あらすじ
(概要)
すでにOSS(オープンソースソフトウェア)はあらゆる機器で使われています。今後,IoT(Internet of Things)機器が普及すれば,数百万台から数百億台というオーダーでOSSが各デバイスで使われるようになります。
本書では,10数年にわたりOSSライセンスを業務面で関わりのある著者が,OSSライセンスの正しい理解,そして我々が何をすべきか,何をすべきでないかについて解説します。企業規模が小さく法務面や知財面で恵まれない現場の方に,OSSを適切に利用するためのヒントが満載です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
寛容型(MIT/BSD/Apache/…)と互恵型(GPL/LGPL/…)
今よく関わっているOSSのライセンスがApacheあるいはそれベースで少し修正が加えられたものなので勉強になった。GPL/LGPLのOSSは特に注意が必要。構成管理記録重要…法律が絡むからなのか、洋書から一部参照した文章なのか、表現が回りくどく冗長に感じる部分も多々あった。OSSのための社内体制として特に社内バザールとそれを支えるリーダー・フォロワーシップが参考になった。また第14章はOSSコミュニティとの付き合い方を考えあぐねている今、背中を押されるような気持ちになった。
Posted by ブクログ
オープンソースのライセンスといえば、BSDライセンスで、その後GPLが出てきたな、という理解でいたなか、OSSが増える中、さまざまなライセンスが出てきましたが、興味に応じ、理解に努めてきました。OSSを発信しようとした際、きちんとした理解が必要になり、本書を手に取りました。OSSライセンスを網羅的に取り扱った本では、唯一と思います。OSSを利用する人たちにも必須の本ではないかと思います。
Posted by ブクログ
OSSに関しては始めての本であり、はっきりしないままOSSのソフトウエアを
使っていたので大変参考になった。使っている言語のライブラリを選定するとき
まずライセンスを見るようになったし、明記されていないライブラリは最初から
除外するようになった。またコミニティの大きさ、活発さも見るようになった。
OSSの正しい使い方の啓蒙でありOSSコミニティへの参加慫慂を目的とした本である。
1章 オープンソースソフトウェアの基本
「OSSは使っただけで自社のソースコードを公開しなければならない」という誤解
「OSSは無料で無条件で使用できるソフトウェアという誤解」がある。
この2つの誤解をなくすことが大事
OSSなしでソフトウェアを構築してことは事実上困難であり、正しく使っていくことが
必須条件となる。
2章 ソフトウェアライセンスの基本
OSSの使い方の基本
3章 寛容型ライセンスと互恵型ライセンス
ライセンスごとの条件の違いについて説明
4章 寛容型ライセンス TOPPERS,MIT,BSDとApache
有名なライセンスごとに説明
5章 互恵型ライセンス GPL/LGPL共通
6章 誤解されやすいLGPL
7章 GPL/LGPLバージョン3とAGPLバージョン3
8章 GPL違反を考える
GPL関連のライセンスについて説明
9章 OSSと構成管理
OSSの正しい使い方、製品リリース公開直前になってあわてない
製品つくりについて説明
10章 OSSライセンスと知的財産権
特に特許権について説明
11章 ソフトウェアのサプライチェーン問題
OSSの中に別のOSSが依存関係で入っている問題に対する対策
12章 製品出荷・ソフトウェアリリース時の実務
省略
13章 OSSと社内体制
OSSと付き合っていくときの求められる社内体制
14章 新しい技術層の登場
OSSとの付き合い方
15章 独自技術のOSS開発
16章 イノベーションとOSS
省略
Posted by ブクログ
自分は法務の人間なので、OSS開発者コミュニティの実態がどんなものかよく分からない。そんな自分にとって、本書に書かれているコミュニティの考え方やコミュニティの良い関係の築き方はとても参考になった。溜め込み過ぎず不完全な状態でも情報を出していくこと、自分の仕事が忙しい時でもできる範囲で困っている人を助けることなど、OSSコミュニティの行動規範はソフト開発以外のあらゆる仕事に適用できると思った。
Posted by ブクログ
今やOSS無しでソフトウェアを開発するのは不可能と言える時代。タイトルにあるライセンスの解説だけでなく利用時の注意点、社内体制の構築、コミュニティへの貢献などこれ一冊でOSSを網羅した文字通り教科書。さらに技術書としてだけでなくコミュニティマネジメントの本としても興味深い内容だった。