして幼児...続きを読む二人餓死の物件ですかね…
Posted by ブクログ 2022年09月11日
事故物件住みます芸人、松原タニシさんの事故物件本の3冊目。
冒頭に驚く。勇気ある構成だ。
自分が住むことになった事故物件に関しては、感情の揺れはあるものの、聞いた事故物件の話に関してはものすごく淡々としてる。怖がらせるような要素を廃した書き方。なのに怖い。少ない情報から「あれ?」と前のページに戻る...続きを読むような。新耳袋を読んだときに近い気もする。
いつか自分も死ぬ。そうすると高い確率で事故物件になる。事故物件だから怖い、ではなくて、ただそこで人が死んだことがはっきりしてるだけの物件なのかも。(地球創世記から考えれば、生き物が何一つ死んだことの無い場所はない気がする)
Posted by ブクログ 2024年02月01日
事故物件住みます芸人松原タニシの恐い間取りシリーズ第3弾。
2021年ですべてを失うといわれてたタニシさん生きててよかった~!笑
殺人事件のあった家で血痕とかそのまま残して売りに出してることなんてあるんだ!?とびっくりした。そんな家借り手あるのかな。何年間も人が立ち入ってない廃墟みたいな物件に寝泊ま...続きを読むりして体調崩すのは霊的なもののせいじゃないと思う…。
5章あるうちの2~4章は人から聞いた実録怪談の紹介になっていて、一応各エピソードの最初のページに間取りが載ってるけど、家とか間取り全然関係なかったり、ネタ切れ感が否めなかった。まぁそんなに頻繁に引っ越しを繰り返すわけにもいかないし、仕方ないか。
巻末に歴代事故物件の付録つき。
Posted by ブクログ 2023年07月05日
怖い
後ろ振り向けないと言うよりは
こんなもんか、みたいな。
今までの読書歴からの流れとして
こういう本もありかと思った。
小説より氣なり。
やっぱり、一番怖いのは人間。
Posted by ブクログ 2022年09月20日
「事故物件に住んじゃいました」
レポート的ノンフィクションかと思って読み始めたら、
読んでるうちにだんだん事故物件を介して
知り合った人から聞いた怪談実話系になっていって
ものすごく怖くなってしまった。
私自身霊感ないから霊的体験もしたことないし
「死んだらどうなるのか」なんて考えたこともないので...続きを読む
死んだ後にも場所に留まり続ける念があるとは。
結果的に自分の生死観が揺さぶられる
読書体験になってしまいました。
挿入される物件のモノクロ写真もたまらなく恐怖。
紹介されてるどの話も怖ろしかったけど、
(血痕べったりついたままの家を期間限定とはいえ
他人に貸すのかっていう……)
「ロマンチストのなれの果て」が印象に残ってる。
それにしても15軒目の餓死(子供)って。絶句。
何があったのか、あれこれ想像してしまうよ。
物件の向こうに雄弁ではないものの人生が透けて見える