【感想・ネタバレ】紅白歌合戦と日本人のレビュー

あらすじ

今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦。「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり、坂本九、山口百恵、都はるみ、SMAP、美輪明宏……。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作!

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Posted by ブクログ

紅白歌合戦を語ることは、取りも直さず日本の戦後歌謡史を語ることだということが浮彫になる秀逸な著作。時代によって形は変われど「安住の地」を紅白が日本人に提供してきた、という仮説は非常に興味深いが、多少強引な印象も否めず。ただ、各時代の流行歌が何を以て流行歌足りえたのか、という分析は切れ味鋭い。音楽業界に身を置く人間には特に必読でしょう!

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2014年04月27日

Posted by ブクログ

紅白と日本人の関係は本当のところ分かったような納得できないような感じでしたが、長い紅白の歴史を振り返って良く纏まっているし、知らないことも知っていることも含めて懐かしい気分になりました。これが著者のいう「安住の地」効果なのかも、、紅白には限りませんが、とにかく音楽の力は偉大です。

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2014年01月22日

Posted by ブクログ

「なぜ紅白を見続けるのか」という疑問に対する答えを求めて、「ワイドショー」や「ホームドラマ」などのテレビ的なアイコンを使いながら「国民的番組」の魅力を探る。戦後の歌謡曲と歌い手の変遷が語られるだけでなく、楽曲に寄せる日本人の精神的な移り変わりを知ることができる。

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2013年12月29日

Posted by ブクログ

紅白の誕生から2011年くらいまでをざっくり追っている。紅白論というよりは歌謡界論という感じも。紅白を謳うならもっと紅白に特化してトリビアをいろいろ紹介してもらいたかった。
とはいえ、紅白がけっこう短い周期でどんどん変わってきたことがわかったのは面白かった。高視聴率が至上命題ではあるけれど、一方でもうここ30年弱くらいはそんなの望み薄なわけで、迷走ぶりが痛々しい。著者はそうした試みをけっこう肯定的にとらえていて、「日本というコミュニティが再生する上でも必要な、受け継がれるべき記憶は、こうした場から立ち現れてくるのではないだろうか。だが、それを一つの形へと無理にまとめ上げる必要なない。むしろ、複数あっていい。しかもそれは常に変化していく。大切なのは、そうした複数の記憶が内閉することなく、交響し合うことである。」(p.347)なんていってるんだけど、多様性を受け入れるのはいいことだけど、そんなそれぞれがそれぞれの好きな方向を向いたものがまとまるのだろうか。すなわち、もう老若男女みんなが口ずさめるような歌が生まれなくなっている現代日本社会において「コミュニティの再生」とか無理なんじゃないと思っちゃう。
自分のなかでは黄金的な紅白って、その年のヒット曲が披露されるってものなんだけど、もはやそんな紅白望めないこともよくわかった。見なくなって10年はたつと思うけど、これからもきっと見ないことでしょう。

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2021年10月14日

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