【感想・ネタバレ】国民の修身のレビュー

あらすじ

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正しい日本人の姿がここにある

戦前の修身教科書を再現! 「教育勅語」も収録!
総ルビ・現代語訳・用語解説も付いて 子どもと読むのにも最適!
「修身」とは、戦前の小学校で教えられていた現代の「道徳」にあたる科目です。
本書では小学校1~3年生の「修身」の教科書を再現。
そこには人間としての大切なことがわかりやすく説かれています。
道徳教育のあり方が問い直される昨今、今一度、日本人の原点を振り返るのにふさわしい一冊です。
二宮金次郎や「三本の矢」の元となったエピソードなど、
昔の日本人ならば誰もが知っていた話も多数掲載されています。

主な内容(一部)
■1年生
よく学び よく遊べ/兄弟仲良くせよ
■2年生
自分のことは自分でせよ/恩を忘れるな
■3年生
堪忍/よい日本人

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Posted by ブクログ

ネタバレ

修身や教育勅語に対して、ネガティブなイメージを植え付けられている世代も多かろうと思います。
斯く言う自分もきちんと全てを読んだことはありませんでした。

こちらの本はカタカナ表記の後に漢字平仮名混じりで書き下し文も掲載されており、大変読みやすいです。

明治維新により藩校がなくなり、修身科はあったが実際は欧米の新知識を与えることに熱心で、小学校の先生の為の師範学校も指導者はアメリカ人だったという現状。
明治12年の教育令は自由を重んじ放任すら認める感じで、授業を視察された明治天皇がこれでよいのかとご心配になるほどだったというのも空恐ろしさを感じます。
明治14年に小学校教則綱領が出されて修身が各教科の首位とされましたが、実際は格言や史実の良い話、作法を教える内容のものであり、不十分ということで明治23年に教育勅語が下賜されました。
これにより日本の道徳教育問題が安定していたにも関わらず、戦後アメリカの占領政策の中で禁止され、またしても日本の美徳は失われました。
個人的には、アメリカ以外の歴史ある国であれば話はまた違ったのではないかと思っています。
アメリカでは道徳教育と言えば教会でやるものであり、一神教ですから、八百万の神がいてその中にキリストすら含めるようなおおらかさがあり、武士道があった国とは根本的に考え方が相容れないのが当たり前でしょう。

教育勅語は訳本も作られて諸外国に配布されましたが、どこからも反対・批判はなく、称賛の反響のみがあったそうです。日本の学校での道徳教育は修身と称され、教育勅語に則ったものとなりました。
この本の中に、ある校長先生の話として
「非行少年が出た場合、その親が教育勅語や修身を教えられた世代の場合は指導に成果が上がりました。しかし親が教育勅語も知らず、修身も教えられていない世代になると手の施しようがありません」というものがありました。

明治以降の欧米礼賛を捨てやっと基本に立ち返ろうとしているかと思えば、「日本礼賛ブームは気持ち悪い」と言い出す人もいる現代。
いろいろなことが難しくなっているなと思います。
藩校や寺子屋の時代には考えられない、礼儀や常識の無い親子供が増えてきているのが、残念ながら現代の日本です。
もちろんこの本の内容が全く現代に当てはまるわけではないので、昔の話だという前置きをするなり、多少の追加修正をするなりは必要にはなるとは思いますが、この内容は確かに時代や場所を越えて普遍・不変の価値があり、この内容を目標として修身に心がけることに、普遍・不変の価値があるでしょう。

外であるきながらものを食べ、地べたに座る『欧米化』が進んだ現代では、上下の区別がつけられない人も増えています。
自分の親はきちんと躾けてくれたので、文吉の母のようにものを跨いではいけないと教えてくれましたし、剣術の師範も入門初日にたとえ木刀でも刀を跨いではいけないと教えてくださいました。
この絵本を跨がないという話の他、徳川光圀が紙を粗末にするのをやめさせるために、女中たちを紙すき場に見せにやる話や、馬子が馬のことを「この馬のおかげで暮らしているから」と親方と呼んで大事にしている話が、いかにも日本らしく感じ特に印象に残りました。

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2018年10月13日

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